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【読書感想文】法廷外弁護士 相良圭

タイトルに「弁護士」とあり、すぐに手に取り、冒頭すら確認せずに借りてきた。
すぐに読みたかったけど、3冊借りたので、面白そうなのは最後にしたw

これ、好きなものは最後に食べるのに似てるねw

では、どんな話なのかというと、金の亡者である敏腕弁護士、暮坂真人と正義の為に金は度外視して動く弁護士、相良圭。
相良は暮坂に雇われている。
しかも相良にバーテンダーをやらせている。

弁護士でありながら、バーで働かされているんだけど、これは結構面白い設定だなと思った。
弁護士といったら、事務所の中ってイメージが強いからね。

二人は事あるごとにぶつかるんだけど、確かに腕がいいのは金の亡者。
頼むなら、敏腕弁護士だよなぁ、と思うがとにかく高いから、もし私が頼むとしても断られるだろうw

さて、相良が店番をしているバーに大学生の女の子、中野奈々がやってくる。
彼女も悩みを抱えているけど、それが果たして弁護士で解決するのか?
と、悩んでいるところに、たまたまバーに到着してしまう。

彼女にとって、それは運命。
しかも、「誰だお前は?」的なスタート。

おいおい、誰だとかww

なんだかんだとあって、結局相良の助手をすることになり、事件を解決していくんだけど、その都度暮坂が介入してくる。
おもしろくない相良は態度が悪いが、暮坂は気にしない。

本書の最後の事件が一番感情移入出来た。
というのも、依頼主が奈々になる。
その内容が、ありそうな話。

マンションに住んでいる奈々家族が、一年前から嫌がらせを受けている。
夜中に回覧板を持って来られたり、ドアに赤いペンキが塗られていたり。
玄関前にゴミが蒔き散らかされていたり。

両親の職場にデマを流され、父親は単身赴任を余儀なくされ、母親は職場を変えるしかなくなる。

もうこうなると、玄関チャイムが鳴っただけで恐怖だし、近所の人と出会っただけで肝が冷える。

その心理描写が素晴らしい。
思わず、読んでる方も物語の中に入り込み、一緒に恐怖を味わっている感じだ。

しかも、変な男に追いかけられたりして。

そんな奈々を助けるのが、暮坂と相良。
結局、マンションの住人である1人の女が、我が子のために嫌がらせをしているということが分かり、これで示談を成立させることができる、という終わり方だ。

え? 示談成立したんじゃないの?
そこまで書かないんだ~。

と思った。
でも、ラストは乾杯して終わるから、あれが成立を意味しているんだろうな。

すべての事件を示談に持ち込み、相手に納得させる弁護士。
だから法廷外なんだね。

なんで裁判に持ち込まないのか?
これがね、暮坂の考えとして「裁判になると、時間と金がかかる」というところ。
言葉だけなら冷たく聞こえるけど、確かに示談で、しかも3日で終わるならその方が精神的にも楽だろう。

それが裁判になったら、依頼人も追い込まれるし、法外な金がかかる。
そこを言ってるんだね。
つまり暮坂も、本来は依頼人のことを考えているってことだ。

もう、ツンデレなんだから~w

という話だった。
「人間狩り」も面白かったけど

今回の「法廷外弁護士」も当たりだったな~。


タイトル:法廷外弁護士・相楽圭
著者:石川智健
出版:紀伊国屋書店


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