退去の準備と21時
退去に向けて、部屋の荷造りを進めています。
本を箱に詰めたり、棚から荷物を出したり、段ボールを少し動かしたり。引越し前なら、ごく普通に発生する作業です。
もちろん、深夜に大きな音を立てたいわけではありません。早朝や深夜は避けるし、できるだけ乱暴には扱わない。それくらいのことは、こちらも分かっています。
それでも、荷造りをすれば音は出ます。
本は重い。段ボールも軽くはない。荷物を音もなく箱に移すことはできないのだ。
今日も21時頃に荷造りをしていました。
すると、下の階と思われる方向から、ドンドンドン、と壁か床を叩くような音がしました。一度ではなく、何度か。
21時です。
深夜ではありません。もちろん、もう夜ではあります。でも、引越し前の荷造りすら許されない時間なのかと言われると、さすがにそれは無理。
月末は誕生日です。
本当は旅行に行きたかった。
少し遠くへ行って、知らない街を歩いて、何かおいしいものでも食べて、だらだらして。
そういう、自分のために使う時間が欲しかった。
でも、今あるお金は引越しに消えていきます。
新しい家に僕はまだ納得していません。ここから始まる新生活、という感じではあまりない。
今の場所から出るために決めた。なんなら、郵便番号すら変わらない。つまらない。
本当に何も面白いことがない。
荷物詰め。ドンドンと威嚇される。だんだん判断が雑になっていきます。
いる、いらない、ではなく、もう全部いらない。
僕の荷物なんて、ちょっとの本と服、カメラとパソコン。それだけでいいのに。
なんかもう、疲れましたね。
21時の荷造りでさえ責められたように感じたこと。
退去の準備をしているだけなのに、なんだか人格否定を受けた気持ちです。
全部捨てたい。
そう思ったので、落ち着くために外に出ました。
少し歩いて、ちょっと泣きました。
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