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ONE SAMURAIは成功するのか?|仕組みと距離が問われる日本市場

タイ在住23年。昨年はONEルンピニ現地観戦やPPV、サブスクなど格闘技に約28万円投資した『格闘虎の穴』が好き勝手に書くnoteへようこそ。

ONE SAMURAIの概要については、以前のnoteで書いていますので、今回は前提の説明は省きます。
本日3月30日、日本時間16時から、ONE SAMURAI 1の追加カードなどに関する記者会見が予定されています。
その前に、少し整理しておきたいと思います。

正直に言うと、成功する可能性はあると思っています。
ただし、そのままではうまくいかないとも思っています。

今回は、その理由を「課題と期待」という形で書いていこうと思います。

ONE SAMURAIは、日本人選手を主軸にしたシリーズで、トップ選手から次世代スターまでが出場予定とされています。
大会はU-NEXTでの配信も予定されています。
会場規模も段階的に分けられていて、1000人規模、5000人規模、1万人規模と、用途に応じて使い分ける構想です。

サブスク中心の大会と、チケット収入中心の大会を分けていく、かなり戦略的な設計です。
さらに特徴的なのが、パフォーマンスボーナスです。
最低でも150万円、優れたパフォーマンスで750万円、そして最高評価では1500万円。
これは日本の格闘技では、かなり高額な水準です。

この仕掛けを見ると、ONE SAMURAIは単なる日本大会ではなく、選手の出場機会を増やし、収入にも直結する仕組みになっています。

試合ができる、そして勝てば評価される。
若手選手にとっては、大きなチャンスになる可能性があります。

また、ONE Championship JAPANのCEOには、元電通の田中俊太郎氏が就任しています。
U-NEXTとの配信に加え、今後メディアとの連携が広がれば、露出の拡大、視聴者数の増加、スポンサーの増加といった流れも期待できます。

そして、その資金が大会や選手に還元される。
そうした好循環の仕組みを、日本でも作ろうとしているのかもしれません。

ONEはすでに、タイで毎週大会を開催する仕組み【ONE FRIDAY FIGHTS】を作っています。
そのノウハウを日本に持ち込むことで、ONE SAMURAIは単なるシリーズではなく、継続的に回る仕組みとして展開される可能性があります。

イベントではなく、仕組み。
そういう見方もできると思います。

ここからは、私の期待と不安です。
まず期待しているのは、MMAの階級の作り方です。
RIZINに無いストロー級、そして層が薄いヘビー級に特化してほしいと思っています。
ストロー級は、日本人にも有能な選手がいるのに、うまく活性化されていない階級です。
一方で、ロシアやダゲスタン系の選手も一定数いて、対戦構図も作りやすい。

ヘビー級は難しい階級ですが、逆にONEのように全体の層が厚くない中であれば、階級を絞って特化することで、日本人が簡単には勝てない外国人を呼ぶことも現実的になります。

上下に特化することで、日本人 vs 外国人という軸も作りやすくなります。

キックボクシングについては、フライ級、バンタム級、フェザー級に特化するべきだと思います。
特にフェザー級は、選手層も厚く、若手も育っているので中心に置きやすい。
逆に軽量級を広げすぎると、カードは増えても軸がぼやけてしまう。

ムエタイをアトムからフライ、キックをフライからフェザー、それくらい分けてもいいと思います。
そうすれば、ムエタイとキックの掛け持ちも減り、競技としての輪郭もはっきりしてきます。

一方で不安もあります。

それは、競技と階級が多すぎて、全体が間延びしてしまうことです。
月1回開催するのであれば、毎回の大会に軸が必要になります。
すべてを満遍なく並べるのではなく、SAMURAIとしての重点を決めて、競技や階級を絞るべきだと思います。

そして、もう一つ重要なのが、会場の実態と熱量です。
ONE Friday Fightsがルンピニで成立している理由は、試合内容だけではありません。
会場が専用としてONEを中心に回っている事。
金曜と土曜日はフルでONEが使用可能な環境にあります。

また、選手が会場の周りを普通に歩いていたり、試合後に観客のところに来て写真を撮る。
ファンもその距離感を理解していて、過度に踏み込まない。

この「近さ」が、文化として成立しています。

一方で日本は、選手と観客の距離が遠い。導線も分けられ、接点も少なく、ファンサービスもイベント化されている。

その結果、選手が特別な存在になり、どこか偉そうに見えてしまうこともあると思います。

ただ、これは選手の問題ではなく、興行の作り方の問題です。

だからこそ、ONE SAMURAIで問われるのは、試合カードの強さだけではないと思います。
選手と観客の距離をどう作るのか。
この設計次第で、会場の熱量は大きく変わります。

日本のファンは、まだ格闘技の見方を知らない部分があると思います。
どこで盛り上がるのか、何に反応するのか、その共通認識が弱い。

タイのムエタイや、日本の相撲のように、観客が見方を共有している状態とは違います。

ONE SAMURAIが、日本格闘技に影響を与えるとすれば、それは大会の数ではなく、仕組みと距離、そして観客の作り方です。

イベントで終わるのか、仕組みとして定着するのか。そこを見ていきたいと思います。

みなさんの意見も聞いてみたいです。コメントとスキ♥をください。

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