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【読書感想文】眠りの神

「人間狩り」を書いた犬塚理人氏の作品である『眠りの神』。

「人間狩り」は非常に面白かったので、犬塚氏の作品ならば、きっと面白いだろうと思い手にした。
しかもタイトルからして惹かれる。

この犬塚氏、タイトルつけるの上手だな~。と思った。
思わず手にしたくなるようなタイトルって、かなり難しいものだけど、
『人間狩り』といい、『眠りの神』といい、

「え? なに? 面白そう!」

という気持ちにさせられる。
そして読み終わり。
今回も吠えます。

おもしろかった―――!

内容的には、社会に一石を投じている感じ。
スイスにはある安楽死が日本にはないけど、果たして安楽死は認められるのか?

というのがテーマ。

癌などで末期症状の疼痛に苦しみ、「こんなに痛いのなら死にたい」と願う人。
そういった人たちに安楽死を手伝う団体「ヒュプノス」。
そこでボランティアをしている医師の絵里香。

果たして、死を望む人に、安楽死を手伝うことは人道的にどうなのか?主人公は最後まで悩んでいるんだけど。
本書の途中で、絵里香は自信を持たないといけないとつぶやいている。
それに対して「人の死に、慣れてはいけない。慣れてしまっては、それは殺人と変わらない」という助言が入る。

なるほどな~。
確かにそうだよね。

そして、死にたいと望む人にも家族がいて、残された人はどうなるんだという苦悩。

これも確かにそうだよねと思わされる。
日本には安楽死はないけど、それに準ずる方法はある。
それでも、家族はそれを受け入れられるのか?
そう簡単なことではないよね。

そんな日本で、安楽死と自殺ほう助事件が起こる。
この犯人を捜すべく、日本にやってきた絵里香。
ヒュプノスの元ボランティア医師が犯人なのでは?
というところから話は深みへと入っていくのだが、かなり面白かった。

そして考えさせられる内容だった。
とはいっても、あまり考えてないかw

でもね、自分が癌に侵されて、末期となったらどうだろうか?
疼痛に苦しみ、その痛みは尋常ではないという。
そうなったら、殺してくれと願うのではなかろうか?

鎮痛剤を使って、痛みをとる方法もあるが、それで終わることができるのか?

昔、患者の苦しみを見ていられなかった医師が、患者に安楽死をもたらした事件があったけど。
それを事件と言っていいのか?

本書には

「精神的、肉体的に限界を迎えたときに穏やかに死を迎える方法が用意されていれば、病に立ち向かおうという気力も湧いてくるのではないか。
そしてその方法は、安楽死かもしれないし、あるいはセデーションかもしれない」

と言っている。
確かにそうだよね。
いざとなったら、この方法があると思えたら、もう少しだけ頑張ろうって気になるのかもしれない。

そんな経験がないから、なんとも言えないけど。

それにしても、かなり深い話だった。

※セデーションとは、鎮静剤を使って患者の意識レベルや痛みの感じ方を低下させ、リラックスした状態をつくる医療処置のこと


タイトル:眠りの神
著者:犬塚理人
出版:KADOKAWA


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