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それでも、私は母だった

怒りだと思っていた。
ずっと、そう信じてきた。

でも本当は違った。
私が耐えられなかったのは、
憎しみでも、恨みでもない。

私が生きた時間が、
「最初から存在しなかったもの」として
静かに処理されたこと。

これは、誰かを裁くための文章じゃない。
消された時間を、
私自身の名前で呼び戻すための話。


前夫の義父母へ。

あなたたちは、
知っていた。

自分たちの息子が、
何をしたのかを。

それでもあなたたちは、
罪を私に背負わせ、
私を、最初から
いなかったものにした。

でも、
私の一番の後悔は、そこじゃない。

夫の罪から子どもたちを守るために、
私は自分の人生を削った。

眠れない夜。
子どもから、
一瞬も離れなかった。

泣かせないように。
壊れないように。
未来が、どこかで
折れてしまわないように。

声を荒げることもなく、
助けを求めることもなく、
ただ黙って、
時間を積み上げてきた。

それは、
勝者のいない戦争。

誰も拍手されず、
誰も英雄にならない。
ただ、
生き残るためだけの戦争。

どれほど怖い選択だったかも
分からないまま、
私はその時間を、
あなたたちに
バトンとして渡した。


守られるなんて、
思っていなかった。

これは、
子どもの心を守るための
地獄の二択。

どちらを選んでも、
何かが壊れる。
それでも私は、
いちばん深く傷つく役を
自分に引き受けただけ。

でも、その瞬間。

私が命と引き換えに
守ってきた時間は、
引き継がれたのではなく、
なかったことにされた。

努力も、恐怖も、覚悟も、
すべて
「最初からなかったこと」にされた。

その結果、私は、
「いなかった人」になった。

まるで、
私が産んだという事実ごと、
最初から
登録されていなかったかのように。

あなたたちは、
私の時間を引き継いだのではない。

私の時間を
踏みつぶし、
上書きした。

それでも私は、
「子どもたちのためだ」と
自分に言い聞かせた。

でも、違った。

それは、
私が自分を
切り捨てた瞬間。

これは、復讐の文章じゃない。
怒りの告発でもない。

これは、
消された時間の
本人確認。

私が、
ここにいたという証明。

あなたたちが
どれだけきれいに消そうとしても、
私が生きた時間は、
最初から
あなたたちの所有物じゃない。

私は、
確かに
母だった。

その事実を、
今、
私自身の手で
取り戻す。

消された時間が、
まだ生きているという証拠。

私がここに書いたのは、
あなたたちへの言葉じゃない。


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アリス 🎀🐇🫖 あの頃の体験を、誰かと分かち合いたくて書いています。読んでいただけるだけで十分ですが、もし応援までいただけたら感謝でいっぱいです💌