掌編小説 魔女のおばあちゃんと孫 #せりふ三題噺
「おばあちゃん!トリック・オア・トリート!」
黒い猫耳、モコモコの黒いお洋服にスカート、しっぽもついている。
黒猫に扮した、7歳の女の子、ルナは大好きなおばあちゃんににこやかに笑いかけた。
おばあちゃんはそんなルナを見て、目を細めた。
「おやおや、今年は黒猫なんだね。とっても可愛いにゃんこだこと」
ルナは、にゃー!と手を猫のポーズにする。
「そうだよ!だって黒猫は、魔女の相棒でしょ?私、おばあちゃんの相棒になりたいの!」
「おやまあ、私の相棒ねぇ。あいにく、もう魔女業はやっていないのよ」
ホッホッホッ、と笑うおばあちゃんに、ルナはプクっと頬を膨らませた。
「もう!トリック・オア・トリートよ!」
「ふふふ、魔女にトリックが効くと思うの?ルナ?」
おばあちゃんは老眼鏡の奥の瞳をきらりと光らせた。ルナは唇をへの字に曲げる。
「ねぇおばあちゃん、いつになったら魔法を教えてくれるの?」
「そうねぇ、ルナが暗闇に光をともせるようになったら、かしら」
おばあちゃんがいたずらな笑みを浮かべる。ルナはその意味がわからず、さらに眉間に皺を寄せる。
「それってどういう意味ー?私にも自然に魔法が使えるようになるってこと?」
ルナの質問に、おばあちゃんはフフっと笑うだけで答えない。
答えの代わりに、ルナにキャンディを握らせた。
「ハッピーハロウィン。暗闇に灯せる明かりは、魔法だけじゃないのよ」
ルナは手のひらの中の、可愛いピンクのキャンディの包みを見つめた。
「……よく分かんないや」
「すぐ分かるようになるわよ。だってあなたは私の可愛い孫なんだもの」
おばあちゃんはルナの頭をよしよしと撫でた。
やっぱりよく分かんないや、と思いながら、ルナはおばあちゃんに貰ったキャンディの包みを口の中に放り投げた。
甘くて優しい味のキャンディは、もしかしたらおばあちゃんの魔法がかかっていたりして。
ルナはそんなことを思いながら、窓の外の月を見上げるのだった。
▼今週のお題
■セリフ
「トリック・オア・トリート!」
■三題
・キャンディ
・暗闇
・魔女
コチラに参加させて頂きました🙇♀️🎃💓
うちの地域のハロウィンイベントは2週間前に終わってしまっていて、すっかりハロウィン終わった気になってるんですが、実は今日なんですよね…笑
クッキーでも焼くか…笑
お読みいただきありがとうございました💖
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