“売れるデザイン”は、世界観を言語化できる人がつくる
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「デザインを変えたら、売上が伸びた」
「ロゴをリニューアルしたら、反応が増えた」
こうした話を耳にすることがあります。
しかし実際には、デザインを“変える”だけで売上が上がることはほとんどありません。
なぜなら、**デザインは“見た目”ではなく、“世界観の翻訳”**だからです。
美しいデザインはあくまで結果。
本当に売れるデザインとは、ブランドの世界観を正しく言語化できる人がつくるものなのです。
今日はその考え方を、私がReal Styleのブランド「ビーレジェンド」をつくる過程で実践してきた
「ブランド・アイデンティティ・プリズム(Brand Identity Prism)」というフレームを使ってお伝えします。
■ デザインは「見せる」ではなく「伝わる」が目的
Real Styleを立ち上げた頃、私はデザインの力を過小評価していました。
「いい商品を作れば、見た目なんて関係ない」と思っていたのです。
でも、実際にお客様の反応を見て気づきました。
デザインは“商品の第一印象”ではなく、“信頼の入り口”なんだと。
どれだけ味が良くても、パッケージが信頼を感じさせなければ手に取ってもらえない。
どれだけ理念が良くても、伝わるデザインがなければ共感は生まれない。
そしてある時、こう思ったのです。
「デザインとは、世界観を“見える言葉”にすることだ。」
■ ブランド・アイデンティティ・プリズムとは
ブランド・アイデンティティ・プリズムは、フランスのブランド理論家カプフェールが提唱したフレームワークです。
ブランドを6つの要素で整理することで、「一貫性のある世界観」をつくる考え方です。
その6つとは──
Physique(外観・特徴):どんな見た目か
Personality(人格):どんな性格を持つか
Culture(文化):どんな価値観を背景に持つか
Relationship(関係性):顧客とどんな関係を築くか
Reflection(顧客像):ブランドが映し出す理想の顧客はどんな人か
Self-image(自己像):顧客はブランドを通してどう感じたいか
この6面体がプリズムのように光を反射し合い、ブランドの“世界観”を形づくります。
■ ビーレジェンドのデザインに込めた6つの光
私たちが「ビーレジェンド」のブランドをつくるときも、この6つの要素を徹底的に掘り下げました。
その結果が、今のロゴ・色・トーン・キャッチコピーにつながっています。
1. Physique(外観) 「力強さ」と「明快さ」
パッケージは、黒を基調にシルバーを重ね、力強さと存在感を出しました。
目的は「一瞬で覚えられること」。お兄さんを入れたのは完全にこのためです。筋肉・挑戦・エネルギーを象徴するデザインにしています。
店頭でもECでも、視界に入った瞬間に印象づける。
これが“売れるデザイン”の最初の条件です。
2. Personality(人格)― 「明るく、ふざけて、真剣」
ビーレジェンドのキャッチコピーは独特です。
「そんなバナナ風味」「めろめろメロン風味」「ぴちぴちピーチ風味」……。
これを初めて見たとき、真面目な経営者の方からは
「ふざけてるのか?」と驚かれることもありました(笑)
でも、そこには明確な意図があります。
「真剣に、ふざける。」
筋トレというストイックな世界に“遊び心”を加えたい。
“楽しく頑張れる”空気を届けたい。
そんなブランドの人格をデザインで表現しています。
そもそも弊社の社訓に「私たちは笑顔とユーモアを忘れず率先して仕事を楽しみます」という項目があります。
3. Culture(文化)― 「成長」と「挑戦」
Real Styleの経営理念は「人々の心や身体の健康づくりに貢献する」。
この理念をベースに、ビーレジェンドも「挑戦を楽しむ文化」をデザインに込めました。
黒=強さ、銀=成長、スピード感
ロゴや配色の1つひとつが、文化の象徴です。
商品デザインは“見た目”ではなく、“思想の翻訳”。
理念を色と形に変換する作業こそ、デザインの本質です。
4. Relationship(関係性)― 「共に戦う仲間」
ビーレジェンドでは「顧客」や、もちろん「客」なんて絶対に呼びません。
私たちにとっては、“共に成長する仲間”。失礼を承知でフレンドリーに「お客さん」と呼んでいます。
ここで重要なのは、デザインが関係性を生む仕組みになっていること。
共通のビジュアル、共通の言葉、共通のハッシュタグ。
それらが“同じチーム”としての一体感をつくる。
5. Reflection(顧客像)― 「前向きで、自分を磨く人」
私たちがデザインで描いている顧客像は、
「誰かに勝ちたい人」ではなく、「昨日の自分を超えたい人」。
それを象徴する言葉が、ブランド名の“be Legend”。
自分自身が“伝説になる”ということも含んでいますが、
“自分の中の伝説を創り出す”という意味合いが強いです。
この顧客像をデザインで一貫して表現しているから、
SNSの投稿や口コミもブレない。
どの角度から見ても、“ビーレジェンドらしい”が成立するのです。
6. Self-image(自己像)― 「誇りを持って続ける自分」
お客さんが商品を手に取ったとき、
「これを持っている自分、いいな」と感じてもらえるか。
それがSelf-imageのデザインです。
プロテインを飲む姿、ジムに置かれたシェイカー、パッケージの輝き。
そのすべてが“理想の自己像”と一致しているかを考えました。
結果として、
「プロテインがかっこいいものになった」
という声を多くいただくようになったのです。
お兄さんが強すぎて怖いというお声も頂きますが。笑
■ デザインの一貫性が“信頼”を生む
この6つの要素を整えていくと、
自然とデザインのトーンがブレなくなります。
ロゴ・カラー・フォント・言葉遣い──
それぞれが別の担当者によってつくられていても、
「ブランドの人格」からズレていないかで判断できるようになる。
つまり、世界観の言語化=再現性のあるデザインなんです。
■ “世界観”は偶然ではなく、設計できる
多くの企業が「世界観を出したい」と言いますが、
実際にやっているのは「かっこよく見せたい」だけのことが多い。
しかし、本当に大事なのは“世界観を設計する”こと。
それは感覚ではなく、構造です。
言語化できないデザインは、誰にも伝わりません。
逆に、世界観を言語化できれば、どんなデザイナーでも再現できる。
私はデザイナーに必ず伝えています。
「目的は、かっこいいものを作るのは当たり前で、“意図”を表現することだ。」
■ ビーレジェンドのブランディングに学ぶこと
ビーレジェンドのデザインが“売れるデザイン”になった理由は、
一貫した世界観と心理設計にあります。
見るだけで「エネルギーを感じる」黒×銀
読むだけで笑顔になるユーモア
手に取るだけで“自分が頑張れる”と感じる質感
これらはすべて、顧客心理とブランド哲学の整合性を取った結果です。
「デザイン」はブランドの鏡。
「デザインの統一」は信頼の証。
■ まとめ:「売れるデザイン」とは、“伝わる構造”
結局、デザインとは「信頼を視覚化する技術」です。
見た瞬間に「自分ごと」に感じてもらえるか
触れた瞬間に「自分の理想」に近づけるか
思い出したときに「また選びたい」と思えるか
この3つが揃っているデザインは、必ず売れます。
世界観は言葉で整理し、
デザインはその言葉を形にする。
だから、“売れるデザイン”はセンスではなく構造。
そしてその構造をつくるのは、世界観を言語化できる人です。
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