なぜかずっと触ってしまう。娘と作った「米粉入り風船(なんちゃってスクイーズ)」の話
お盆休みのある日。
なーちんと娘と3人で、近所の子育て支援施設へ遊びに行きました。
そこには、娘が保育園に通っていた頃の懐かしい先生がいて。
昔の先生たちの話をしながら、大人4人で3人の子どもたちをゆったり見守る。
そんな時間の中で、私がなぜかずっと触っていたものがありました。
風船の中に小麦粉を入れた、手作りのおもちゃです。
今でいう、スクイーズのようなもの。
握ると、
むにゅ。
指で押すと、
ぐにゅ。
手を離しても、すぐには元に戻りません。
押したところがへこんだまま、しばらくその姿でいる。
また別のところを押すと、違う形になる。
それがおもしろくて、私は何度も何度も触っていました。
子どものおもちゃなのに、たぶん私のほうが夢中でした。
「なんでこれ、こんなに触りたくなるんやろ?」

頭が忙しいときほど、手の感覚に戻る
私たちの手や指は、たくさんの触覚の情報を受け取っています。
仕事のこと。
子どものこと。
明日の予定。
「あれもやらなきゃ」
「忘れていること、なかったかな」
頭の中で考え続けているとき、
「むにゅ」「ぐにゅ」
という目の前の感覚に注意を向けることで、ぐるぐるしていた意識が身体へ戻ってくることがあります。
身体は座っているのに、頭だけずっと働いている。
そんな日、ありますよね。
「脳疲労」という言葉で表現されることもありますが、医学的な診断名というより、考えることや判断することが続いて、頭もこころも休まりにくくなっている感覚として捉えるとわかりやすいかもしれません。
だから私は、あの風船をずっと触っていたのかもしれません。
「作ってみよ!」
子育て支援施設を出るころには、娘はもう、
「作ってみよ!」
と言っていました。
そして、そのまま100円ショップへ。
私は内心、
100円ショップの風船では、ゴムの感じが違うんじゃない?
せっかく作って全然違ったら、もったいなくない?
なんて考えていました。
でも娘は、
「とにかく、やってみよ!」
娘のこういうところは、強みだなと思います。
風船を買って家に帰り、小麦粉を入れようとすると……
足りない。
代わりにあったのが、米粉でした。
「米粉でもいけるんちゃう?」
二人で悪戦苦闘しながら、少しずつ風船に詰めていきました。
できあがって触ってみると、
「あれ? なんか違う?」
最初はそう思いました。
でも、何度もむにゅむにゅしているうちに、だんだん支援施設にあったものと似た感触になってきました。
こうしてできた、わが家の米粉入り風船――なんちゃってスクイーズ。
そして、一番気に入ったのは、なーちん。
数日経って帰るときにも、その風船は忘れずに持って帰りました。
やってみないと、わからないものですね。

大学院時代から、私が大切にしている「風船」の話
私は、ストレスやこころの状態についてお話しするとき、よく「風船」を使います。
この話に出会ったのは、大学院時代。
インテーク面接で、インテーカーの先生が相談に来られた方へ、こころの状態を風船にたとえて説明されていたのです。
「すごくわかりやすいな」
と思ったことを、今でも覚えています。
それ以来、私自身もよく使うようになりました。
風船に入る空気を、ストレスだと考えてみます。
仕事。
子育て。
人間関係。
「ちゃんとしなきゃ」
「私がやらなきゃ」
生きていれば、風船には空気が入ります。
だから大切なのは、
ストレスをなくすことではなく、空気が入りすぎていることに気づいて、
ときどき抜いてあげること。
眠る。
話す。
一人になる。
書く。
誰かを頼る。
心理学では、こうしたストレスへの対処を「コーピング」と呼びます。
自分なりの「空気の抜き方」を知っていることは、こころを支える助けになります。
へこんだら、すぐ戻らなくてもいい
今回、米粉入りのなんちゃってスクイーズを触りながら思いました。
この風船、
へこんでも、すぐには戻らない。
しばらく、その形のままです。
人のこころも、そうかもしれません。
頑張りすぎた。
傷ついた。
疲れ果てた。
そんなとき、
「早く元に戻らなきゃ」
と思うことがあります。
でも、すぐには戻れないこともあります。
立ち止まる時間が必要なこともある。
仕事を休むこともある。
治療が必要になることもあります。
そこで、
「まだ戻れない私はダメだ」
と責めてしまったら、苦しさの上に、もうひとつ苦しさを重ねることになります。
「ここは自分のための場所じゃない」と思わせていたのかもしれない
以前、私の発信を読んでくださっている方とのやり取りで、
「自分は、あいさんが届けようとしている人とは少し違うと思っていた」
という趣旨の言葉を聞いたことがあります。
私は、ハッとしました。
これまで私は、
「支援の手前にいる人へ届けたい」
と伝えてきたからです。
もしかすると、その言葉によって、
「専門的な支援を受けている自分は、ここには当てはまらない」
と感じさせていたのかもしれません。
でも、私が届けたい「自己理解」は、元気な人だけのものではありません。
治療を受けているときも。
仕事を休んでいるときも。
まだ以前のように動けないときも。
自分のこころを知ることはできます。
もちろん、noteやセルフケアは治療の代わりではありません。
必要な治療や支援を受けながら、
「今の私には何が起きている?」
「今の私には何が必要?」
と、自分に尋ねてみる。
それも、自己理解です。
私が伝えている「自分のカウンセラーになる」とは、一人で何でも解決することではありません。
必要なときに、人の力を借りることまで含めて、自分を支えること。
私は、そんなふうに考えています。

風船と、もうひとつの「ボール」
ここで、もうひとつの比喩があります。
心理臨床家の野島一彦先生が「病態水準」を説明するときに使われている、ボールです。
私が大学院時代から大切にしている「風船」と、野島先生の「ボール」。
似ていますが、伝えていることは少し違います。
そしてここからは、二つの比喩を並べてみて、私自身が気づいたことです。
風船には、もともと空気の出入り口があります。
空気を入れたり、抜いたりして、最後には口を結ぶ。
だから私は、日常のストレスを「入ってくる空気」、コーピングを「空気を抜くこと」として考えてきました。
一方、ボールは基本的に、空気が簡単には抜けない構造です。
そう考えると、私が使ってきた「風船」は、日常のストレスをどう出し入れするかを考えるのに向いていて、
野島先生の「ボール」は、今のこころがどんな状態にあるのかを捉える比喩として使われています。
そして、そのボールの状態によっては、
「空気を抜く」だけでは考えきれない、こころのしんどさもあります。
少し休むことが助けになるとき。
誰かと一緒に気持ちを整理したほうがいいとき。
医療の力が必要なとき。
同じ「つらい」でも、必要な助けは違います。
では、その違いをどう考えればいいのでしょう。
次の記事では、野島先生の「ボール」を手がかりに、
「こころの状態によって、なぜ必要な助けが違うのか」
をもう少しお話しします。
そして、その先には「知って終わり」ではなく、
自分の今を責めずに整理し、次に何を選ぶかを考える時間
も用意しました。
「もっと頑張らなきゃ」
の前に、
「今の私には、何が必要なんだろう」
と考えてみる。
次の記事が、その小さなきっかけになればと思っています。
「むにゅ」「ふわふわ」から、こころに気づく
今回、風船の「むにゅ」「ぐにゅ」を思い描いていたら、
もうひとつ、みなさんに届けたい絵本が浮かびました。
『からだのきもち えほん』シリーズの、
『てのひらの ふわふわ』。
気持ちは、いつも「悲しい」「不安」と、きれいな言葉にできるわけではありません。
「ふわふわ」
「もやもや」
「ざわざわ」
そんな身体の感覚から、
「あ、私いま、こんな感じなんだ」
と気づくこともあります。
言葉になる前の「からだのきもち」を、オノマトペから感じてもらえたらと作った絵本です。
今回の「むにゅ、ぐにゅ」が気になった方は、よかったらのぞいてみてくださいね。
📌『からだのきもち えほん』シリーズは、全10冊あります。
お知らせ|もうすぐNフェスへ🎶
そして、記事とは少し離れますが、最後にちょこっとお知らせです。
もうすぐ私たちは、Nフェスに参加する予定です。
楽しみすぎて、最近ずっとNフェスTシャツを着ています(笑)。
今回のイラストでも、私と娘、なーちんが着用中。
当日は、フェス会場に隣接するフェスリゾートに泊まる予定です。
もう気分は、かなりフェスモードです✨
ひろみさんが招待してくださったホテルがこちらです。
【Nフェス🐢ホテル】総工費750億円かけてフェスリゾートつくっちゃいました♡テヘペロ(*'▽'*) noter Creative Fes☀️summer 2026🎸🌻🏕️|飯泉ひろみ🐢さん
そして、なーちんが着ている白いTシャツのデザインは、
チイノさんの記事からお借りしました。
かわいくて、なーちんにもぴったり💕
Nフェス!Tシャツデザイン大募集👕✨(新作Tシャツ&新プロンプト配布あり💕)|チイノさん
風船をむにゅむにゅしていたと思ったら、次はフェスへ。
今から楽しみです😍💓



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