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「理念を浸透させたい」と思っている時点で、もう少しズレている

私がこれまでの経営経験をもとにまとめた書籍です。
「最強の社風と成長の原理 小さな会社だからこそ理念は力になる Real Style ISM」

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「理念を浸透させたい」という相談を受けることがあります。
気持ちはよくわかります。
ただ、「浸透させたい」という言葉には、ある前提が隠れています。
「理念は社長が作るもの、社員に届けるもの」という前提です。
そこに、ちょっとしたズレがある。

理念は「配るもの」じゃない

理念や価値観を社員に「配る」「伝える」「浸透させる」という発想は、一見正しそうに見えます。
ただ実際には、それだけでは機能しない。
なぜなら、人は「渡されたもの」を自分のものにするのに、時間と体験が必要だからです。
言葉を知っている状態と、その言葉を自分の判断に使っている状態は、まったく違います。

文化は「場面の積み重ね」でできる

私がReal Styleで大切にしてきたのは、「どんな場面で何を選ぶか」を繰り返し見せることでした。

理念を額縁に入れるより、朝礼で話すより、ある判断の場面で「今回これを選んだのはこういう理由だ」と伝えることのほうが、ずっと効きました。

社員は言葉より行動を見ています。
社長が何を優先し、何を後回しにするか。
何に怒り、何を褒めるか。
そこから「この会社の価値観」を読み取っています。

コンサルの現場でよく感じるのは、「理念が机上のものになっている会社」と「日常に溶け込んでいる会社」の差は、理念の内容より、経営者の日々の振る舞いにある、ということです。

「なぜこの決断をしたのか」を語り続ける

では、何をすればいいのか。
シンプルです。
判断のたびに、「なぜ」を言葉にする。

採用を断った理由。
取引を断った理由。
利益より優先したこと。

それを積み重ねると、社員の中に「この会社の判断基準」が染み込んでいく。筋トレに近い感覚です。

1回やったからといって変わらない。毎回、同じ動作を繰り返すことで、身体に刻まれる。
文化も、同じです。ビーレジェンドの商品開発においても、「なぜこの素材か」「なぜこの価格帯か」を社内で言語化し続けたことが、ブランドの軸になっていったと感じています。

「共感して入社した人」が文化を作る

もう一つ重要なのは、採用です。
どんなに文化を育てようとしても、その文化と合わない人が増えれば、薄まっていきます。
採用は、文化の再生産です。
「スキルが高いかどうか」より前に、「この人はうちの判断基準を面白いと感じてくれるか」を見る。
それだけで、採用後の定着率も、チームの空気も変わります。
「理念の浸透」を考えるなら、採用の段階から始まっている。
そう思っています。

■まとめ

・理念は「配るもの」ではなく、「場面の積み重ねで育つもの」
・社員は言葉より、経営者の判断と行動を見ている
・「なぜこの決断をしたのか」を語り続けることが文化をつくる
・採用は文化の再生産。スキルより価値観の共鳴を優先する
・「浸透させたい」と感じたら、まず自分の振る舞いを振り返る


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鍵谷健/ビーレジェンド社長/経営自動化コンサルタント あなたの応援が励みになります!ご購読ありがとうございます。