【第2話】妊娠中でも飲み会に行った。しかも二次会まで。
今になって振り返ると、
「よく行ったな」
と思う飲み会がある。
妻が妊娠していた時期の飲み会だ。
しかも、行っただけではない。
二次会まで参加している。
今の自分からすると、正直、かなり引っかかる。
でも、
当時の自分は、そこまで悪いことをしているという感覚がなかった。
仕事の付き合いだった。
職場の人たちとの飲み会だった。
誘われたから行った。
そして、
二次会にも誘われたから参加した。
たぶん、それくらいの感覚だった。
「妻が妊娠しているから、今回は断ろう」
そんな発想が、なかったわけではないと思う。
ただ、それ以上に、
「仕事の付き合いだから」
「せっかく誘ってもらったから」
「みんな行くから」
という理由が勝っていた。
今思えば、私はそういうことを判断するとき、まず自分の側から考えていた。
行けるか。
行けないか。
仕事に影響するか。
付き合いが悪いと思われないか。
自分にとってどうなのか。
そこから先に考えていた。
妻の立場に立って、
「今、妻はどんな状態なんだろう」
と考えることが、十分ではなかったのだと思う。
妊娠は、妻にしか経験できない。
体調がどう変化するのか。
何かあったときに、すぐ帰ってこられるのか。
一人でいる時間をどう感じるのか。
当時の私は、そういうことをどこまで想像できていただろう。
今となっては分からない。
妻から、その飲み会について何を言われたのか。
どんな表情をしていたのか。
細かいところまで、私は覚えていない。
それが、また怖い。
自分にとっては「飲み会の一つ」だったからだ。
でも、妻にとっては違ったのかもしれない。
ここで、
「妻はきっとこう思っていた」
と決めつけるつもりはない。
本人に聞かなければ、本当のところは分からない。
ただ、今の自分が当時を振り返ると、
「妊娠中の妻がいる自分が、なぜ二次会まで行くという選択をしたのか」
という疑問が残る。
もちろん、当時と今では時代も違う。
職場の付き合い方も違う。
飲み会を断ることへの空気も、今とは違ったと思う。
だから、
「当時はこういう時代だった」
という説明はできる。
でも、それを理由にして終わらせていいのか。
私は、そうは思わない。
時代が違っても、自分がどういう優先順位で物事を決めていたのかは、振り返ることができる。
そして、そこに今の自分が気づいたことがある。
私は「飲み会に行ったこと」だけを問題にしていたわけではない。
もっと根っこのところに、
自分の予定や自分の都合を、家庭のことより先に考える癖があった。
そう思うようになった。
誘われたら行く。
断る理由がなければ行く。
仕事の付き合いなら仕方ない。
自分の予定があるなら、それを優先する。
そんな判断を、私は長い間、当たり前のようにしていた。
そして、それが夫婦の中で少しずつ積み重なっていったのではないかと思う。
もちろん、これだけで20年近い結婚生活を説明できるわけではない。
私は妻を放って遊び続けた夫だった、と言いたいわけでもない。
妻のためにしていたこともある。
家族のために動いていたこともある。
だからこそ、自分では「普通にやっている」と思っていた。
でも、
自分では普通だと思っていたことが、妻にとっても普通だったとは限らない。
そこに気づくまで、私はずいぶん時間がかかった。
そして、もう一つ忘れられない言葉がある。
妻があるとき、こんなことを言った。
「最近の旦那さんは、飲み会を断るらしいよ。当たり前よね」
その言葉を聞いた当時の私は、
「そういう家庭もあるんだな」
くらいにしか思っていなかった。
今なら、あの言葉をもう少し違う角度から聞く。
あれは何だったんだろう。
ただの世間話だったのか。
何かを伝えようとしていたのか。
それとも、私に何かを考えてほしかったのか。
本当のところは、今でも分からない。
でも、その言葉をきっかけに、私は少しずつ過去を振り返るようになった。
そして気づいていく。
私が悪かったのは、
「飲みに行ったこと」
だけではなかったのかもしれない。
問題は、そのとき何を優先していたのか。
そして、
誰のことを、どこまで自分の判断の中に入れていたのか。
20年近く夫婦をやってきて、私は今になって、そんなことを考えている。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
このnoteでは、20年近く続いた自分の結婚生活を、今になって一つずつ振り返っていきます。
まだ答えは出ていません。
夫婦関係がどうなるのかも、分かりません。
それでも、自分自身と向き合った記録を、ここに残していこうと思います。
もしよければ、これからも見守っていただけるとうれしいです。
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一緒に、この先を見届けてもらえたらうれしいです。
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