捨てるには、あまりにもきれいだった[はじめまして]|壁紙リユースプロジェクト #01
― 壁紙リユースプロジェクトが始まるまで ―
住宅設計の打合せで使う壁紙サンプル。

「もったいない。を誰かの笑顔に。」
壁紙サンプルを地域へ届ける活動の記録を綴っています。
住宅の内装打ち合わせでは、壁紙サンプルを使って色や柄を選びます。
A4サイズのサンプルには、さまざまな色や柄、質感があり、どれもきれいで、しっかりとした素材です。
お客様の壁紙が決まると、その役目は終わります。
そして多くの場合、そのまま廃棄されていきます。
私は住宅設計の仕事を長く続けてきましたが、それを当たり前のこととして受け止めていました。
ある日、若手の部下が壁紙サンプルを見ながら、ぽつりと言いました。
「これ、捨てるにはもったいないですね。折り紙みたいに使えそうですね」
何気ない一言でした。
でも、その言葉がなぜか頭に残りました。
それまで見慣れていた壁紙サンプルが、少し違って見えたのです。
確かに、どれもまだきれいです。
傷んでいるわけでもありません。
しっかりとした素材で、色も柄も豊富です。
「まだ使えそうなのに、なぜ捨てるしかないのだろう」
そんなことを考えるようになりました。
もちろん、それまでも「もったいない」と感じたことがなかったわけではありません。
けれど、日々の業務に追われる中で、そこまで考える余裕はありませんでした。
目の前のお客様との打ち合わせ。
図面作成。
現場確認。
やるべきことはたくさんあります。
だから、壁紙サンプルは役目を終えたら処分する。
それが当たり前になっていました。
けれど、一度気になり始めると、不思議なものです。
これまで何気なく見ていた光景が、少し違って見えるようになりました。
壁紙サンプルを捨てるたびに、
「本当にこれでいいのだろうか」
と思うようになったのです。
そして次第に、
「もったいない」
という感覚を、そのままにしておいていいのだろうか。
そんな気持ちが大きくなっていきました。
壁紙サンプルは小さなものです。
けれど、色や柄が豊富で、丈夫な素材でもあります。
何かに使えるのではないか。
誰かの役に立つのではないか。
そんなことを考えるようになりました。
今振り返ると、この活動の始まりは、とても小さな気づきでした。
特別な理念があったわけでも、大きな計画があったわけでもありません。
ただ、
「捨てるには、あまりにもきれいだった」
それだけだったのです。
次回は、
「もったいない」のに、なぜこれまで活用されず、捨てるしかなかったのか。
その理由についてお話ししたいと思います。
🌱 🌱 🌱
〜捨てるはずの一枚が、笑顔になるプロジェクト〜
壁紙リユースプロジェクト®
関 美和
