【Copilot】 Copilot Studio Agent Builder:ナレッジ追加の正しい設計と実装ガイド #0195
1. 導入(仮想ストーリー)
大阪の中堅メーカーで社内デジタル推進を担当する30代のIT技術者「近畿さん」は、最近 Microsoft Copilot と社内データを連携させるプロジェクトを任されました。
社内では「Copilot に社内マニュアルを読ませたい」「FAQ を覚えさせたい」「倉庫管理の資料を理解させたい」などの要望が次々と上がり、情報システム部としても何とか応えたいところです。
しかし、実際に Copilot Studio(旧 Power Virtual Agents)に触れてみると、
ナレッジの追加方法が複数あるように見える
Web サイト、SharePoint、OneDrive… どれをどう使い分けるのか
ファイル形式の制限は? 更新はどう反映されるのか?
大量のドキュメントを読み込ませるときの注意点は?
といった疑問が次々に浮かび、Learn を読んでも腹落ちしにくい状態でした。
今回の Microsoft Learn 記事「Add knowledge to your agent」では、Copilot Studio の Agent Builder にナレッジを追加するための方法と前提が、事実ベースで整理されています。
この記事では Learn 内容を丁寧に読み解き、実務に結びつけながら「ナレッジ追加の本質」を解説します。
2. 本文(技術解説)
2-1. Agent Builder における「ナレッジ追加」とは
Learn が説明する「ナレッジ追加」とは、Agent Builder で作成したエージェントに対して、外部のドキュメントや情報源を読み込ませ、質問に答えられるようにする仕組みです。
Agent Builder は Copilot Studio の中で動作し、UI 上からエージェント視点の“参照可能な情報源”を指定できます。
Learn の定義では、以下がナレッジの対象として扱われます。
Web サイトの URL
SharePoint ドキュメント ライブラリ
OneDrive 上のファイル
ファイル単体(PDF、Word などのサポート形式)
これらはすべて公式に「ナレッジ ソース(Knowledge Source)」として扱われ、エージェントは回答時にその内容を引用する仕組みになっています。
2-2. ナレッジ追加の目的
記事が説明する目的は明確で、「エージェントがあなたの組織の文脈に基づいて回答できるようにする」ことです。
Copilot は大規模言語モデルですが、企業固有の情報は標準では知りません。
そのため、業務マニュアルやポリシー、FAQ などをナレッジとして追加することで、以下のようなことが可能になります。
社内規定に基づいて回答できる
サービス仕様やプロセスを説明できる
重要文書の要約や引用ができる
「誰もがプロに相談できる窓口」になる
特に Agent Builder では、ナレッジを追加することでエージェントの回答精度を高めるだけでなく、組織固有の専門性を持たせる意味が強調されています。
2-3. ナレッジ追加の手法
Learn の内容は操作手順中心ではないため、この章では概念と使いどころを整理します。
Web サイトを追加する
URL を指定し、Web ページの内容をナレッジとして取り込む方式です。
公開 Web サイト
組織内の SharePoint ページ(認証あり)
などが対象になります。
メリット:
構造化された情報をそのまま参照でき、更新も自動的に反映されます。
注意点:
JavaScript で動的生成されるページなど、一部のサイトは正しく取り込めない可能性があります(Learn 記事内の注意事項)。
SharePoint / OneDrive のファイルを追加する
PDF、Word、Excel などが対象です。
Agent Builder はドキュメント内容を解析し、回答に利用できるようにします。
メリット:
業務資料のような内部ドキュメントを直接読み込める。
注意点:
サポートされるファイル形式に制限がある(Learn 記載)。
大量のドキュメントを扱う際は「本当にこのフォルダーを丸ごとナレッジ化する必要があるか」を検討する必要があります。
ナレッジの更新
Learn 記事では、ソース側で内容が更新されればエージェントも自動的に最新を参照する仕組みであることが明記されています。
すなわち、
SharePoint のファイルを差し替えれば、その内容が回答に反映
Web サイトの変更も自動で反映
というシンプルな運用が可能です。
2-4. ナレッジ追加の設計ポイント
Learn 記事の範囲で読み取れる、実務で重要なポイントを整理します。
ナレッジは「エージェントの世界観」を定義する
質問に対して「会社としてどう回答するか」をコントロールできます。
情報源は分かりやすく整理する
フォルダーを丸ごと読み込むより、FAQ など用途別に資料を分けるほうが品質が安定します。
更新はソース管理が基本
エージェント側での管理ではなく、ドキュメント側を更新する運用が前提です。
3. 手順書形式(操作主体部分の整理)
Learn は完全な操作手順ではありませんが、記載内容をもとに整理します。
Step 1:Agent Builder を開く
目的: ナレッジを設定する対象のエージェントを選択するため。
エージェント編集画面から「Knowledge」を管理します。
Step 2:ナレッジ ソースを追加する
目的: エージェントが参照する情報源を指定するため。
指定できるソースは以下のとおりです。
Web URLs
SharePoint ライブラリ
OneDrive
単一ファイル(PDF 等)
Step 3:追加したソースの読み込みを完了させる
目的: エージェントが回答に利用できる状態にするため。
Learn によれば、ソースの内容はインデックス化され、エージェントの知識として利用可能になります。
4. 注意点(Learn に記載されている内容)
一部の Web ページは正しく読み込めない可能性がある(動的生成ページなど)
認証が必要なサイトやファイルは、ユーザーの権限が必要
サポートされるファイル形式のみ追加可能
ナレッジが多すぎると回答精度の低下につながる可能性がある
5. 実務に即した活用例
1. 社内規定の問い合わせ窓口として
就業規則や休暇規定の PDF を追加し、Copilot に質疑応答させる
社員が HR にメールする手間を削減
2. 製品サポート FAQ への活用
Web サイトのサポートページを登録し、一次回答をエージェントに任せる
問い合わせ対応の効率化
3. 部門ナレッジベースの統合
SharePoint のマニュアル群を読み込ませ、担当者の属人化を低減
明日試せること
OneDrive にある PDF を 1 つ選んで Agent Builder に追加
SharePoint の FAQ リストをナレッジに登録
Web サイト URL を 1 本追加して回答精度を確認
■ まとめ
この記事では、Microsoft Learn の 「Add knowledge to your agent」 を基に、Copilot Studio Agent Builder にナレッジを追加する仕組みと設計のポイントを整理しました。
今日の持ち帰りポイント:
ナレッジ追加はエージェントが組織情報に基づき回答するための中核機能
Web、SharePoint、OneDrive、ファイルが利用可能
ソース更新がそのまま回答に反映される
情報整理と更新運用が品質に直結する
※ この記事の内容について、質問・疑問点があれば、「こちら」からご質問ください。
