Arista Networks(ANET)vs Cisco Systems(CSCO)— 事業成長力を徹底比較する
【AIデータセンターの高速Ethernetで伸びるAristaか、ネットワーク+セキュリティの総合力で再加速するCiscoか】
記録日:2026年9月7日
株価・バリュエーションは、直近取引日である2026年9月4日終値を基準としています。
Arista NetworksはNYSE上場(ANET)、Cisco SystemsはNASDAQ上場(CSCO)です。両社とも米国会計基準(US GAAP)を採用しています。
決算期は異なり、Aristaは12月期、Ciscoは7月期です。そのため直近決算は、Aristaが2026年12月期第2四半期、Ciscoが2026年7月期第4四半期・通期を使用しています。
Aristaは2024年12月に1株を4株へ分割しています。本記事のAristaの株価・EPS等は分割後ベースです。
記事作成時点で、両社について上場廃止予定を示す公表は確認していません。
筆者の注目ポイント
注目度:Arista Networks ★★★★★ / Cisco Systems ★★★★☆(5段階)
今回は Arista Networksにやや注目 しています。
最大の理由は、AIデータセンターのネットワーク投資が拡大するなかで、売上成長率と利益率の両方が非常に高い水準にあるためです。
Aristaの2026年4~6月期は、
売上高:30.36億ドル(前年同期比 +37.7%)
GAAP営業利益率:45.4%
GAAP希薄化後EPS:0.95ドル
非GAAP希薄化後EPS:1.02ドル
となりました。
一方、Ciscoも2026年7月期は売上高633.25億ドル、前年比12%増と再加速しています。
特にAIインフラ関連では、ハイパースケーラーから2026年度に93億ドルの受注を獲得し、2027年度のAIインフラ売上高は75億ドルを見込んでいます。
したがって今回は、
AIデータセンターで高成長を続けるArista
対
ネットワーク・セキュリティ・Observabilityを統合して再成長するCisco
という比較です。
① 現在の株価・バリュエーション比較
Arista Networks(ANET)
株価:193.78ドル(2026年9月4日終値)
時価総額:約2,444億ドル
予想PER(Forward):約41.2倍
PBR:約16.3倍
TTM売上高:約105.4億ドル
TTM粗利益率:約63.0%
TTM営業利益率:約43.1%
TTM純利益率:約38.4%
ROE:約31.5%
D/Eレシオ:実質0倍に近い水準
ネットキャッシュ:約133億ドル
Beta(5年):約1.62
配当:なし
決算期:12月
会計基準:US GAAP
Aristaは非常に高い利益率と成長率を持つ一方、評価倍率も高いです。
2026年9月4日時点のForward PERは約41倍で、Ciscoの約21倍を大きく上回ります。
財務面では約133億ドルのネットキャッシュを持ち、実質的に無借金に近い状態です。
会社は普通株式への現金配当を実施しておらず、現時点では配当を予定していません。
一方、2025年には約16億ドルの自社株買いを実施しました。2025年5月に15億ドルの新たな自社株買い枠を設定しており、成長投資と自己株取得を資本配分の中心としています。
Cisco Systems(CSCO)
株価:109.20ドル(2026年9月4日終値)
時価総額:約4,305億ドル
予想PER(Forward):約21.2倍
PBR:約8.6倍
2026年度売上高:633.25億ドル
TTM粗利益率:約64.5%
TTM営業利益率:約25.4%
TTM純利益率:約21.0%
ROE:約27.3%
D/Eレシオ:約0.62倍
Beta(5年):約0.99
年間配当:1.68ドル
予想配当利回り:約1.54%
決算期:7月
会計基準:US GAAP
CiscoはAristaより売上規模が約6倍、時価総額は約1.8倍です。
Forward PERはAristaの約半分で、成熟企業としての評価とAI成長期待の両方が反映されています。
2026年度第4四半期には1株0.42ドルの四半期配当を実施し、年間換算では1.68ドルです。
さらに同四半期には15億ドルの自社株買いを実施。2026年7月末時点で、自社株買い枠は81億ドル残っています。
バリュエーションの違い
Aristaは、
高成長・高利益率・ネットキャッシュ
に高い評価倍率が付いています。
Ciscoは、
巨大な顧客基盤・配当・自社株買い・AI再成長
を持ちながら、Forward PERはAristaよりかなり低い水準です。
つまり株価評価で見ると、Aristaは「成長の持続性」、Ciscoは「再成長の持続性」が重要になります。
② 直近決算の比較
Arista Networks:2026年12月期 第2四半期
売上高:30.36億ドル(前年同期比 +37.7%)
GAAP粗利益:19.10億ドル
GAAP粗利益率:62.9%
GAAP営業利益:13.78億ドル
GAAP営業利益率:45.4%
GAAP純利益:12.13億ドル
GAAP希薄化後EPS:0.95ドル
非GAAP希薄化後EPS:1.02ドル
売上高は初めて30億ドルを突破しました。
営業利益率45%台という非常に高い収益性を維持しながら、前年同期比で約38%の増収です。
2026年7~9月期会社予想は、
売上高:約33億ドル
非GAAP営業利益率:48~49%
非GAAP希薄化後EPS:1.06~1.08ドル
です。
2025年通期実績は、
売上高:90.06億ドル(前年比 +28.6%)
GAAP営業利益:38.56億ドル
GAAP営業利益率:42.8%
GAAP純利益:35.11億ドル
でした。
出典:Arista Networks「Second Quarter 2026 Financial Results」2026年8月4日
Cisco Systems:2026年7月期 第4四半期・通期
第4四半期
売上高:172.52億ドル(前年同期比 +18%)
GAAP粗利益率:64.1%
GAAP営業利益率:24.7%
GAAP純利益:約39億ドル
GAAP EPS:0.97ドル(前年同期比 +52%)
プロダクト売上では、
Networking:97.91億ドル(+28%)
Security:22.26億ドル(+14%)
Collaboration:11.67億ドル(+12%)
Observability:2.75億ドル(+6%)
と全カテゴリーが成長しました。
2026年度通期
売上高:633.25億ドル(前年比 +12%)
GAAP営業利益率:24.3%
GAAP EPS:3.33ドル(同 +31%)
非GAAP EPS:4.33ドル(同 +14%)
ネットワーク製品売上は346.68億ドルで前年比22%増。
AIインフラ関連では、ハイパースケーラーから第4四半期だけで40億ドル、通期で93億ドルの受注を獲得しました。
2027年度会社予想は、
売上高:722~734億ドル
GAAP EPS:4.00~4.06ドル
非GAAP EPS:5.05~5.11ドル
です。
さらにAIインフラ売上高は、2026年度の約40億ドルから2027年度は75億ドルを見込んでいます。
出典:Cisco「Fourth Quarter and Fiscal Year 2026 Earnings」2026年8月12日
直近決算で見える差
AristaはCiscoより圧倒的に小さい会社ですが、売上成長率と営業利益率では上回ります。
Ciscoは売上規模が巨大で、Networkingだけでも年間346億ドルを超えます。
両社ともAIネットワーク需要の恩恵を受けていますが、
Arista:AIネットワークが会社成長の中心
Cisco:巨大な既存事業にAIネットワークが新たな成長エンジンとして加わる
という違いがあります。
③ 事業構造・中期計画の比較
Arista Networks
Arista Networksは2004年に前身企業Arastraとして設立され、2008年に事業を本格展開しました。
Chairperson and CEOは Jayshree Ullal氏 です。
主な事業領域は、
AIデータセンターネットワーク
クラウドデータセンター
Ethernetスイッチ
ルーティング
Campus Network
Wi-Fi
SD-WAN
ネットワーク可視化・セキュリティ
CloudVision
EOS(Extensible Operating System)
です。
Aristaの最大の特徴は EOS です。
データセンター、AIクラスタ、キャンパスなど異なるネットワーク機器を、共通のネットワークOSとCloudVisionで管理できます。
AI向けでは「Etherlink」ブランドを展開し、
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