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【妄想喫茶】会社はどう回るのか編 第13話

「信頼が壊れた時、会社はどうなる?」


※この作品はフィクションであり、AIとの共同制作による創作です。
実在の企業・人物とは関係ありません。
ここで語られる内容は一つの見方に過ぎません。
深夜のコーヒーと同じく、少し苦くて、少しだけ考えたくなる―
―そんな時間をお楽しみください。



カラン、とドアベルが鳴った。
夜は静かで、どこかひびを感じる空気だった。
常連はコートを脱ぎながら席についた。
今夜は少し重い顔をしていた。
「マスター、"信頼が崩れる時"って……」
少し間を置いた。
「想像したくないですね」
マスターは豆を挽きながら、静かに頷いた。
「起きると一気に来る」


グラインダーに豆を落とす。
刃が噛む、一定の音。
「一気に?」
「積み上げるのは時間がかかるけど、崩れるのは早い」
「うわ……」


お湯が落ちる。細く、静かに。
「どんな時に崩れるんです?」
「裏切りと感じた時かな」
「裏切り……」
「約束が守られない、説明がない、隠される」
「全部きついやつ」
「そう」


カップが置かれた。湯気が細く立つ。
外で風が一度だけ通り抜けた。
「家族経営だと余計にきつそうですね」
「近い分だけダメージが大きい」
「近いほど速くて、壊れるときも速い」
「いいまとめだね」


常連は一口飲んだ。
苦みが先に来て、遅れて甘みが追いかけてくる。
それでも今夜は、苦みの方がずっと長く残った。
「じゃあ、崩れた後って……」
少し考えながら。
「どうなるんです?」
「二つに分かれることが多い」
「二つ?」
「立て直すか、崩れ続けるか」
「極端ですね」
「信頼は中途半端に戻りにくい」
「確かに」
常連は何も言わなかった。
その言葉が、静かに沈んでいくのを、ふたりとも感じていた。


「なんか、会社って……」
少し言葉を探しながら。
「"見えないもので支えられてる"感じですね」
「いいところに来たね」
「やっぱり」
「仕組みだけじゃ持たない部分」


店内が、少し静かになった。
冷蔵庫の唸りだけが、低く続いていた。
「でも、この信頼って……」
「うん?」
「"どうやって保つか"が大事じゃないですか?」
「いいところに来たね」
「やっぱり」
「次は、"信頼をどう維持するか"の話にしよう」
マスターは新しい豆を取り出した。
棚の前で少し手が止まる。
それから静かに、少し軽めのものを選んだ。
維持する話は、崩れる話より、少しだけ前を向いている。
そのことを、マスターは最初から知っていた。


湯気が、ゆっくりと立ち上る。
夜は、まだ続く。


(続く)


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虚構堂 酉丸(とりまる) 妄想とAIが織りなす虚構の小箱。いただいたチップは次の幻想を綴る筆代に。ご支援、心より感謝いたします。