実写版「ルックバック」見ました(是枝裕和監督作品)
アニメ作品を、見ておりました。
オススメされて。
これが存外素晴らしくって。
オススメ頂いた方にお礼を申し上げたのでした。
そんなことで、正直、
「え?今さら、何故に実写?」
「しかも是枝監督って」
きょっとーーん、状態で。
むしろ、ゆえに、「理由を知りたい」みたいな気持ちが強くなり。
それで見てきました。「ルックバック」実写版。
STAFF
監督・脚本・編集 是枝裕和
原作 藤本タツキ
企画・プロデューサー 小出大樹
音楽 坂東祐大
シャークキック・ギター(友情演奏)米津玄師
劇中曲Vocal 三浦透子
ロトスコープアニメーション監督 久野遥子
CREDIT
藤野 役/出口夏希 ,
京本 役/蒔田彩珠 ,
藤野(子ども時代) 役/七瀬ふうり ,
京本(子ども時代) 役/岡田六花 ,
朱里 役/野呂佳代 ,
仁志 役/池田良 ,
恵 役/佐々木みゆ ,
真鍋 役/山田真歩
玉井 役/宮藤官九郎
前田 役/菅田将暉
結論から言いますと。
やっぱり凄く良くって。ぼろんぼろん泣いて帰ってきました。
ちょっと、個人的な話ですが。
私、そうですねえ、小学校の中学年ぐらいから、マンガ原作のあるアニメが「大嫌い」状態に陥るんですよ。
当時の、特にTVアニメは、セル画のペタンとした色付けが主流で。
モノクロの、マンガ原作のペン画の方がずっと豊かな気がしていたのです。
あんなに大好きだった、東映まんがまつりの映画もいつの間にかなくなって……。
「風の谷のナウシカ」とか……いや、もう少し前でしょうか、
「こりゃ凄い」って感触が戻るのって、80年代も半ばあたりからだったかしら、その頃って、もう大人でしたね。
だからちょっとね、もうそこからだと、アニメに戻るには遅くて。
大人の事情で(笑)。
きっといい作品たくさんあったと思いますが。
そんなことで。
ほんっと、結構最近ですね、ちらちらとアニメも見ようかな、って気になって来たのは。
アニメ作品は、
原作読んでもないのにですね、
何だかそれでも、原作愛をがんがん感じるアニメでした。
ぱんぱん画面が流れて心地よく、
優しく、
コマ割りじゃないのに、漫画読んでるみたいな心地よさがあり。
ああ、これって、もしかしたら私の人生じゃ?
って。
多分、たくさんの人が思うよな……そんな物語。
認めてくれる人がいること。それが、
たくさんの心無い呪縛の言葉に抗う力をくれる。
その力を糧に前へ進む藤野に、京本に……救われる人はきっといる。
その後、藤本タツキ先生の原作マンガ作品を手に取りました。
素晴らしいんだまたこれが!
描かれたパラレルワールドの、どちらかに、必ず私はいる。
そう思えたの……。
その日が、あっても、なくても、
私はここにいて。
どこかで……どこかの時点で。
大事なものと、大事な人と、きっと出会っている。
こんな素晴らしき、忘れがたき作品を。
わざわざ、実写にする意味なんて、果たしてあるんだろうか……って、本気で思ったんですよ。
それを、ちゃんと、確認しようと思って。
ありました。意味。
もしかして私、こういう体験は初めてだったかもしれません。
「実写化、いいじゃん」って思ったの。
これ、好きだ、って。
「やっぱり」好きだ、って。
藤野と。京本。
まあ、、かつて、実写化作品にいかにがっかりさせられてきたか、ってことでもあるかもですが。
映像自体は、時折は、っと
「あら確かにこれ、是枝監督」と思うカットが満載で。
創作部分もたくさんあって。
でも、それがね、また効いていたように思います。
藤野の両親の描写とか。
先生ね!小学校の担任。
雑誌社の編集さんには。
これは是枝さんの思いが乗ったかな。とか。
特に、宮藤官九郎さん、これ、演じ過ぎじゃない?ってちょっと思ったんだけど。
これはこれで、新しい視点をくれましたしね。
でも、あまりにもアニメを想起できる場面で覆われているせいで、
何と言いますか、ほとんどの時間、アニメを再見している気分で見続けていました。
それがいい悪いを問われると、よくわかんないんだけれど……
登場人物が「生身」であることの意味を、凄く感じたんです。
彼女たちは、漫画家作者の創造物、ではなく。
今、ここで、息をしている。
悩んだり、迷ったりしながら、現実を生きて来た、生きていた……
そのことが与えるリアリティは、
漫画やアニメより上とか下とかって話では全くなくて、
言葉通りのリアルで。
彼女たちの温度、
演じながらも本当に寒かったり、
悔しかったり、
真剣に取り組んだ、その見えない時間が映ってた。
ガリガリとペンが紙を引っ搔く音に、今が見えた。
私……
私にも、私の物語があります。
私のルックバック。
語れないけど。
中学のときに、
私、決めたのね。
「好きなことを、仕事にしない」って。
社会の歯車を生きます、って宣言したの。
それは、精一杯の、自分への言い訳だったのかもしれない。
私の相棒は、何も言わなかったな……。
何も。その時は。
でも、何度か声を掛けてくれたんだ。
そのたびに、ぐらぐらしたけどね……
あの頃のあの場所でずっと、迷子になっている私がいるんです。
語れないから。
だから、「ルックバック」ありがとう。
