村上春樹と旅
かがです。
私は(新参の)村上春樹主義者でして、ここ5年間の間くらいにほとんどの春樹作品を読んできました。
また、そのなかの少なからざる作品たちを何度も読み返しました。
そんな多くの作品たちのなかでも特に私が好きなものが『紀行文』です。
春樹といえば、私が初めて読む前から、「世界のムラカミ」というイメージが何となくありました。
しかし、なぜそう呼ばれているのかは不明、、、
そんななか作品を読み進めていくと、「春樹本人が海外に長く住んでいたんだ!」と知りました。
もちろん春樹はただ海外に住んでいただけではなく、物語やエッセイ、紀行文を書いたり、海外の出版社に自身の英訳作品を売り込み名を広めるなど様々な活動をされていたわけですが…!凄すぎる!!
今回はそんな村上春樹の『紀行文』について、すこしだけ雑多に語りたいと思います。
村上春樹の紀行文
紀行文は沢山出版されています。
そのなかでも私が印象に残っているのは『遠い太鼓』と『ラオスにいったい何があるというんですか?』ですね。
『遠い太鼓』は、春樹がヨーロッパ(ギリシャやイタリア)で過ごした日々を綴った日記のような形に近い紀行文で、海外渡航経験のない私にとってはあまりにも新鮮な一冊でした。
たとえば春樹は『やがて哀しき外国語』というアメリカに居た時の紀行文も出版しているのですが、アメリカってなんとなくイメージが付くんです。
もちろんそのイメージは表面的で、ある場合には間違っているわけですが、しかしやはり読んでいると、「アメリカだなあ…いいなあ…」となる。
しかしギリシャとなると全く想像がつかないわけです。
なにがあるのだろう…? となってしまう。
しかも春樹はそのなかでもギリシャのなかの小さな島で生活されていたので、さらに日本の常識感覚は通用しないわけですね。
読者としても、「場所が違うだけでこんなにも人間ってバリエーションが生まれるのか」と感嘆した覚えがあります。
『ラオスにいったい何があるというんですか?』は比較的新しい紀行文です。
表題は『ラオス』ですが、なかではラオス以外にもアイスランドやはたまた熊本まで、世界各地を巡った春樹さんの文章が収録されています。
ラオス、、、
これまたあまりイメージがつかない。
けれどそれが紀行文の良さだとおもうんですよね。
自分では、おそらく一生訪れることのない世界を、著者が変わって体験してくれる。そしてその体験を流麗な文章で共有してくれるわけですから。
本作のなかでは特にアイスランドの描写が最高でした。
四国と北海道を合わせたくらいの面積に、たった30万人ほどが暮らす国(現在は状況が変わっているかもわかりませんが)。
ブルー・ラグーンという巨大な湖温泉は一度は目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
行きたいなー!!! けど多分いけないな!!
そんな思いを抱いていた私にとっては最高の紀行文となりました。
さいごに 旅について
私は旅が好きではありません。
準備にはやたら時間がかかるし、行った先でもなんやかやとトラブルに見舞われ、思ったよりも土産を買い込んでお金を浪費し…
けれど、そんな重い腰をあげて行ってみると、感動するんですね。
なんだこの景色は。 こんな場所があったのか。
そう思えるわけです。
ただし、私はそんなにお金もありませんから、近場を回るだけでも精一杯。
そんな時、春樹さんの紀行文を手にとります。
その本のなかには、私の見たことのない世界が詰まっています。
そして私はその本を本棚に納めている限り、好きな時に好きなだけその世界に飛び込むことができます。
それこそが、読書の醍醐味だと思っています。
チャオ。
