「でんしゃのうんてんし」になった僕が、今思うこと。
いつからだろうか。
物心がついたころには「でんしゃのうんてんしになる!」と言っていた。
幼少期、誰もが一度は通る道だと思う。
「電車の運転士」「お花屋さん」「バスの運転手」「パイロット」「プロ選手」「ケーキ屋さん」……。
あのころ抱いていた夢や憧れを実際に叶える人は世の中にどれくらいいるのだろうか?
私は、それを叶えた側の人間だ。
厳密にいうとちょっとカタチは違うけれど。(笑)
小さいころから、祖父母に連れられて列車旅をしていた。それはそれはとんでもない勢いで。
駅できっぷを買って、駅弁を買って。
特急列車に乗って、特に用もないのに都市間を移動する。
ひどいときは、祖母と二人で特急列車に乗り、祖父は車で到着地に先回りして二人を待つ。なんてことも(笑)
中学生くらいになると、行動範囲も広がり家にあったコンパクトデジカメで鉄道写真を撮り始めた。
それと同時に趣味仲間が増えた。
その仲間たちとは今も繋がりがあるし、なんなら親友と呼べる仲の人間もいる。
同業者になっている者もいる。
高校生になって少し熱が冷めるものの、就職活動をするときに何をしたいのか改めて考えたとき、真っ先に出てきたのはやはり「運転士」の三文字だった。
私は求人票を見るその時まで知らなかった鉄道会社を受験し、無事に合格した。
駅員、車掌を経験し、約10か月に及ぶ教育を経て、運転士になった。
運転免許を交付され、初めて一人で運転した日。
最初は実感がなかったものの、乗り始めて数時間が経った時「運転士になったんだなあ!」と急に実感した。……しかも停車ブレーキ中に(笑)
現在は、後輩を指導する立場にもなり、新しい壁や悩みに直面しつつ日々の業務をこなしている。
私にとって、鉄道は「人生そのもの」だと思う。
子供のころ、運転士さんや車掌さんたちにしてもらったこと。
あの時感じたわくわくや嬉しさ。
かつて夢や憧れを与えてくれた存在に、今、自分がなっている。
次は私が、子供たちに夢や憧れを与えていく。
そして、その想いが循環していく。
鉄道は、単なる交通手段ではない。
誰かの人生に欠かせないものだ。
私は今日も、誰かの人生の「お手伝い」を、気づかれないところでさせていただく。
