「踊る大捜査線」(TVシリーズ)を観たかめちゃん 〜大人になってしまった僕と、ブレない男・青島俊作〜 【感想】
どうも、かめちゃんと申します🐢
ふと、最近は映画は観ていてもドラマは観れていないなと気付いた夜。
観たいドラマは数多し。そうなれば、何か理由をつけて絞っていくしかありません。
そうだ、映画がそろそろあるらしい。
「踊る大捜査線」(TVシリーズ)
今回はこのドラマの感想を書いていきます。
よろしくお願いします🙇
▼過去の感想noteはこちら▼
概要
刑事になった青島俊作は湾岸署に赴任し、盗犯係の恩田すみれと老刑事の和久平八郎に出会う。やがて殺人事件の捜査が始まるが、青島の初仕事は本庁のエリート刑事・室井慎次の運転手だった。
1997年放送。
フジテレビ系列で人気を博した「踊る大捜査線」シリーズのスタートとなった全11話のドラマです。
主演は織田裕二。
脇を固めるのは柳葉敏郎や深津絵里、いかりや長介ら個性的な俳優陣です。
【こんな人にオススメ!!】
・社会人として揉まれ、組織と個人の板挟みを経験したことがある人
・事件解決の爽快感だけでなく、泥臭いお仕事群像劇を味わいたい人
・昔リアタイや再放送で観たきり、大人になってから観返していない人
【こんな人は向かないかも...】
・コンプライアンス意識の高い主人公を求める人
・緻密なトリック解明や本格サスペンスの謎解きを主軸に楽しみたい人
・サブスクの横断や追加契約の手間を極力避けたい人(今後のシリーズ展開を想定して)
感想
大人になってしまった僕──序盤の青島に覚えた「苛立ち」
このドラマを初めて見た時のことを思い出します。学校から早く帰って家で見た再放送。青島という刑事に感情移入してエンタメを享受していたような気がします。
体制に対して抗おうとする姿ってヒーローっぽくてスカッとしますしね!
しかし、久しぶりに見たらなんかちょっと感覚が違ってて。それというのも、どこか、序盤の青島の態度や振る舞いに苛立ちを覚える僕がいたんです。
青島っていわゆるノンデリなところあるじゃないですか。割と人の傷の部分に土足で踏み込んでくるというか。情に厚いところもあるけど、そういえば刺激が欲しくて刑事になった男です。
良くも悪くも、思ったことをそのままやっちゃうというか。だからドラマを動かせる主人公なんですけども。
で、僕が苛立ってしまったのは、こういう人が組織にいるとかなりきついなって社会人になって思うようになっちゃったからなんです。青島は手を出しちゃいけないところで手を出してしまうし、口を出してしまう。秩序を乱してしまうような存在ですからね。
社会人1年目とか、そのくらいの頃なら彼と同じように思うことも多々あったと思うけれど、今の自分は"組織人"になってしまったんだなと思いました。
"組織人"ってのは、この作品においてはある意味敵みたいなもんです。でも、社会においては秩序って大事で、僕はそれに守られてきたところもあるからこそ悪とは断じられませんでした。
故に、僕の目線はここにきて初めて青島の対岸にあることに気づいたわけです。
それでも青島が好きになる──ブレない信念と大人の成長
それでも、本作を通して見ていくと彼への好感が募っていくことも実感しました。
彼は正直です。だから、その姿というのは時に胸を打ちます。
建前って相手にも伝わるじゃないですか。そういう仮面のない彼の熱意っていうのはやっぱりヒーローだなと思えるくらい眩しくて熱いんです。
そして、熱量は終始変わらないままに、きちんと周りに溶け込んでいくコミュニケーション。
若い時の尖った熱意って社会で揉まれて丸くなっていくことが多い中で、彼は柔和さを得ながらきちんと信念は貫き通していたわけです。
僕の青島への好感が最後に勝ったのはまさに軸がぶれていないというところなんですよね。
職場の先輩が自分の仕事を僕に押し付ける時、前回と今回とで言っていた内容が違うっていうことがあってそれにすごくイラついたことを思い出しました。青島の行動にはそれがない。
それでいて、自分の信念を押し付けるわけではないというのが"組織人"的にもポイントが高い。
青島なりにちゃんと弁えて行動するという成長があったことも、彼を再び好きになれた大きな理由だったのだと思います。
空き地署が愛おしい──魚住係長とスリーアミーゴスの人間味
この作品が人気なのは、青島の実直さだけが要因ではないだろうなと思えます。
彼を支える湾岸署、通称「空き地署」の個性的な面々のキャラクターが良いんですよね。
やはり強行犯係の面々は印象的です。
特に和久さんは渋めだけど愛嬌のある古き良き刑事で、彼を嫌いになる人はなかなかいないんじゃないかなぁ。いかりや長介氏の名演が光ります。
最終話の彼から青島への伝承はほろりと泣かされるようなシーンとなっていましたものね。
加えて、僕個人としては終盤にかけて青島を見守る上司陣が魅力的だなと思うんです。
特に魚住係長が好き。序盤こそ健康診断をアナウンスするばかりの中間管理職らしさはあったものの、青島をはじめ係員のことを思い、自らも現場で活躍する姿は係長として尊敬できます。
彼だけではなく、通称「スリーアミーゴス」と呼ばれる3人も憎めないコメディリリーフです。
ただ、彼らも現場からの叩き上げであるためか部下思いの一面も見せており、課長や署長が本庁上層部に切った啖呵などはカッコよくて痺れました。
そうやって青島を見守る湾岸署の面々がいたからこそ、この作品が持つ温かさや、胸を熱くさせる魅力に繋がっていたのだと思います。
正しいことをしたけりゃ偉くなれ──室井と青島が紡いだ「約束」
印象的だったのは、プロファイリングチームが事件捜査に関与する第8話。
科学の名の下に、和久さんの足と勘の捜査が敗北するという結果に終わったエピソードです。チームの科学捜査自体は犯人逮捕という正解を出し、非効率な和久さんの捜査はある意味では誤りであったと言えます。
しかし、僕はプロファイリングチームには共感ができませんでした。
彼らの周囲への敬意のなさや、自分たちは間違わないという驕り高ぶり。
正しさを象徴する存在である彼らに共感ができなかったということは、僕という視聴者にとってそれより重視する要素が彼らに不足していたからと言えるでしょう。
この作品における一つのテーマはこうやって角度が違えば変わってしまう"正義"のあり方でした。
そして本作における"正義"の象徴であったのが青島と管理官である室井。
彼らの正義は特に序盤において対照的でした。
父親を亡くした失声症の女性に強圧的な取り調べを行う室井。彼女も被害者なんだと事件解決後も足繁く彼女の元を訪れる青島。
警視庁として追っている事件を優先する室井。その捜査に加わっていても目の前の事件を優先する青島...というような形でしたね。
一見、室井が人でなしのように見えるわけですが、社会的には彼のように目的を見失わないようなスタンスも一定の納得感がありました。
しかし、室井はこのスタンスを大きく方向転換していきます。それは青島の実直さに触れ、現場の所轄刑事たちの姿を目の当たりにしていくことで"正義"の認識を改めていったのです。
これは大人としてすごいことだと思います。
歳を取れば取るほど、自分の価値観って固定化されていってしまうことが多いのが人間の常。ましてや立場がある人間は肩にかかる責任も大きくなっていくからこそ、その価値観を守ることに必死になりかねません。
室井はそういう状況にありながら、現場主義に舵を取り、体制を変える急先鋒となったわけです。
最終話はまさにそうした室井と青島の完全共闘。
和久さんの「正しいことをしたけりゃ偉くなれ」という言葉は青島から室井に渡ります。青島と室井が互いの立場から警察組織を変えようと誓いになっていくのがアツい。
彼らにとっての"正義"は市民のためという至極当たり前のものとして共通し収束していきます。
けど、この当たり前が当たり前でないのが社会。だからこそ彼らの"正義"はそこに立ち返るということだったのだろうと思えます。
その"正義"を守るためには構造を変えなければいけない。だから室井は偉くならなきゃいけないという使命を持つことになったんですね。
本作は多様なキャラクターのエンタメ性の中で、こうした普遍的"正義"を描けたからこそ多くの人に愛される作品になったのだろうと思いました。
さいごに
シリーズはこの後もスペシャルや映画版がありますが、Netflixではスペシャル回3つを見ることができません...
FODではこれらを見ることができるのですが、映画は割安プランでは見れないので、Netflixに戻ってくる必要があります。Amazonプライムでしか見れないスピンオフもあるので複数のサブスク登録が必要なのがこのシリーズを網羅する難点ですね...
ただ、漢 かめちゃん、ここで負けるわけにはいきません。なんのために働いているのかってこういう時に支払うためですよ!(解約忘れのDisney+に目を逸らしながら)
FODに加入したので次はスペシャルを見ていこうと思います!「古畑任三郎」のスペシャルも見れるしね!
今回はこの辺で。それでは!
