教わった数」ではなく、「自分のものにした数」が成長を決める
良い指導者に教われば強くなる。
良い環境に入れば強くなる。
強い選手と練習すれば強くなる。
もちろん、それぞれ大きな意味があります。
でも、指導をしていると、それだけでは説明できないことがあります。
同じチーム。
同じコーチ。
同じ練習時間。
同じ説明。
それでも、数年後には大きな差が生まれます。
なぜでしょう。
私は、その差の一つが、
「教えてもらったことを、自分のものにする力」
にあると思っています。
「聞いた」と「身についた」は全く違う
例えばコーチから、
「もっと打点を前にしてみよう」
と言われたとします。
その意味を理解する。
これが第一段階です。
実際にやってみる。
これが第二段階。
練習でできる。
第三段階。
ゲーム練習でもできる。
第四段階。
試合の緊張した場面でも自然にできる。
ここまでいって、ようやく「身についた」と言えるのではないでしょうか。
でも、
「説明を聞いて分かった」
ところで止まってしまう子もいます。
だから私は、
「分かった」と「できる」は違う。
さらに、
「できる」と「いつでも使える」も違う。
と思っています。
成長の速い子は、教わった後の時間を使っている
成長の速い子は、教えてもらう回数が特別多いとは限りません。
むしろ、一度教わったことを大切にしています。
その場で試す。
自分の感覚と照らし合わせる。
分からなければ聞く。
もう一度試す。
練習が終わった後も覚えている。
次の日も意識する。
そして、できるまで繰り返す。
つまり、
指導者が教えている時間より、自分で学んでいる時間の方が圧倒的に長い。
ここが大切なのだと思います。
「何回言われたか」を数えてみる
子どもたちに、一度考えてほしいことがあります。
最近、コーチから何度も同じことを言われていないでしょうか。
「準備を早くしよう」
「足を止めない」
「打った後を速く」
「もっと相手を見よう」
「声を出そう」
「返事をしよう」
もし半年間、同じことを言われ続けているなら、
問題はコーチから教えてもらっていないことではありません。
教えてもらったことを、自分で変えられていないこと
なのかもしれません。
ここに気づけるかどうかは、とても大きいと思います。
良い環境を探す前に、自分はその環境を使い切れるのか
昨日、進路選択について書きました。
どの学校へ行くのか。
どの指導者に教わるのか。
どんな仲間と過ごすのか。
もちろん大切です。
でも、その前にもう一つ考えてほしい。
「自分は、その環境を使い切れる人なのか。」
全国レベルの指導者がいても、話を聞くだけなら意味はありません。
素晴らしいトレーニング環境があっても、自分から取り組まなければ意味はありません。
全国トップの仲間が隣にいても、
「すごいな」
で終われば、それまでです。
どうして強いのだろう。
自分との違いは何だろう。
練習前は何をしているのだろう。
どんな準備をしているのだろう。
負けた後はどうしているのだろう。
そこから学ぶことができれば、同じ環境の価値は何倍にもなります。
環境の価値は、そこに何があるかだけではなく、自分がそこから何を学ぶかによって変わる。
私はそう思っています。
最終的には、指導者を必要としなくなること
少し不思議に聞こえるかもしれませんが、
指導者として私が目指したいのは、
いつか私たち指導者を必要としなくなる選手を育てること
です。
自分で目標を立てる。
自分のプレーを見る。
課題を見つける。
練習方法を考える。
試してみる。
失敗する。
修正する。
必要なら人に聞く。
そしてまた挑戦する。
そこまでできるようになれば、環境が変わっても成長できます。
中学校から高校へ。
高校から大学へ。
指導者も変わります。
仲間も変わります。
練習環境も変わります。
でも、
「自分で自分を成長させる力」は持っていけます。
教えてもらえる子から、学べる人へ
小学生の頃は、たくさん教えてもらえばいいと思います。
でも、中学生、高校生と成長するにつれて、
「教えてもらう人」から、
「自分から学ぶ人」
へ変わっていってほしい。
教えてもらったら試す。
失敗したら考える。
分からなければ聞く。
できたら次の課題を探す。
そして、それを習慣にする。
そうすれば、
誰がコーチでも、
どこの学校でも、
どんな環境でも、
成長できる可能性は高くなります。
昨日は、
「どんな環境を選ぶのか」
について書きました。
でも今日、もう一つ付け加えるなら、
良い環境を探すことと同じくらい、その環境から学べる自分をつくることが大切。
だと思っています。
素晴らしい環境に入ることがゴールではありません。
素晴らしい指導者に出会うことがゴールでもありません。
そこから何を学び、
何を自分のものにし、
どれだけ自分を変えられるか。
最後に成長を決めるのは、自分自身です。
だから私は、
「教わった数」ではなく、「自分のものにした数」を増やしてほしい。
そしていつか、
誰かに強くしてもらう選手ではなく、
どんな環境に行っても、自分で自分を成長させられる人になってほしい。
それこそが、次のステージへ持っていける、本当の力なのだと思います。
