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【何度も聞いていたのは、日付じゃなかった】──認知症の利用者さんから教わった大切なこと──【 認知症 / 介護 / 家族 / エッセイ / 4コマ漫画 / AIイラスト / 画像生成AI / 創作日記 】

「今日は何日だったかしら?」

認知症の利用者さんから、 何度も繰り返される同じ質問。

私は、その意味を分かっていませんでした。

4コマまんが 介護編#136


「今日は何日だったかな?」の本当の意味

介護の現場で働いていると、利用者さんから同じ質問を何度も受けることがあります。

「今日は何日だったかな?」

それに答えます。

少しして、また聞かれる。

「今日は何日だったかな?」

また答えます。

そして、また…。

新人だった頃の私は、その意味が分かっていませんでした。


「さっき言ったのに…」

認知症の方と接していると、つい思ってしまうことがあります。

「さっきお伝えしましたよ」
「何回目だろう」
「覚えていないのかな」

もちろん、それは事実です。

認知症によって短期記憶が保てず、今聞いたことを忘れてしまうことは珍しくありません。

だから私たちは、その都度丁寧に答えます。

何日なのか。

何曜日なのか。

次の予定は何なのか。

けれど、ある時気づかされるのです。

利用者さんが本当に知りたかったのは、別のことだったのかもしれない。


日付を聞いているようで、日付を聞いていない

この漫画の利用者さんは、

「今日は何日だったかな?」

と繰り返し尋ねています。

新人職員は、その質問に対して正確に答えます。

「6月20日ですよ」

間違ってはいません。

むしろ正解です。

でも、その答えでは利用者さんの不安は消えませんでした。

だからまた聞く。

「今日は何日だったかな?」

するとベテラン職員が言います。

「今日は息子さんが来る日ですよ」

その瞬間、

利用者さんの表情がふっと和らぎます。

「ああ、そうだった」

この場面で大切なのは、

利用者さんが知りたかったのは“6月20日”ではなかった

ということです。

知りたかったのは、

「今日は息子に会える日なのか」

ということ。

何度も確認したかったのは、

日付ではなく、

楽しみにしていた出来事でした。


介護は「正しい答え」を返す仕事ではない

介護の仕事を始めたばかりの頃は、

どうしても目の前の質問に答えようとします。

何時ですか?

今日は何日ですか?

薬は飲みましたか?

ご飯はまだですか?

その質問に対して、正確な答えを返そうとする。

それは決して間違いではありません。

でも介護の現場では、

質問の奥にある気持ちを読み取ること

が、とても大切です。

利用者さんは何を不安に思っているのか。

何を待っているのか。

何を失いたくないと思っているのか。

そこに目を向けることで、同じ言葉がまったく違う意味を持ち始めます。


「その人」を見るということ

認知症になると、できなくなることは増えます。

昨日のことを忘れる。

名前が出てこない。

日付が分からなくなる。

けれど、

人を想う気持ちまで消えるわけではありません。

家族に会いたい。

誰かを待っている。

大切な人を気にかける。

そんな感情は、ずっと残り続けます。

だから私たちは、

「何を忘れたのか」だけを見るのではなく、

「何を大切にしているのか」

を考えることも必要なのです。


最後に

介護の現場では、

同じ質問を何度も受けることがあります。

そのたびに、

「また聞かれた」

と考えるのか、

「何か伝えたいことがあるのかな」

と考えるのかで、見える景色は変わります。

この漫画で描きたかったのは、認知症の症状ではありません。

人は忘れてしまうことがあっても、誰かを待つ気持ちは残り続ける。

そして、

介護とは、その気持ちに気づこうとする仕事なのです。

そんな事を感じた現場の小さな一場面でした。


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