【読書感想文】親指さがし
10年ぐらい前だろうか、娘が面白いと言っていた「親指さがし」
当時、娘の絶賛を受けて読んでみた。
確かに面白い。そしてハマった。
山田悠介さんという作家に。
そして今回、再読してみた。
やっぱり面白い。
スラスラと読めるし、物語がすっと頭に入ってくる。
山田ワールドは、読者にしっかり扉を開いているんだなと思う。
以前は感じなかったが、今回は山田悠介さんの文章に透明感があるように感じた。
余白が多いせいか?
いや、そんなことではないだろうな。
じゃ、なにか?
そこは分からない。
分かるくらいなら、きっと私も偉大な作家になっているw
さて、本書の内容に移ろうか。
物語は、小学生のガキんちょ仲間が集まって「親指さがし」というゲームをする。
作り話でも子供って楽しむもの。
彼らもばかばかしいと思いながらもやってみたら、バラバラ殺人の被害者が住んでいた屋敷に飛んでしまう。
そこで肩を叩かれ、ろうそくを吹き消す。
これをしないと、現実に戻ることができない。
だが、一人だけ、言い出しっぺの女の子が消えてしまう。
ここだよ。
読んでた時、振り返ったらその身体はどうなるんだろうと思ったんだよね。
そしたら、現実世界から消える。
まさか、そうくる?
ありえない話なんだけど、ありえないと笑えない。
なるほどな~と思った。
確かにその方が怖い。
結局少女は行方不明となり、親は散々探すんだけど見つからない。
そして子供たちは二十歳になる。
誰もが「親指さがし」を封印し、もう考えるのはやめようといっていたが、どうしても過去と決別できない。
そこで、もう一度だけやってみようという事になる。
やって、あの場所へいき、これで全てを終わらせ、前を向いてあるこうと考える。
これがいけなかったね。
いや、これをしなくても、多分事件は起きていたんだろうな。
一人、また一人と殺されて行くんだから。
しかも殺しているのは、行方不明だった少女。
しかし、その中身はバラバラ殺人の被害者の女性。
二十歳の時に殺され、遊び半分で屋敷にやってきた人間を呪う。
自分と同じ苦しみを与えようと考えている。
なぜか左手の親指だけが見つからないのだが、それと同じようにその怨念も左手の親指だけを……持ち帰ってるのかなぁ?
そこは書かれていないので分からないけど。
書いてあったら興ざめか。
持ち帰って、冷蔵庫に入れてましたなんて、話が崩れるw
次々に友人たちが殺され、主人公だけがあわやというところで生き残る。
話はこれで終わりのように思えるが、それじゃつまらないよね。
なにせ相手は怨念の塊。
主人公は怨念も消滅したはず、いや、死んだはずと思ってるんだけど、死ぬかぁ?
だって、元々死んでるんだからさ。
死んでるはずないよ~、と思っていたら、やっぱり。
という最後だった。
ただ、ここで終わるから、その後が気になる。
怨念は遊び半分にやってきた、かつての子どもたちを殺して、全てを終わりにしようとしているわけだ。
という事は、主人公もこの先殺されるのではないか?
しかもニュースでは、新たにバラバラ殺人が起こり、左手の親指がみつからないと報道している。
つまり、「親指さがし」をしている連中が他にもいて、そいつらが二十歳になるのを待っている。
これは永遠に繰り返される怪異という事なのだろうな。
いや~、面白かった。
思わず、一日で読破してしまった。
やっぱり、山田悠介さんってすごい!
読みなおしてみて、新人だった頃の彼の作品の輝きが見えた気がした。
タイトル:親指さがし
著者:山田悠介
出版:幻冬舎
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