カラクリ探偵団 17 2次元フーリエ変換(再度)
中国古来「算命学」によると、企業や国家は50年周期で盛衰を繰り返すそうです。同じように「富は三代続かない」という諺があり、3世代目で衰退するのいうのが世の常かも知れません。 時間の流れは「諸行無常」です。
B2は僧侶みたいに、いきなり何を言っているのでしょうか? 表紙画像はM5が2次元フーリエ変換(距離領域⇔波数領域)を説明しているところでGoogle Geminiで生成しました。
今回は「デジタル圧縮技術が日本AV家電を滅ぼした!」話です。
(補足)7/23AM8:00予約公開不調のため小修正し再度します。
2次元フーリエ変換
一般の信号処理教科書では時間軸(1次元)信号のフーリエ変換処理のみを扱っていますが、フーリエ変換は直交座標系にも応用できます。特に2次元フーリエ変換は画像解析や画像処理の応用範囲が広く、CT画像やMRI画像(波数領域フィルタリング処理やイメージング再構成処理など)で利用されています。また円筒座標系の応用もあります。実空間処理よりも波数空間処理し逆変換することで処理負荷が軽くなるなどメリットがあるからです。
時間と周波数の関係と同様、距離の逆数の波数(あるいは空間周波数)を扱います。距離領域(x,y)に対して波数領域(u,v)は逆数の関係となります。
2次元画像でも波数領域の級数近似が可能で、波数スペクトルを重ね合わせることで原画像を再現できます。時間軸フーリエ変換回転子に相当するのが、角度や間隔の異なる縞模様のマスクパターン(kernel)です。
左図は距離領域の縞模様、右図は縞模様を2次元フーリエ変換した波数領域スペクトラムです。

(a)横縞ではv軸上に高波数にスポットが発生し、(b)縦縞ではu軸上に低波数にスポットが発生しています。(c)メッシュではv軸もu軸上もスポットが発生し、(d)斜め縞では角度に応じた座標上にスポットが発生しています。こうした複数種類のカーネルに対応した(u,v)座標のスポットパワーが、(x,y)領域原画像とカーネルパターンを掛け合わせ積分した2次元フーリエ級数列に相当します。
2026年度は午年なので、左図にB2が8×8画素の拙い馬の画像を描きました。右側はフーリエ変換したスペクトラムパターンです。(u,v)座標系の原点(0,0)にも輝度情報があり画像全体の平均輝度に相当します。

カラクリ探偵団の本質解説1
時間軸フーリエ変換の概念を習得すれば、2次元画像フーリエ変換
の原理も容易に理解できるとB2は思います。
1次元と2次元のフーリエ変換の延長線上には、当然3次元フーリエ
変換や4次元フーリエ変換も存在すると考えています。
科学技術者を目指すみなさんの活躍に期待しています。

奢れるものは久しからず:
デジタルによるパラダイムシフト
日本のバブル経済1980年代、日本企業は民生分野を中心に高機能・高品質製品で外貨を稼いでおり、B2も当時高画質VCR用高周波アナログ回路試作開発に取り組んでいました。NHKは世界初ハイビジョン放送で横長テレビ(アスペクト比4:3から16:9に拡大)や衛星アナログハイビジョン(MUSE)方式をグローバルスタンダードにすることを目指していました。ところがデジタル放送技術(衛星円偏波デジタル画像伝送)の登場によりアナログハイビジョンは中断となり、行き場を失った横長テレビは低分解能地上波文字放送などに転用され5年程度で市場から消え去りました。最近でも視差(単純な2視差)立体テレビ(MPEG規格マルチ光線方式)が普及しかけましたが「輻輳」など後天的に脳が獲得する視覚認知に合致せず5年待たずに市場から退場しました。行き場を失った2視差モニタは4Kテレビに転用されたものとB2は考えています。
カラクリ探偵団の本質解説2
同じ失敗を何度も繰り返すのが人間の性かもしれません。
しかし無知な消費者にしわ寄せすることは良くないと思います。
B2は感じています。「そこまで日本の放送業界や日本AV家電業界を追いやった技術は何か?」
「実はデジタル圧縮技術だった!」とB2は考えています。
デジタル圧縮技術
今では当たり前になっているMP3などの音声圧縮技術やデジタルカメラや携帯電話に搭載されているJPEG(Joint Photographic Experts Group)など画像圧縮技術やビデオカメラや各種メディアプレイヤやスマートフォンに搭載されているMPEG (Moving Picture Experts Group)などの動画圧縮技術が21世紀になり定着しました。
JPEG技術は、原理的には2次元フーリエ級数近似ですが、DCT(離散コサイン変換)を使います。

画像輝度階調は非負で偶関数のためDC(背景輝度相当)が保存される利点があることと、JPEG技術副産物としてAI自動画像認識技術(とことん圧縮した分布情報は分類に使える!)に発展したとB2は勝手に考えています。
また波数領域コサイン級数近似で距離領域量子化(ピクセル単位)の影響も少く、拡大/縮小自在で連続性のある画像が再現できるメリットがあります。
カラクリ探偵団の本質解説3
1960年代前後10年間、おそらく世界中のブレインがこぞって
アナログテレビジョン技術を確立させたことでしょう。
1990年代前後、日本AV家電はカラーテレビやビデオレコーダ技術で
繁栄し、民生アナログ電子回路技術で頂点に立ちました。
しかし2000年代以降、デジタル圧縮技術やデジタル放送による
パラダイムシフトで日本のAV家電事業は縮小していきました。
B2は半世紀間に「奢れるものは久しからず」「諸行無常」を身を
もって体験しました。将来科学技術者を目指すみなさんに、B2の
体験を石碑として残します。
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