見出し画像

「ANORA アノーラ」を観たかめちゃん 〜余白を残すアンチ・シンデレラストーリー 〜【感想】

どうも、かめちゃんと申します🐢

この度は「ANORA アノーラ」という作品を見ました。アメリカの映画ですね。

ネタバレにならない程度に感想を書き出してみますが、まぁそんなに長くならないと思います。よろしくどうぞ。


なぜ観たのか

映画となると、そもそも映画館以外では見るのが苦手だし、アニメか邦画くらいしかみないようなオタクがなぜこの映画を見ようと思ったのか。

北原沙弥香さんが吹き替えをしているからです。

それが主たる動機です。
そういうものから入りますよ、私は。

Amazon Primeで見れるので課金しなくても見やすい作品。
ただ、2.5hほどの作品なので腰を据えて観るために、寝正月となっていた新年の時間を使ったわけです。


ジャンルなど

ジャンルは調べたところ「ロマンティックコメディ」というらしいですね。有名な作品だと「ローマの休日」とかと同じようなジャンルとのこと。

アカデミー賞で5部門(作品賞・監督賞・主演女優賞・脚本賞・編集賞)を受賞した作品ということで国際的な評価も高いようです。

もう少し踏み込むと、後述する設定から、性描写が多い!という感じでした。
北原さんが言うところの「刺激的」であることは間違いないです。

そういうセクシャルな側面から関係性が展開されていく世界観なので、特に最序盤から画に驚かされました。前提知識というかあらすじを読まずに入ると、観る作品間違えたんちゃうんかと思うくらい。
だから、そういう表現が苦手な場合はおすすめし難いかな?もちろん、話の主題というかにはドラマ性があるので、一辺倒ではないのですが、お茶の間で家族団欒には向かないです。

が、私は独身男性一人暮らしなので、寝っ転がりながら見させてもらいました。


ストーリー

本作の主たる舞台はニューヨーク。
主人公のアノーラ(アニー)はストリップクラブのダンサーです。
先述した性描写が多いというのは、彼女のそうした背景がベースにありますね。

そこでは、夜毎男性たちが訪れ、ダンサーたちはそうした客人をもてなします。

ある日訪れたロシア人のイヴァンという青年に対し、ロシアにルーツを持つアニーが応対し、彼は彼女を気に入ります。

イヴァンはロシアの御曹司でした。
羽振の良い彼は、彼女を誘い、ロシアに帰るまでの1週間の"契約"を交わすこととなります。

本作の第一部と言えるパートでは、こうした2人の出会いと幸せの日々が煌びやかに描写され、アニーの立場からすれば一つの"成り上がり"、シンデレラストーリーの側面が中心となっています。

一方で、物語の大半を占める第二部では、そうした幸せも束の間、イヴァンの両親が2人の関係に反対。
部下たちを送り込み、どうにかこうにか関係性を終わらせようと試みる展開に切り替わります。

第二部になると、煌びやかだった第一部とは異なり、画面の色合いが寒色系だったり暗かったりという表現になり、対照的な描かれ方をしていました。

物語の展開も、派手というよりは会話などを中心に、1つのシーンが長めな印象でした。シーンの切り替わりが少ない分、展開がバタバタ目まぐるしく変わるとかではない、ある種、邦画的な感じでしたね。
だからまぁ、派手な展開を求めている人には向かないのかなぁとも言えると思います。


観てどうだったか

まず、オタク的視点の話。
2つのパートの中で、北原さんはアニーと仲の悪いダンサーのダイヤモンドを演じていました。
正直話の全編にかけて登場するキャラクターではないですが、気の強さみたいなところがある役所なので、さすがの北原さんの持ち味の一つを出しておられるなぁと思いました。


が、さすがに全編通しての印象で言うと他のキャラクターの印象の方が強いですね。笑

まず本作のコメディ要素ですが、中盤以降、第二部にあたる会話劇や展開の中で感じられる部分が多かったです。
特にイヴァンの両親が送り込んでくる3人組の男性たちは、屈強なようでどこか抜けていて、"クレイゼー"なので、「おいおいやりすぎやって!」みたいなツッコミを入れたくなる場面が多々あります。


あと印象的だったのは言語ですね。
アメリカの映画ですが、ロシア語が随所に登場しています。
アニーは英語で、イヴァンはロシア語を主として話したいという壁があります。
2人とも互いの言葉を理解したり簡単に話すことができるので、コミュニーケーション自体は可能ですが、その言語の切り替わりによって伝えたい言葉の意味が表層なのか、深化したニュアンスを含む表現(つまり母語でないと伝えづらいもの)なのかが変わると言うのが、印象的でした。

ただ、この点は吹き替えだけだとわからない部分なんですよね。ほとんど全てが日本語に置き換えられてしまうので...
僕がそれぞれを理解できる人間であればベストでしたが、無理だったのでせめて字幕も入れておくことをお勧めします。


言語以外の"表現"で言うと、やはりアニーの職場であるストリップクラブという環境。彼女は決してその仕事を(少なくても表面上は)卑下していないし、
自らの"性"をもって対価を得るというある意味での処世術として生きてきたという文脈があります。

その中で、本作のラストシーンは様々な余地を残すものであったと思われますね。
彼女にとってのセックスと、そうでない文脈にいる人間のそれとでは意味合いが違ったのだろうなと感じさせるラストだと感じました。


総じて、描かれ方はドラマチックな側面はあったものの、"アンチ・シンデレラストーリー"と評されている通り、ご都合ばかりではいかない展開も多い本作。
人生の難しさや、それでも自分で歩んでいかなければならないのだなということを少し考えたりした次第です。


さいごに

物事を曖昧に留めておくことや、そうしたニュアンスから明確な答えを求めたい人にとっては、やはり余地の残る結末である以上、すっきりとするものではないと思います。

ただ、こういう刺激を受け取って、自分なりに意味を考える時間というのは大切だなぁとも感じている今日この頃。

個人的には作品の中にそういう意味を求めるというだけよりも、この作品をきっかけに自分の人生と接合して、自分の視点や視野の拡張になれば良いなぁと思うタイプなので、
考察を深めるよりも、味わって自分の中に落とし込みたいなぁと思っています。

こういう刺激はまた得られたら良いな。
推しがキッカケだったので、またまた感謝です!

本作はAmazon Primeで見れますので、お時間がある際にはぜひご覧いただきたいです!
それでは!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集