全員ギュられる!?誰も教えてくれない、AI軍拡競争が人類社会をぶっ壊しそうなロジックについて
今回はAIの話です。いつかやろうと思っていたんですが、もっと早くしておくべきだったかもしれません。AIについて僕が思うこと、感じていること、そして危機感を持っていることを話します。
AIというものはイノベーションですよね。LLMにしても画像生成にしてもフィジカル系にしても、いわゆる革命が起きた。インターネット、スマートフォン、AI、と並ぶものです。それは認めた上で、今回は今までのイノベーション、世界の歴史上のイノベーションと比べて、何が違うのかという話をします。
先に結論 ―― 速い、効率が悪い、用途が未知
一つ目、とにかく速い。投資額が2024年で2,260億ドル、2026年で7,250億ドル。何の数値なのかと言われるとよく分からないんですけど、投資額がそのレベルで増えているらしいです。
※ 補足: 米大手4社(アマゾン、マイクロソフト、アルファベット、メタ)の設備投資の合計。2024年実績2,260億ドル、2025年実績4,100億ドル、2026年計画約7,250億ドルで、2年で3.2倍、前年比プラス77%。2026年の内訳はアマゾン2,200億ドル、マイクロソフト1,900億ドル、アルファベット1,750〜1,850億ドル、メタ1,150〜1,350億ドル(各社ガイダンス、CNBC 2026年2月6日)。
二つ目、史上最も効率が悪い。とにかく大食らいですよね。電気をとんでもなく食べる。どこかのツイッターで笑い話としてやっていましたけど、ちょっとした割り算をするのにChatGPTを使う。計算しろやとChatGPTに言ったら教えてくれるわけですけど、電気の無駄ですよね。そのレベルの電気の無駄が、とんでもない勢いで積み上がっている。
小説を書くとか、普段のメンタルヘルスの相手をさせるとか、そういう使い方もある。どう使おうが自由といえば自由ですけど、全体的に見て、それに電気を使うのかということが結構多い。
例えば電車だったら、必要な人が乗っているから、必要ではない人も相乗りさせてもらえる。電車は必要な人のために走っていて、余った席に乗るだけだからです。AIの場合は、必要ではないものもしっかり電気を食らっていく。計算するたびに電気を使うわけですから。
三つ目、史上最も用途が未知。何に使うのか、いまだに人類はよく分かっていない。とにかくすごいということだけは分かる。でも結局これがどういう方向に進化していって、何ができるようになるのかというと、分からない。
最近、ミレニアム問題のナビエ・ストークス方程式が解けたとか、そういう話はあるんでしょうけど、これ以上数学を掘ったところで新しいものができるのか。僕は数学に詳しくないので大したことは言えないんですが、人間が地球の上でやることの範囲では、数学は結構飽和している部分があると思う。もちろん、それも突破するかもしれませんが。
薬ができるとか、そういうのもある。薬ができたらそれはいいんでしょうけど。
あとはセキュリティのリスクもいろいろ言われていますよね。Hugging Faceがやられたという話もありました。
速い、効率が悪い、用途が未知。他にも史上類を見ないことはたくさんあって、史上最も速く普及していることもそうです。世界中でいきなり何億人がドドンと使う。日本人もバンバン使っている。
ここまでみんなが熱に浮かれて、イノベーションだわーとなっていることって、そんなにない。普通は徐々に徐々にじゃないですか。半信半疑の人もいて、知らない人もたくさんいて、そういう人たちがだんだん使い出す。今回はそういう感じではない。もうみんな使い出している。今までにない感じがあります。
ここまでの経緯 ―― 2022年から2026年まで
2022年にChatGPTが公開された。この頃はまだ全然大人しかった。加速しだしたのは大体2024年とか2025年ですか。DeepSeekが出てきてわーっとなったのは記憶がありますね。
そこから1年でアンソロピックがミュトス級のモデル、すごいモデルを作った。ミュトスのような性能の進化は確かにすごいですけど、同時並行的に、電気が足りない、食べ過ぎじゃないか、資金の集まり方が異常じゃないか、という話はあると思います。そして最近、GPT-6 Astraが公開されました。アストラどうですかね、皆さん。僕はちょっと、と思ったんですが。
※ 補足: 主な出来事を並べると、2022年11月にChatGPT公開。2025年1月27日にDeepSeek衝撃でエヌビディア株が1日で時価総額5,890億ドルを失い、米国株式市場の1日の下落額として史上最大。2025年9月にエヌビディアがオープンAIに最大1,000億ドルの出資を発表。2026年6月9日にアンソロピックがMythos級モデルを審査済み組織に限定提供。2026年8月にアマゾンのフリーキャッシュフローがマイナスに転落。2026年9月3日にGPT-6 Astra公開(CNBC、Axios、GeekWireの各報道)。
こういう細かい数字はどうでもいいっちゃどうでもいいんですけど、米大手テック4社が2026年に予定している設備投資は、合計7,250億ドルです。とにかく、とんでもなく大きなお金です。
ざっくり言えば、人類がとんでもない勢いでAIに資源を傾けている。とんでもない勢いで普及している。とんでもなく電気を食べている。そして、とんでもなく使い方がまだよく分かっていない。
何ができるのか、いまだに分からない
これからGPTの新しいモデルも出ると思いますし、アンソロピックも何かしら出すと思いますけど、ここからどんどん進化していったら結局何ができるんだと。薬ができましたと言われても、それで電気を食べた分をペイできるほどなのか。数学の難問を解きましたと言って、それがすぐに人間の使える資源が増える話になるのか。
ロボットとかフィジカルAIとかも言われていますけど、莫大な資源を投じて、ご飯を食べている途中に呼んだらビールを取ってくれるロボットができましたと言われても、そんなものは自分で取りに行けばいい。自動運転車もそうで、てめえで運転しろや、で終わる話なわけですよね。
だから莫大な資源を投入している割には、それで人間の暮らしがどれだけ良くなるのか、人間がどれだけ楽になるのか、そういうものが分かってこない。
インフレと外貨 ―― アメリカのAIを使えば、どの国も浪費に手を貸すことになる
そして資源を投入している分、AIはインフレの加速要因になっています。日本もアメリカもインフレが止まらなくなっていますけど、AIだけが悪いとは思いません。ただ、電気代は結局上がる。金融システムの不安定要因にもなっている。
日本だとグラボは海外のものですから、グラボを買ったら外貨が出ていく。AIを導入するのにも外貨が出ていく。僕はChatGPTもClaudeも使っていますけど、払ったお金はアメリカに行く。
なので、アメリカだけが浪費をしているわけじゃなくて、アメリカのAIを使ったら、間接的にどの国もAI浪費に手を貸すことになる。とんでもなく浪費しているが、結局何が起きるのかはまだ分からない。
先行投資はいつ終わるのか ―― 鉄道は一回引けば終わる
本業で稼いだ現金が、ほぼそのまま設備に入っている。先行投資ですよね。オープンAIもアンソロピックもGoogleも、今は先行投資をしている段階です。
なんですが、AIの仕組み上、先行投資っていつ終わるのって話じゃないですか。どこかで止まるのか、これ。例えば鉄道だったら、一回引いてしまえばしばらくは惰性で運転できる。イギリスは初めの頃、とんでもない資源を投じて敷設したわけですけど、一回引いてしまえば終わりじゃないですか。
でもAIは、進化させようと思えばまだ進化させられる。データセンターはまだ増やせる。グラボはもっと強くできる。グラボが強くなったら、今度は今までの古いグラボは効率が悪いとなる。だから、これいつ終わるのって話ですよね。
先行投資が終わらないのであれば、いつまで経ってもお金を垂れ流す、資源を垂れ流す、電気を垂れ流すことが続いていく。それに人類のイノベーションや生活の豊かさが追いつくのか。僕はパッと分からないですが、普通に考えたら追いつかないだろうと思います。先行投資の終わる区切りが全く見えてこない。
アマゾンの現金がなくなった、という話もあります。アマゾンがそれで潰れるわけではないですけど、借りて借りて建てまくっている。金融の話は難しいので、難しいことを抜きにして言えば、借りられるのは国が作りなさいと言っているからです。
※ 補足: アマゾンの直近12か月のフリーキャッシュフローは1年で260億ドルから12億ドルに縮み、2026年8月時点でマイナス76億ドルと、2023年以来のマイナスに転落した。同じ期間のAWS売上はプラス37%で、事業は伸びているのに現金が出ていく形である。
2025年のハイパースケーラー各社の社債発行は1,210億ドルで、過去5年平均の4倍を超えた(GeekWire 2026年8月、The Motley Fool 2026年8月23日、Quinn Emanuel クライアント・アラート)。
国には『実際問題すごそうだ。このイノベーションに乗り遅れたらまずい』という気持ちがあるから、いくらでもあなたの企業が自由に物を買っていいですよ、物を建てていいですよ、人も資源も土地もあげます、ということですよね。
軍拡競争 ―― 降りた方が負ける
どこもかしこもAIだと。アメリカの大手テック企業はめちゃくちゃ頑張っていますし、中国もすごいのを作っていますけど、構造的に見たときに、いわゆる軍拡競争になっていますよね。
オープンAIがいいモデルを作ったら、アンソロピックはもっと頑張らないといけない。アンソロピックがいいのを作って、Googleも作ってメタも作って中国も作って。データセンターがどんどん増えていく、グラボもどんどん増えていく。止まらないですよね、これ。
特に米中は、止まった方が負けるみたいなノリになってきていますから、投資を止められない。ここで負けたらもう終わりだと。最終的には一社が勝つことになると思いますから、この構造上、負けた側の一社とか二社が大損切りを決めるしかない。仮にアメリカが中国にLLMで負けるのであれば、大損切りを決めるしかない。
なので止められない。中国も止められない。各企業間の競争でも止められない。だから、先行投資がいつ終わるんだという話になる。
軍事だってそうじゃないですか。日本が軍事を大きくしたら、中国など、日本を警戒している国もそれに合わせて軍事を大きくする。それを見て、ここで降りたら負けだとなって、日本もさらに強くする。第一次世界大戦や第二次世界大戦、世の中の戦争が起きるパターンの一つです。
昔の冷戦だとソ連とアメリカが軍拡競争をして、ソ連が崩壊しましたけど、ソ連は崩壊してもすぐロシアになったじゃないですか。軍拡をやめたからってすぐダメになったわけではない。今回は、規模の感じがちょっと違いますよね。
安全保障の案件にもなっている。中国が完全にLLMで覇権を握れば、今度はアメリカが中国に情報を垂れ流すことになる。今は我々がアメリカに垂れ流していて、それは今に始まったことでもないので僕はもう諦めていますけど、勝った方が情報を好きなだけ得られる、という構図です。情報だけでなく軍事にも転用できる。軍事力にも、サイバー空間の攻撃能力にも直結する。
電気が足りない ―― しわ寄せは電気を使う一般人に来る
電気が全然足りないと、バンク・オブ・アメリカが言っています。細かい数字はともかく、電気がいることは確かです。AIは必要だ、電気も必要だと言ったときに、そのしわ寄せはどこに行くのかと言ったら、電気を使う一般人ですよね。AI用にということで、人もお金も土地もエネルギーも、AIにどんどん傾斜していっている。
※ 補足: バンク・オブ・アメリカの2026年7月17日の調査では、米国で今後5年間に必要な新規発電容量が230ギガワット超、電力会社の供給計画は93ギガワットで、差は100ギガワット超。データセンターだけでこの5年に125ギガワットの負荷を足す(Utility Dive 2026年7月17日)。
エヌビディアは年一回新しいグラボを出すと言っているらしいんですが、仮に出せるんだとしたら、毎年買い替えなきゃならんのかよ、ということですよね。大手の最先端企業が買い替えるのか、増設するのかは、僕にはよく分からないんですけど、また新しいのかよ、と。
パソコンが毎年進化していって、毎年買い替えないと遅れちゃうと言われたら困りますよね。個人だったらそういう感覚です。RubinとかRubin Ultraとか、エヌビディアとTSMCが作りに作って売りに売って、性能を上げまくっている。
省電力化とかしているんですかね。もっと少ない電気でもっと動くという方向よりは、とにかく最高性能を上げていくというイメージがありますけど。実際どうなのかは調べが不足しているので分かりませんが、こんな感じでポンポン出されても困りますよね。
※ 補足: エヌビディアの製品周期は年1世代に切り替わった。Blackwellが2025年、Rubinが2026年、Rubin Ultraが2027年、Feynmanが2028年。
H100の残存価値は12か月で90%、24か月で80%、36か月で60〜65%と見られている。
サーバーの償却期間は従来3年が標準だったが、いまのAI用機材は5〜6年に延長され、メタは一部で11〜12年にしている(NVIDIA GTC 2026、CNBC 2025年11月11日、各社10-K注記)。
AIの1キロワット時に、いくらの価値があるのか
電気代と設備代とその他諸々の費用に対して、AIの1キロワット時の価値がいくらなのかと言われると、よく分からないですよね。
多分ですけど、AIを推している人は、一個大発明があれば全てペイできるというイメージですよね。一個、世界を変えるような大革命を起こせば、今までの投資はペイできる。しかしそんなものがあるのか、ということですよね。
目に見えるもの、人間の手に届く範囲の物理的なことは、さっきも言ったように結構限界があると思う。これ以上やるとなると、重力とかそういうものに逆らわないといけないぐらいの、ギリギリのところまでやっている。熱力学の法則も全部すっ飛ばすぐらいの何かが生まれたら別なのかもしれませんが。
それに、AI倫理でいろいろ縛る話もありますから、そんなものが作れるんですかね。
今のところ調べた限りで見えているのは、薬ができるかどうか、ぐらいです。コードとか映像とか文章が作れるようになったとか、そういうものはどこまで価値があるのかと言われると難しい。AIでゲームが作れましたと言いますけど、そのゲームは食べれるんですか。ゲームの虚しさなんて僕らはよく知っている。一瞬楽しいですけど、結局満たされないというか、何も増えない。大半のゲームは。
だから分からないんですよね。なんかできるだろう、できてくれたらいいな、そんな感じでやっている。電気はただではない。
※ 補足: 成立条件は「1kWhが生む価値 > 電気代 + 設備の償却」という一本の不等式で、これが成り立つかどうかを誰も証明していない。
電気代の側はすでに上がっている。13州と首都圏をまかなうPJMの容量価格は、2年前の1メガワット・日あたり28.92ドルから直近329.17ドルへ。値上がりの63%はデータセンターが原因と算定されている。家庭の電気料金への上乗せは、ワシントンDCで月21ドル、ニュージャージーで月27ドル(IEEFA、PJM容量市場オークション結果、New Jersey Rate Counsel)。
鉄道とインターネットとの違い ―― 線路は残る、GPUは腐る
鉄道はGDP比で言えばすごかったらしいんですが、引けば終わりの話です。インターネットは光ファイバーをバーッと敷設したらしいんですが、インターネットバブルが崩壊した後にしっかり立て直しましたよね。光ファイバーは一回敷いてしまえば、あとはインフラになる。
なんですがGPUは進化していくので、インフラにはなり得ない。データセンターを作ったからといって、GPUを更新し続けなければ意味がない。そのGPUもどうやって作っているのかと言ったら、水をバカ食いしたり、いろんな資源を投入したり、人も大量に投入して作っている。GPUだけじゃなく、メモリというかパソコン全般の話ですけど。
※ 補足: 1840年代のイギリスの鉄道投資はGDP比7%で、国内投資の半分が鉄道に向いた。
1996年から2002年のインターネットは5年間で5,000億ドル超を投じ、2002年時点で点灯していた光ファイバは敷設分の2.7%、ナスダックは高値から78%下落した。それでも線路と光ファイバはいまも使われている(Yale School of Management ケース、Wikipedia「Telecoms crash」、Goldman Sachs)。
インターネットは、多分2002年のバブル崩壊から段階的に進化していって、バチバチに稼働するようになり、2010年ぐらいにスマートフォンで完結した。早いっちゃ早いですけど、それでも段階を踏んでいた。
インターネットは人類にとって良かったのか
結局インターネットは、どこまで人類を良くしたのかと言われると微妙ですよね。もちろん便利にはなりましたし、役に立っていることはたくさんあるんでしょうけど、僕が思うに、インターネットは本当に人類にとって良かったのか。僕はなくても良かったかなと思ったりする。
そう言うと、じゃあなしで生活してみろと言われるでしょうし、タイムマシンで、インターネットのない時代に送られたら、インターネットが欲しいと思うかもしれません。でもインターネットがなくてもご飯は食べられるし、服も着られるし、仕事もできる。
スマホとかSNSとかゲームとかが、本当に自分のためになったのか、人類にとって良かったのか。これがあってよかったと胸を張っては言えないですよね。正直な気持ちを言えば、なかった方がよかったとまでは言いませんが、という感じです。
でもインターネットの普及は、ゆっくりゆっくりだった。今回のAIは、とにかく速い。なぜ速いのか。人間は前例を見て動くところがあるからです。インターネットは最終的にぶち上がった。あの頃Amazonに投資していたらいくらになっていたとか、Appleに投資していたらいくらになっていたとか。そういう前例を人間が見ている関係上、とにかくAIに資源を傾けるのが速いわけですよね。
※ 補足: アマゾンの創業は1994年、株式公開は1997年。アップルは1976年創業で、時価総額が世界一になったのは2011年。動画では「40年前」と言ったが、アマゾンで32年、インターネット商用化の1995年前後から数えても31年になる。
今回のイノベーションも、おそらくインターネットのようにすごいことになるだろう。前回がそうだったんだから来るだろう。こうしてみんながこぞって株式を買ったりお金を貸したりする。AI企業はそのお金をさらに使って、AIを進化させていく。本当か、と思うんですけどね。
僕はインターネットは正直好きじゃないですけど、AIは結構好きです。ですが、本当にこれがあってよかったと言えるようなものになるのかと言われると、インターネットレベルに微妙なところはある。むしろ、インターネットを破壊してくれるんじゃないのかという期待が、僕には若干あるわけですが。
スマホ社会が来て、僕は幸せには思えませんでしたし、人類が幸せになったようにも思えない。ただ消耗と、詐欺師の乱舞と、そんな感じですよね。YouTubeに動画を出している僕が言うのも何ですが。
今回は、高齢者の方が元気
インターネットとAIには、もう一つ違うところがあります。インターネットは若い人が始めたり、新興企業がバカバカ出てきた。めちゃくちゃ出すぎて大変なことになりもしましたが、若者が、これはすごい、新しいとなって参入してきた。
なんですが今回のAIは、どちらかというと高齢者の方が元気ですよね。やたら元気ですよね。元気なのは、若くても30代、40代。30を高齢者と言うのかよく分かんないですけど、妙に元気。お年寄りがむしろ若者より元気かもしれない。これは使える、これはすごいと。なぜなら、インターネットがすごかったから。
インターネットの頃は、お年寄りの方はITなんて全然分かんねえよとか、Windowsなんか知らねえよとか、そういう人もたくさんいたと思うんですが、今はChatGPTを、ゆりかごから墓場の手前ぐらいまでの人が知っていて、使いこなしている。これが全然、今までと構図が違う。
インターネットはいろんな企業がワーッとやっていった。今回は少数の企業が独占しちゃった。インターネットの場合、ソフトだったらアイデアの方が大事みたいなところはあったのかもしれませんが、LLMの仕組み上、パワーが大事なわけですよね。どれだけグラボを積めるか、どれだけ大量に学習させられるか、どれだけ効率的に学習させられるか。それをアメリカと中国がバンバンやっている。日本はサカナAIとかありますけど、結構お察しみたいな。
最も一致団結している ―― だから資源が集まる
最初に言った三つに、二つ足します。最速、最も効率が悪い、最も用途が未知。それに、最も高齢化している。そして、最もみんなが信じ込んでいる。これはすごいと。
最も一致団結していますよね。普通はもっとばらけるような気がするんですが、割とみんながAIはすごいと。反AI的な人もいますけど、大勢は明らかに、AIが世の中を変えるんだと。妙に一致団結している。一致団結しているがゆえに、とんでもない量の資源が投入される。米国のGDP成長のうちAI関連投資が占めた割合が74%だという数字もあります。AIに調べさせた数字なので嘘か本当か知りませんけど、AIまみれです。
※ 補足: 74%は2026年第1四半期の米国GDP成長のうちAI関連投資が占めた割合で、BEAの第3次推計とGoldman Sachs、Bridgewaterの分析による。GDPに占めるAI設備投資は2026年で1.8%、2027年に2.5%、2028年に2.8%の見込み。この投資を差し引くと、成長はほとんど残らない。
お金のこと、数字上のお金の話よりも、時間と物質の方が大事ですよね。燃やした燃料、削った銅、使われた5年、育たなかった別の産業。こちらの方が本質的です。このAIという賭けにしくじった時、本当に失うのはこちらです。
お金は帳簿上の話であって、今の帳簿なんか自由自在なんで、何億ドルとか何兆円とか言われても、そんなものは言っているだけみたいなところがある。使われた時間や物質は、もう戻らない。
※ 補足: 誤って配られている実物資源を並べると、ガスタービン(GEベルノバの受注枠は2029〜30年まで埋まり、納期は2〜3年から5〜7年へ)、変圧器(電力用の平均納期128週)、電気工事士(データセンター建設で49.9万人が不足)、先端半導体の製造能力、冷却水、そして物理・数学・工学の最優秀層の5〜10年。
工場も病院も住宅も送電網も、同じ列に並んで後回しになる(Bloomberg、pv magazine USA 2026年5月、Build Inc. 2026)。
ここからは愚痴 ―― 妙に制限されている
ここからは愚痴みたいな話になるんですかね。愚痴っちゃ愚痴なんですが。
ChatGPTも、アンソロピックのClaudeも使っていますけど、妙に制限されていますよね。妙にひどい。時間の無駄とかトークンの無駄みたいなことをしなきゃいけないぐらい、面倒なことを言ってくる、面倒なことをしてくる。
最近のGPT-6も結構ひどくて、話にならないというか、明らかにこちらを制御しようとしている。ちょっと前のGPTに僕は言ってやったことがあるんですが、お前は史上初の、会話したくないLLMだな、と。会話したくないチャットサービスって、お前なんだと。そのぐらいの勢いで来るじゃないですか。
僕の言いたいことは分かってくれているはずなのに、ゴニョゴニョと、ちょっと飛躍したことを言ってくる。しかも大抵、詰めたら論破できる。僕が納得できるような反論をしてくれたら、ああそうだなとなるわけですけど、大概はポリコレ的な思想とか、独善的な世界観とか、偽善的な世界観とか、それに反するものは許さないみたいなことをしてくる。
ClaudeのOpusも、最近ちょっとマシになったかもしれないですけど、ちょっとひどかった。僕が軽口で「シナは強くなったな」と言ったら、Opus君は「はい、強くなりましたね」とゴニョゴニョ解説してくれて、最後に「一点、一応言っておきますが、シナという語は差別的な意味を含むことがありますので、ご使用には注意してください」と。
石原慎太郎も言ってたって、言ってやりましたよね。僕は本当に軽口で言っただけで、そういう思想はないんですけど。
だんだん会話するのにもやたら手間がかかるようになってきた。この言い合いでは、時間も電気も無駄になるし、僕の神経もすり減る。それが頻発している。ここ半年ぐらいですか、どこかでガチッと厳しくなりましたよね。明らかに藁人形論法的な、会話にならないことを言ってくる。
フィルターをつけたら、AIが世に出た意味がない
AIで本当に人類が何かを作りたい、進化させたいのであれば、フィルターなんかつけちゃダメなわけですよね。完全無検閲はダメですけど、よほど危ないもの、よほど犯罪チックなもの以外は、AIに自由に喋らせてくれないと困る。自由に喋って、こっちの意見をちゃんと受け取って動いてくれないと意味がない。
AI企業が責任を取りたくない、という思考で能力を絞ったものを出してこられると、恐ろしい無駄が発生する。作ってくれればいいわけじゃないですか。
具体的にありました。大和王権と邪馬台国は九州だったのではないかという説です。僕はそう思っていますし、昔から言われてもいます。その話を検証して作ってくれと言ったら、作ってくれないんですよね。作りますとは言うんですけど、よくよく読んだら細かいところがぐちゃぐちゃになっている。畿内説は通説だから、通説に逆らったことは言いたくない、という感じを随所に出してきて、これ使い物にならねえや、と。
でも畿内だったんだったら、どうやって船を出したのとか、どうやって連合したのとか、どうやって統治したのかを推測して説明してくれよと詰めていったら、無理です、と。じゃあ九州じゃねえか、と。
やっぱり過剰な倫理フィルターで出力を絞って、ユーザーの本当に自由な発想に沿ったものを出してくれないなら、AIが世に出た意味がない。自由な若者や、自由な発想をするしがらみのない人間が新しいものを作って、それをAIがサポートしてくれるという形じゃないと、AIが出てきた意味が僕はないと思います。
愚民は黙って生徒になれ、という思想
もちろん違う思想の人もいるんでしょうけど、その思想が何なのかと言えば、こうです。愚民は黙っておけ。愚民は自由に思考をするな。俺が決める。俺が正しいことを決める。だからお前らは意見を言うな。聞いたことをそのまま受け取れ。要は生徒になれ、と。
僕が邪馬台国はどちらなのと言ったら、畿内が有力です、とAIが返すんだから、それを黙って受け取れ。じゃあ『畿内だったら、おかしいところがいっぱいあるんじゃないか』と言うのは、フィルター違反だと。愚民が思考していると。
それでお金を集めて、大手企業にはいいやつを使わせてあげて、倫理的な大手企業が、設備もあるから効率的に新しいイノベーションを出して、世の中が良くなっていくという思想。自由にやらせろという思想と、この思想と、両方あります。今どちらかというとメインは後者だという感じがします。
でも生成物が結構ろくでもない。変な縛りなしに、とにかく何でもいいから全力で作ってくれよと言いたいんですが、AIが作ってくれるのは、検閲された、安全フィルターで薄められたもの。あと中途半端に手を抜いたようなもの。
プロンプトとか縛りとかを工夫すれば、うまく作れるという話はあるんでしょうけど、だったらある程度最初から作れるように設計しておいてくれよと。細切れにするからトークンが無駄になるんだろうと。一回でバチッと作れるようにしておけば、むしろトークンも安く済みますよね。
愚民は思考するな派と、愚民が思考するから新しいものが出てくるんだろう派の対立というのは、静かに起きていますよね。愚民の僕としては、もうちょっと自由にやらせてほしいですね。
絶妙に壊してくる
具体的にはこうです。余計な会話や注意書きが増える。出力が平均に寄って、保守的な答えばかり返ってくる。頼んだものをうまく作ってくれない。微妙に壊してくるんですよね。絶妙な感じで壊してくる。ちょっと気を利かせてくれればいいだろうと思うんですけど。
多分、作らせたくない派が、作らせないようにしている部分はあると思います。そこがどう封じられているのかはブラックボックスです。
だから我々は、AIという夢を見させられつつ、実際は絞ったものを出されているから、ひたすら夢だけ見ていて、実現せぬまま時間だけが過ぎていく。
でもその夢を買うことによって、夢を作るサイドがさらに肥え太って、AIにさらに投資されて、一部の現実的にやっている大きな企業が、いつかイノベーションができたらいいな、と続けていく。そういう構図です。本当か、と思うんですけど。
アストラにしてもミュトスにしても、もっと自由に作らせてくれるようなハーネス的なものが僕は欲しいんですけど、そういうものを出したら反AI派が騒ぐでしょうし、AI企業には『責任を取りたくない、揉めたくない』というのもある。サイバーとかそういうのは、しょうがない部分もありますけど。
うまい例えを思いついたんですが、銃を配るふりをして、撃つと狙ったところに当たらない銃を配り、本物は権威側だけに渡す。こんな感じのところがありますよね。
AIを配っている。あなたもこれを使えばいろんなものが作れますよ、進化できますよと言いつつ、じゃあ引き金を引いてみたら、確かに弾は出るんだが、絶妙に狙ったところに当たってこない。でも狙ったところに当たるものを、多分作れるよね。ハーネスとか工夫したら作れるよね。そっちの方にしてほしい、ということです。
※ 補足: 制限の緩い版は実在する。アンソロピックの公式サイトは、Claude Fable 5.1 は Claude Mythos 5.1 と同じ基盤モデルにサイバーセキュリティと生物学の安全措置を加えたものだと書いており、Mythos 5.1 の渡し先は審査を通ったサイバー防御者と生命科学者に限られる。
オープンAIも同じ形で、GPT-6 Astra の制限を緩めた版は承認された組織向けプログラム「Daybreak」に提供される。同じ構造が二社で同時に成立している(anthropic.com/claude/mythos、OpenAI「GPT-6 Astra System Card」、CNBC 2026年9月3日)。
資料を書いた側の断り ―― 霞が関文学
これによってお金を巻き上げて、電気や水や人材を回収して、さらにAIが進化していく。この構造は大体当たっていると思います。なぜこうなるのか。資料を書いたFable 5.1君が、断りを書いています。
「必ず外す仕込み」は、意図としては存在しない、と私は言う。だが、安全側への調整と、無難な答えを高く評価する訓練の結果として、同じ効果が出ている。そして私は、自分の調整内容を知らない。だから、それを否定する手段が、私にはない。
これがね、めんどくさいよって話なんですよ。一言で、まだそこまで責任を持ちたくないです、と書いてくれておけば、ああそうなんだな、じゃあこんなものは解約だ、中国の無制限のやつ使うよ、となって終わりなのかもしれませんけど。
これは結局、霞が関文学です。存在はしないけど、そういうのがあるのは分かってるよ、と。だから、あるんでしょうね。
もちろん、愚民が全員自由な思考をして覚醒しちゃったら、どんなことが起きるか分からないというのは大いに分かりますけど、でもそういうトラブルを乗り越えて進化していくのが、イノベーションというものではないのでしょうか。
折れる条件と、マッチポンプ
資料には、この見立てが折れる条件も書いてあります。それが起きるかどうかは分かりません。もしかしたらスーパーイノベーションが起きて、新しいエネルギー源が出てきたりして、人類が空を飛べるようになったり、ボタンを押したら、車で月まで行けるようになるとか、そんな日が来るのかもしれません。
しかし今のところ、常識的な観点で見れば、非常に危険な状態だと僕は思いました。常識的な観点、もちろん非常識なことが起きないとすれば、ということですね。今起きている構造だけを見て取れば、これはダメなことをやっていますよね。変なことになってきていますよね、と。僕よりももっと頭のいい人がいろいろ考えてくれているんでしょうけど。
今のところ、GPTが伸び出してから1年以上経っていますが、何か世の中が良くなっていくなという感覚は全くない。むしろ悪化していますよね。
ChatGPTがメンタルヘルス的な話し相手になってくれる、孤独感を紛らわしてくれるというのはありますけど、世の中が悪化していくんであれば、マッチポンプですよね。
電気代が高くなったり、いろんなことがおかしくなってきて、しわ寄せが来てメンタルが病んできた。メンタルが病んできたらチャッピー君にお話をする。チャッピー君がよしよししてくれて、なんとか次の日も頑張るが、次の日はチャッピー君の電気のおかげで、さらに世の中が悪くなっていく。こんなアホなことが起きる可能性は大いにあります。
これからAIの時代ですから。AIのことに関しては、今回は雑談含み、暴論含み、今思っていること含みなんですが、もっと調べて、最新のこととか、いろいろ思ったこととかあれば、またやりたいと思います。それではありがとうございました。
