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“できない自分”に許可を出した瞬間、前進が始まる

私はサラリーマン時代、昼はテニスショップの営業として学校を回り、テニスボールやユニフォーム、ラケットなどを販売していました。夜はテニスコーチとしてレッスンを行い楽しく仕事をしておりました。今振り返れば、あの経験が「人に教える」「人前で話す」「人と交渉する」というスキルの土台になっていたと思います。当時の私は「人に伝えることは自分の得意分野だ」と信じて疑いませんでした。

ところが独立してセミナーを企画したとき、その自信はもろくも崩れ去ります。初めてのセミナー当日、会場の最寄り駅まで行ったものの、駅の階段に座り込んでしまいました。吐き気がこみ上げ、足がすくんで動けない。頭では「自分ならできる」と思っていたはずなのに、身体はまったく言うことを聞きませんでした。「得意」と思っていたことが、実際には「できないこと」として突きつけられた瞬間でした。

「できること」と「できると思っていること」は違う

人は誰しも「自分はこれができる」「これはできない」と考えながら生きています。しかし、その思い込みはしばしば現実と食い違います。私が人前で話すことに自信を持っていたのは、あくまでテニススクールという“慣れた場”での経験に基づいたもの。未知の環境で、しかも「自分が主役」として話す場では、まるで別人のように動けなくなってしまったのです。

ここで大切なのは、「思っている自分」と「実際の自分」は必ずしも一致しない、という事実です。心理学でいう「ジョハリの窓」にも通じますが、私たちには「自分で知っている自分」もあれば、「自分では気づかないけれど他人からは見えている自分」や「自分も周りも、誰も知らない自分」もあります。自分の内面のすべてを理解している人など、存在しないのです。

知らない自分を否定せず受け入れる

では、知らなかった自分に出会ったとき、どうすればよいでしょうか。多くの人は「そんな自分はダメだ」「弱い自分を見せたくない」と否定してしまいます。しかし、それではますます前に進めなくなります。

私は「できない自分に許可を出す」ことが大切だと気づきました。駅で動けなかったあの日の私は、ただ「緊張して動けない自分」を否定するばかりでした。でも、後になって振り返ると、「そんな自分もOK」「そんな日があってもいい」と認められるようになったのです。人は弱さを受け入れたとき、初めて次の一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

期待に縛られない生き方

人は「うまくやらなければならない」という期待に縛られると、余計に動けなくなります。私もセミナーを「成功させなければ」という気持ちでいっぱいで、その重圧に押しつぶされていました。しかし、未来に「必ず期待通りの成功がある」とは限りません。むしろ思い通りにならないことの方が多いのです。

だからこそ、「うまくいかなくてもいい」「未来にこうなってもいい」と自分に許可を出すことが大切です。もちろん「うまくいってもいい」という許可も大切です。期待を手放すことが、可能性を閉じずに前に進む力になる。未来を信じるというより、「未来を開いておく」姿勢です。

コンサルティング業務の再開と新たな学び

私は今年に入り、久しぶりにコンサルティング業務を再開しました。正直なところ、思うようにいかないこともたくさんあります。計画通りに成果が出ないこともあるし、自分の力不足を痛感する場面も多々あります。それでも一つひとつ課題に向き合い、改善し、前進しています。

「できない自分」も一緒に連れて歩く。そう考えられるようになったからこそ、今は心が折れにくくなりました。否定して隠すよりも、「そんな自分も含めて前に進めばいい」と思える。そうした姿勢が、結局は長期的な成果につながるのだと感じています。

あなたへのメッセージ

もし今、目の前の課題に押しつぶされそうになっている人がいたら、こう伝えたいです。

「できないと思う自分が出てきても大丈夫。それも自分の一部です」

「こんな未来があってもいい」と許可を出してください。その一言が、あなたを次のステージへと押し出してくれるはずです。

前進は完璧さから生まれるのではなく、不完全さを抱えたまま進むことから始まります。私自身もまだまだ道半ばですが、だからこそ皆さんと同じように「許可」を出しながら歩んでいきたいと思っています。

大丈夫です。うまくいきます。

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鍵谷健/ビーレジェンド社長/経営自動化コンサルタント あなたの応援が励みになります!ご購読ありがとうございます。

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