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「東京ゴッドファーザーズ」を観たかめちゃん 〜血を超えて、家族の再構築〜 【感想】

どうも、かめちゃんと申します🐢

今日は夕方から配信が続くもんですから、昼間のうちに映画を見ておこうと思い立ち。
無料期間中のU-NEXTを開くとマイリストにあった中で90分とちょうど良い塩梅の映画をチョイスして観ることとしました。

今回観ることにしたのは「東京ゴッドファーザーズ」。かねてより見たいと思っていたものの、タイミングが合わず見れていなかったのですよね。

▼過去の感想noteはこちら▼

それでは概要の後、感想も書いていきます。
よろしくお願いいたします🙇


概要

鬼才・今 敏監督のアニメーション映画である本作。2003年公開の90分程度の作品です。

物語は新宿の公園から始まります。
ここに暮らすホームレスの元競輪選手であるというギン、元ドラァグ・クイーンのハナ、家出少女のミユキの3人はクリスマスの夜にゴミ捨て場に捨てられた赤ちゃんを見つけます。

警察に届けようと言うギンらをよそに、自身の生い立ちから親として育てようとするハナは、赤ちゃんにきよこと名付け、せめてもと親を探す旅に出るのでした。

ホームレスである3人は、親を探そうにも自分の生活すらままなりません。
計画性よりも偶然の産物、事件の連続の中で物語が展開されていきます。

約1週間の親探しの旅の中で、3人は自らの半生と向き合いながら、「家族」とは何かを考える物語であると考えます。


感想

本作はユーモア溢れる展開の中で、"ホームレス"という社会の中のメインストリームではない部分に焦点を当てながら「家族」という普遍的なテーマを描くという物語です。

本作においてホームレスの3人は、単に家を失った存在ではなく「家族」との繋がりを失ってしまった存在として描写されています。

このテーマにおいて一番わかりやすいのは家出少女のミユキでしょうか。
彼女の親は健在ですが、彼女との関係はある意味破綻しており、娘はホームレスとして知らないおじさんたちと生活するに至っています。

そんな3人は、本作において血の繋がらない存在ながらも、そこに暮らしていたという偶然の産物から家族のような結びつきを持つ関係として描かれています。
ある側面では、本当の血の繋がりよりも強固な関係として描かれており、本作が"人情味"溢れる作品として感受できるのはそうした関係性の上で成り立つところが多分にあるのだと思っています。

そして、その中で偶然にも真に「家族」という存在に触れることとなり、改めてそこに向き合い立ち返る、いわば再構築に向けての物語は本作の重要なテーマの一つであったのだと思います。


そうした素晴らしいテーマの一方で、僕は本作を観ていて、ギンやミユキに比べて、ハナへの感情だけは憤りまではいかないにしても、不全的なものを抱えていました。
具体的には、赤子を「授かりもの」として私物化しようとする彼女の振る舞いについて。
加えて、ホームレスであるという点は、福祉の観点からしても赤ちゃんを健全に育てられる環境とはいえません。なんせ大人自身も生活苦に陥っている状態。ホームレスの人が悪いのではなく、社会の構造悪の側面もあるのでしょうが、子の福祉を考えればその環境下が望ましくないことは明白です。
だから、僕はこのハナの判断は酷いエゴだと思いました。

ただ、こうやって文章を書いていると、僕個人が抱いたこの感情もまたエゴなのかもしれないとも思いました。

ハナは僕とはまるで違う人間です。
金銭的に余裕はないとはいえ衣食住はできている僕。心身ともに男性である僕。親との関係性が良くはなくても離別はしていない僕。
どれをとってもハナは僕と違うんです。

そんな他者の考え方を、僕が断じることはできるのでしょうか。

そりゃ、ハナがしている行為は誘拐ともとられて仕方がないものであり、法的に良くないということなどはあるでしょう。
でも、僕はその倫理規範だけでこの物語を捉えてしまっているのなはないかと思ったのです。

ハナにはハナの人生があります。
人生は人それぞれ違うから、築き上げられる人格や思考もまた違うというのは、心理学を志す人間だからこそ肝に銘じておかなければならないことなのです。
が、僕は僕の人生の中での価値観のフィルターでのみハナを捉えるから不全感を持つのだと思います。

実際、行為で言えばギンもミユキも結局一緒に旅をしているのだから法に触れる行為はしている中で、不全感の矢印がハナだけに向く理由を僕は明確に言語化できていません。
自分と違うということに対して、外集団として知らず知らずのうちに排他的な感情を持っているのではないか、というのが今の自己臨床になるでしょう。


とはいえ、そんな不全感すらも最終的に納得に変えてくれるのが本作です。
それは合理ではなく、もはや奇跡の連続による偶然の産物なのですが、本作はその奇跡を不自然なく成立させ、伏線が回収されるカタルシスによって納得のあるまとまりとして受け渡してくれています。

ホームレスや「オカマ」として描かれるハナなど、少し美談めいた表現にも映るし、2026年でやるならこうはならないかもという表現はありますが、
不全感をカタルシスにまでひっくり返せるだけのパワーがこの映画にはあったのではないかなと感じました。


さいごに

さて、今日は少し短めの感想でした。
良いところも悪いところも、自分にとってなぜそこがそう映ったのかを言語化できる人間になりたいなと思うなど。

とはいえ映画自体は90分の中でてんこ盛りの濃密な体験であり、観て良かったなと感じる映画でした。
今監督の作品は他にもいくつかありますが、サブスク解禁されているものでは「パプリカ」がありましたので、折を見てそちらも観ていけたらなと思います。

今日は配信があるから、ここまで!
それでは!

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