二択で迷ったときの「両方やる」が、一番高くつきます
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二択で始まった会議が、いつのまにか三択で終わります
クライアントの会議に入っていると、よく見る流れがあります。
A案かB案か。その日はそれを決めるために集まっています。1時間ほど議論して、それぞれの良し悪しも出そろいます。
そして最後に、こうなります。
「まずは両方、少しずつやってみましょう」
その場の空気は良くなります。誰も否定されていませんし、前に進んだ感じもします。私も昔は、これで会議が終わると悪くない気分になっていました。
ただ、3か月後に見てみると、どちらも動いていないことがあります。
「両方やる」は、決めないことの言い換えになりがちです
なぜ両方やるという結論になるのか。理由ははっきりしています。
どちらかに決めると、選ばなかった側を推していた人の顔が立たなくなるからです。両方やると言えば、その場は全員が納得します。
つまり、決めたのではなく、決めないことを全員で合意した状態です。
厄介なのは、本人たちに決めた実感があることです。会議は結論が出た形で終わっていますし、議事録にも残ります。誰も先送りしたつもりがありません。
だから、進んでいないことに気づくのが遅れます。
代償は、時間ではなく集中で払っています
両方やることのコストを、時間の分割だと考えている方が多いです。それぞれに半分ずつ充てればいい、という感覚です。
実際には、半分にはなりません。
ひとつは、切り替えのコストがかかるからです。2つを行き来すると、そのたびに頭を戻す時間が要ります。
もうひとつは、どちらも中途半端になるため、うまくいかなかったときに理由が分からないことです。
やり方が悪かったのか、そもそも筋が悪かったのか、単に量が足りなかったのか。切り分けられません。
これが一番高い代償だと思っています。時間を使ったのに、学びが残りません。次の判断にも使えません。
一本に絞って失敗したほうが、まだ情報は残ります。
両方やっていい場合もあります。条件は3つです
もちろん、両方進めるのが正しい場面もあります。ただ、そのときは条件が要ります。
1つ目は、始める前に、両方に期限と撤退の基準を付けていることです。「3か月やって、この数字に届かなければやめる」まで決めておきます。
2つ目は、担当が別々に立っていることです。同じ人が2つを持つと、必ずどちらかが後回しになります。
3つ目は、比較する指標を1つに決めていることです。2つの案を別々の指標で評価すると、どちらも「良かった点」が出てきて、結局やめられなくなります。
この3つが揃っていれば、両方やるのは実験です。揃っていなければ、先送りです。
会議の場で、この3つを口に出して確認するだけでも変わります。答えられないなら、まだ決まっていないということです。
決められないときは、選択肢ではなく期限を決めます
判断材料が足りなくて決められないことは、当然あります。無理に決める必要はありません。
そのときは、選択肢を減らそうとせず、代わりに次を決めます。
・何が分かれば決められるのか
・それを誰がいつまでに調べるのか
・いつの時点で決めるのか
この3つを決めれば、それは保留ではなく判断です。「決めない」と「まだ決めない」は、まったく別のものです。
前者は放置ですが、後者は日付が入っています。
会議の最後に、一言だけ確認します
私がクライアントに勧めているのは、単純な確認です。
会議の終わりに、こう聞きます。
「これは、決めたということでいいですか」
決まっていれば、すぐ返事が返ってきます。決まっていなければ、数秒の沈黙が起きます。この沈黙が答えです。
沈黙が出たときは、もう一度だけ聞きます。何が引っかかっているのかを出してもらいます。だいたい、決めきれない理由がひとつ残っています。
そこを潰すか、期限を入れて次に回すか。どちらかにしてから終わります。
会議が5分延びますが、3か月を無駄にするよりは安いです。
まとめ
・二択で始まった議論が「まずは両方」で終わることがよくあります
・両方やるという結論は、決めないことを全員で合意した状態になりがちです
・議事録に結論が残るため、進んでいないことに気づくのが遅れます
・代償は時間の分割ではなく、切り替えのコストと検証できないことです
・どちらも中途半端だと、うまくいかなかった理由が切り分けられません
・一本に絞って失敗したほうが、次に使える情報が残ります
・両方やる条件は、期限と撤退基準、別々の担当、指標が1つの3点です
・この3つが揃えば実験になり、揃わなければ先送りです
・決められないときは、何が分かれば決めるのかと期限を決めます
・会議の最後に「これは決めたということでいいですか」と確認します
このあたりのテーマは、コンサルの現場で扱っている内容そのものです。
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