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私は「睡眠力」は「幸福力」ではないか、と思っている。

コロナ禍以降、多いマスク着用者

 外出時に気付くのは、コロナ禍以降、マスクをしている人が多いこと。特に、屋外よりも屋内、つまりショッピングセンターや郊外のレストランなどが多い。人が行き交う場での、マスク着用者に目がいく。

 これは、時季的なものか、それとも流行なのか。たしかに、インフルエンザ、はしかの感染者が増えている、というようなニュース後と、その前では大きな違いがあるようだ。

 「自分は大丈夫、伝染しない」という出所不明の過信もあって、外出時にマスクはほとんどしない。それでも、介護施設へ親族の見舞いに行く時は、施設内に細菌やウイルスを極力持ち込まないようにマスクをする。

 見舞いに行く時、マスクのフィット感を確認する。メガネをかけているので、自分の呼気でレンズが曇らないよう、しっかり鼻にフィットさせ、マスクが顔の中央にくるように、鏡を見ながら着用するのだ。神経質かな?

マスク着用中、メガネ壊れる

 先日も鏡の前で、愛用のメタル製フレームのメガネをかけ、それからマスクを着けた。しかし、どう微調整してもレンズが曇る。メガネの位置がおかしいのか、と両手でそれぞれのツルを持ったとたん、メガネが落ちてきた!

 「えっ」と驚いたが、慌てずメガネを手の平でキャッチ。手の上のメガネに顔を近づけて見て二度びっくり、なんとブリッジ(左右のレンズ縁をつなぐ部分)中央から、メガネが左右に分かれた状態で壊れているではないか!

 衝撃など何らかの力が原因で壊れたのなら納得できるが、鼻上のメガネの安定が悪いなぁ、と思っていたら真っ二つというのはナルシシズムの「気」が強すぎたのか、と考えてしまった。

 しかし、まさかそんな所に原因があるわけもなく、素材のメタルか、デザインの強度の問題なのだろう。このメガネ真っ二つ事件には「いわく」があるのだ。長くなるが、順序立てて話そう。

約半世紀前からメガネ生活

 遡ること約半世紀。近視と診断され、フチなし楕円レンズのメガネを初めて作って着用したのが10代後半。その後は、メガネとの併用で、見栄もあって20~30代前半までコンタクトレンズを使っていた。

 以後は、見栄もへったくれもなく、実用的で手間いらず、という理由からメガネ一筋で使ってきた。自慢じゃないが、10代で作った近視用メガネの度数が、このトシでも使えるという目玉の持ち主なのだ。

 近視の進行は自前の秘策の実行で抑え込めたが、遠視である老眼には努力が足りなかったようで、50代半ばで「離せば分かる」症状が出始めた。近視と遠視の両方とも持って、「がめつい」と言うなかれ。

丸型で安価なレイバンを選ぶが…

 その後は、近視用メガネをいちいち外して、裸眼でないとスマホも見られなくなった。そこで一大決心、遠近両用メガネを作ることに。早速メガネ屋へ行き、検眼ほかの準備を経て、いよいよフレーム選びだ!

 と、気負いこむような話ではなが、死語に近いDCブランドモノは、「なんで?」というほど高価で非実用的。しかも流行なのか希望する丸型フレームはなく四角ばかり。

 そんな中、丸形で安価だったのが米国ブランドのレイバン。メタルで軽そうなのも気に入った。このフレームに遠近両用の調光レンズを入れてもらって、引き渡し日を確認、ハッピーな気分で店を後にした。

2年後にレイバン真っ二つ!

 ところがだ。このレイバンが、買って2年後に何の前触れもなく中央から真っ二つ、という未曽有の事態に遭遇。レンズが無傷だったのは不幸中の幸いだったが、この時はさすがに慌てた。

 予備のメガネが、10代で作った一番最初の分厚いプラレンズ版しかなかったためだ。即行で店に行き、代替メガネを求めた。最短で手に入れられるのは、無傷のレンズを同じレイバンのフレームに入れて作ってもらうこと。

 真っ二つ初代と同じ銀ブチにしかたったが在庫なし。仕方なくガンメタルという、銀の仲間の色を選び2代目とした。「まさか、これも真っ二つになるってことはないですよね?」と、店員に念押しして買った。

 そうまでして買ったレイバン。愛着? それとも周りから「メガネ換えたの?」と聞かれて答えるのが面倒だった? にもかかわらず、2代目も見事に真っ二つ、というのは、やはりどこかに欠陥があったのだろう。

2代目レイバンも真っ二つ!

ツルの真ん中から折れたレイバンのメガネ

 2度も同じ壊れ方をしたレイバン。三度目の正直(何が? どこが?)ってことで、懲りずに3代目も同じフレームを、と伝えたら、在庫なしの製造未定という返事。

 「製造未定とは、同じクレームが多かった?」と思ったが、口には出さず「軽いが華奢だし」とメタル製はあきらめた。結局、安価なプラスチックフレームに、遠近両用調光レンズをはめ込んでもらい、現在に至っている。

 思えば10代後半からの矯正視力での長い生活を経て、還暦前での遠視という身に越し方を感じる。メガネ生活が長いせいか、外すと視界がぼやけて眠気を催すのが常だ。

メガネ外すと即、眠れる特技

 疲れもあろうが、眠りたい時には便利な反射ではある。メガネが睡眠の醸成に一役買っているに違いない。水木しげるによれば、「睡眠力」を養えば「幸福力」に達するらしい。大いにあやかりたい。

水木しげる
【1922~2015】鳥取県境港出身。妖怪漫画の第一人者で、妖怪研究家、紙芝居作家。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」で、日本古来の民間伝承を描き、多種多様な妖怪を紹介した。戦争体験を生かした「昭和史」でも知られる。多臓器不全により死去。93歳没。本名は武良茂(むらしげる)。


 

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