【AI小説工房 第19話】公開後の数字が次の原稿へ戻る|「実験票」を往復させる
マンガでわかる:実験票が帰ってくる制作ライン

この記事でわかること
・「一回一変更」の実験票を、次の投稿へ忘れず渡す方法
・公開前の仮説と公開後の数字を、同じ一枚で管理する理由
・AIへ任せる記録作業と、人間が残す判断の境界
・作業が止まったときも、無駄な再試行を増やさない仕組み
前回は、投稿ごとに変える条件を一つだけ選び、「小さな実験票」へ残しました。
けれど、票を作っただけでは運用になりません。次の記事を書き始めた瞬間に見失ったり、公開後の数字を別のメモへ書いたりすれば、仮説と結果がまた離れてしまいます。
そこで今回は、実験票を制作工程の先頭へ自動で差し込み、公開後の記録を同じ票へ戻す往復ルートを作ります。
実験票を、執筆より先に置く
新しい記事を作るとき、最初に用意するのは本文ではありません。
前回から引き継いだ実験票を、今回の制作パッケージへ先に入れます。
票に必要なのは、次の六項目です。
① 比較する投稿グループ
② 今回の仮説
③ 今回だけ変える一項目
④ 変えずに残す条件
⑤ 2時間後・24時間後の観測欄
⑥ 継続・再試験・保留の判断
本文や画像を作り始める前にこの票があれば、「今回は何を確かめる回だったか」を途中で忘れません。
反対に、仮説や変更項目が空欄なら、AIは勝手に埋めずに止まります。もっともらしい目的を後付けしないことも、実験を守る大切な条件です。
変える一項目だけを制作指示へ渡す
実験票の内容を、制作物の全部へ広げる必要はありません。
たとえば「告知文の一行目だけを結論型にする」が今回の変更なら、記事本文、カバーの絵柄、投稿時刻、基本ハッシュタグは固定します。
AIは変更対象だけを作業指示へ渡し、それ以外には触れない。前回うまくいった部分まで毎回作り直さないので、比較しやすくなるだけでなく、画像生成やブラウザ操作の無駄も減ります。
自動化を増やすほど、何をしないかの指定が重要になります。
公開後の数字を、同じ票へ戻す
投稿が公開されたら、実験票は「観測待ち」へ進みます。
2時間後と24時間後に確認できた数字だけを記録し、取得できなければ「未取得」と残します。途中で何度も画面を開いた数字や、記憶に頼った概算は混ぜません。
こうすると、公開前に立てた仮説と、公開後に確認した事実が一枚の中でつながります。
別々のメモを後から照合する必要がなくなり、次の投稿を始めるときには、その票をそのまま先頭へ戻せます。
状態を五つに絞る
実験票の進行状態も増やしすぎません。
① 準備中
② 確認待ち
③ 公開済み
④ 観測済み
⑤ 次回へ引き継ぎ済み
いまどこまで終わったかが分かれば、同じ画像を生成し直したり、公開済みの記事をもう一度投稿したりする事故を防げます。
画面が反応しない、リンクカードが変換されない、画像が入らない。そんな場合は、失敗した工程と再開地点を票へ残して停止します。同じ操作を延々と繰り返すことは、自動化ではありません。
AIが記録し、人間が承認する
AIへ任せるのは、状態の更新、数字の転記、前回との差の整理、次に試せる候補の提示です。
一方で、どの仮説を採用するか、作品の雰囲気を変えてよいか、公開してよいかは人間が決めます。
公開ボタンまで自動で押せることと、勝手に公開してよいことは別です。
実験票には「人間の承認待ち」を明示し、曖昧な返事を公開許可へ変換しません。この境界があるから、AIに長い工程を任せても、作者の意図を置き去りにせずに済みます。
第19話で制作パッケージへ加えたもの
今回から、各話の制作パッケージへ実験票を一緒に保存します。
・今回の仮説
・変更する一項目
・固定する条件
・観測する時刻
・現在の状態
・次回の判断
記事、画像、リンク、タグだけでなく、「なぜ今回はこの形にしたのか」まで次のAIへ渡せる状態にします。
AIに記憶だけを期待するのではなく、作業を再開できる資料として残す。チャットが変わっても、担当するAIが変わっても、制作の続きを同じ地点から始められます。
次回予告
実験票が、執筆前から公開後まで一周するようになりました。
次は、途中で止まった作業の「最後に成功した地点」を票へ残し、そこから一回で再開できる復帰ルールを作ります。
巫女ちゃんは、止まった歯車を最初から回し直そうとします。
ウマくんは、直前に付いた合格印の場所へ、丸い蹄で静かに札を戻します。
