## 美化される「地方の重鎮」と出版界のムラ社会——忖度記事が覆い隠す地方経済のリアル

## 美化される「地方の重鎮」と出版界のムラ社会——忖度記事が覆い隠す地方経済のリアル
地方の老舗書店・東山堂の前社長である故・玉山哲氏の功績を称える記事は、一見すると地域文化と経済に尽力した偉人のストーリーである。しかし、これを忖度なしに客観的、かつ批判的な視点から読み解くと、日本の出版業界、ひいては地方経済が抱える根深い構造的欠陥と「ムラ社会」の縮図が浮き彫りになる。
メディアが並べる美辞麗句の裏側にある、冷徹な現実を検証したい。
### 1. 中央取次との「濃密な関係」が意味する、地方の自立なき依存構造
記事では、大手出版取次であるトーハンの社長が葬儀実行委員長(または実行委員)に名を連ねたことを「人望の高さ」として誇らしげに記述している。だが、これは客観的に見れば、**地方書店が中央の巨大取次システムに完全に組み込まれ、強固な利害関係と依存構造の中にあったこと**の証明にほかならない。
日本の出版流通は、取次が書店をコントロールする委託販売制度と再販売価格維持制度に守られてきた。この中央集権的なシステムの中で「うまく立ち回ること」が地方書店の生存戦略だったわけだが、それは同時に、地方独自の自立した出版文化や、既得権益に頼らない革新的なビジネスモデルの誕生を阻む要因にもなってきた。トップ同士の緊密なつながりを美化することは、構造的な癒着やガバナンスの不透明さを不問に付すリスクを孕んでいる。
### 2. 「利益を守るネットワーク」がもたらしたイノベーションの停滞
東北の書店ネットワーク「GO会」を牽引し、地方書店の利益を守る仕組みを作ったとされる点も、別の角度から見れば**「既得権益の保護」と「市場競争の排除」**という側面を持つ。
書店同士が団結して仕入れや販売のルールを固定化することは、短期的には地方書店の延命につながったかもしれない。しかし、その保護主義的な環境が仇となり、インターネット書店の台頭や電子書籍の普及といった劇的な環境変化に対する業界全体のデジタル対応や構造改革を著しく遅らせたことは否めない。「守る」ための組織が、結果として「変革」を拒む壁になっていたのではないか。
### 3. 「攻めの書店」という名の、本業からの目を背け
「待つ書店から攻める書店へ」として、外商やイベント、音楽・教育事業への多角化を成功させたことが「安定」として評価されている。だがこれは、**「本業である書籍販売(書店事業)だけでは立ち行かなくなった」という敗北の裏返し**でもある。
学校や企業への外商は、地域の人口減少や予算縮小に直面すれば一気に先細りする性質のものであり、音楽・英語教室への依存は、書店の本質的な魅力向上による打開策ではない。多角化による延命を「受け継がれる革新的なチャレンジ」と綺麗に結びつけるのは、本質的なビジネスモデルの破綻という核心から目を背けさせるロジックと言える。
### 結論:美辞麗句の「忖度記事」が日本を滅ぼす
指摘の通り、このような課題や構造的問題に一切触れず、権力者や有力者のつながり(葬儀実行委員の顔ぶれなど)をただ称賛するだけの「忖度記事」が溢れる現状は極めて危うい。
事実を客観的に批評せず、身内のネットワークを誇示するだけのメディアの姿勢は、ガバナンスの欠如やリスク管理の不全を隠蔽し、健全な反省や構造改革の機会を奪い去る。過去の「功績」とされるものを冷徹に総括し、何が真の課題であったかを「引き出す(Education)」ことなしに、地方経済、ひいては日本の再生はあり得ない。
#出版業界 #地方経済 #メディアのあり方 #ガバナンス #忖度社会 #東山堂 #構造改革 #客観的視点

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