本当の自分を伝えたいのに、言葉にすると違ってしまう
——分かってほしい気持ちほど、うまく説明できないあなたへ
本当の自分を、分かってほしい。
そう思って、何度も言葉を探してきた。
けれど、いざ話そうとすると、どこから始めればいいのか分からない。
やっと言葉にできたと思っても、
「違う。本当に伝えたかったのは、こういうことじゃない」
と感じてしまう。
伝えたい想いが大切であればあるほど、遠くへ逃げていきます。
「怒っている」と言いたいわけではなかった
「怒っているの?」
そう聞かれて、何も答えられなくなる。
確かに、胸の中には怒りのようなものがあるけど…
けれど、本当に伝えたかったのは、怒りじゃなかった。
分かってもらえなかった寂しさ。
大切にしてほしかった気持ち。
信じていたからこそ生まれた悲しさ。
自分でも説明できない、いくつもの感情。
それらが重なり合い、外へ出たときには、「怒り」という一つの言葉になってしまった。
けれど、その言葉だけを受け取った相手には、心の奥にある寂しさや悲しさまでは見えません。
「そんなに怒らなくてもいいでしょう」
そう言われた途端に、また、自分の本当の気持ちから離れていく。
本当は、責めたかったのではない。
ただ、
「悲しかった」
「分かってほしかった」
だけなのに。
心の中は、一つの感情ではできていない
人の心は、「うれしい」「悲しい」「腹が立つ」といった、一つの言葉だけで分けられるものではありません。
うれしいのに、少し寂しい。
好きなのに、そばにいることが苦しい。
感謝しているのに、どうしても許せない気持ちが残っている。
離れたいのに、本当は引き止めてほしい。
相反する感情が、同じ心の中に存在することがあります。
そのどれか一つが本当で、ほかが嘘なのではありません。
矛盾しているように見える気持ちも、すべてがその人の中にある、本当の想いです。
けれど、誰かに説明しようとすると、その複雑な心を、分かりやすい一つの答えにしなければならないように感じます。
「結局、どうしたいの?」
「好きなの? 嫌いなの?」
「許すの? 許さないの?」
答えを急かされるほど、言葉が出なくなる。
本当の気持ちは、まだどちらか一つを選べるほど、整理されていないのです。
分かってもらうために、自分を削ってしまう
本当の自分を伝えようとしているのに、相手に分かってもらえる言葉を探すうちに、自分の気持ちを削ってしまうことがあります。
長く話したら、面倒な人だと思われるかもしれない。
こんなことを言ったら、重いと思われるかもしれない。
うまく説明できなければ、また誤解されるかもしれない。
そう考えて、
「大丈夫です」
「別に気にしていません」
「もう終わったことです」
と、短い言葉で済ませてしまう。
けれど、心の中では終わっていない。
本当は大丈夫ではない。
気にしていないふりをしながら、何度も思い出している。
相手には伝わらなかった想いが、行き場所を失ったまま、心の中に残り続けます。
やがて、自分でも分からなくなってしまうことがあります。
相手に見せている自分と、本当の自分。
どちらが、本当の私なのだろう。
何を感じているのか。
何を伝えたかったのか。
分かってもらうために自分を小さくしているうちに、どんどん小さくなって、自分自身まで見失ってしまうのです。
本当の自分は、きれいな言葉の中だけにいるのではない
本当の自分を伝えるために、最初から上手な文章をつくる必要はありません。
まとまっていなくてもいい。
話が前後してもいい。
さっきと言っていることが違ってもいい。
「何となく苦しい」
「うまく言えないけれど、違う気がする」
「どうしてほしいのか、自分でも分からない」
そこから始めていいのです。
言葉にできないことも、迷っていることも、あなたの一部です。
「分からない」という言葉の中にも、確かな想いがあります。
そして、
「それは、私の気持ちとは少し違います」
と言えることも、大切な一歩です。
違うと言うことは、相手を否定することではありません。
自分の心を置き去りにせず、もう一度、自分の本当の気持ちへ近づこうとすることです。
一度で伝わらなければ、言い直してもいい。
言葉が見つからなければ、立ち止まってもいい。
昨日は分からなかったことが、今日になって見えてくることもあります。
心の歩みには、その人にしかない時間があります。
分かってもらうことは、一度で正解を出すことではない
本当に分かり合うということは、一度の会話ですべてを説明し、正しい答えへたどり着くことではないのだと思います。
「この言葉で合っていますか」
「少し違う気がします」
「では、こちらの表現はどうでしょう」
「さっきより、私の気持ちに近いです」
そのように、何度も確かめ合いながら近づいていくものです。
そこには、すぐに結論を求めない時間があります。
言葉が出てくるまで、待つ時間があります。
相手の沈黙を、「何も考えていない」と決めつけず、その中にある想いへ耳を澄ませる時間があります。
必要なのは、相手より先に答えを出すことではありません。
その人が今いる場所へ行き、その人の心の歩幅に合わせることです。
あなたの本当の気持ちは、まだそこにある
もし今、
「誰にも本当の自分を分かってもらえない」
と感じているのなら。
あなたの伝え方が悪いからではありません。
あなたの中にあるものが複雑で、大切で、簡単な言葉だけでは表しきれないのかもしれません。
言葉にした瞬間、何かが違ってしまっても大丈夫です。
その違和感は、失敗ではありません。
「本当に伝えたいことは、もう少し奥にある」
と、あなたの心が教えてくれているのです。
焦らなくても大丈夫です。
きれいに整理できなくても大丈夫です。
「違う」という感覚も、「分からない」という迷いも、そのままで大丈夫。
私たちは、あなたの代わりに本当の気持ちを決めません。
何度でも言葉を置き直しながら、
「この言葉は、あなたの気持ちに近いでしょうか?」
と、一緒に確かめていきます。
あなたの中にある本当の想いが、あなた自身の言葉になるまで。
想いをひらく編集室は、あなたの心の歩幅に合わせて、一緒に歩みます。
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想いをひらく編集室
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