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【ASDとADHD】突然のジュースコール

娘が高校生の頃、バイトに挑戦した。
その都度撃沈して帰ってきた。
すると、そこから1年はリトライすることができず、首を引っ込めたカメになった。

高校生活で3度のバイト経験だが、そのどれもが3日で終わっている。

被害妄想もあるし、それが事実かもしれないし。
見ていない私にはわからない。

高校を卒業してからは、働いていない。
働かずに現在32歳。
婿は嫁の自立を望んでいるため

「おまえは、生産性がない!」

と娘を責めてきた。
気持ちは分かるが、自分の気持ちだけで病人を責めるな!

言われた娘はへこたれ、

「死にたい……」

と何度呟いたことだろうか。

そんな娘が働きたい! と意欲をみせた。
人と関わることができなくなり、知らない人と話すことが怖いというのに。
自ら就労支援を受けたいという。

おお! そこまで来たか!

とはいうものの、怖い。
これでまた、被害妄想が勃発して、

「ああされた。こうされた。
だからいかない」

なんてこともあり得る。
そうなると、また次に働きたいと思うのは、きっと10年後だろう。

でも、さすがにあの頃よりは成長しているんだ。
きっと大丈夫!

こうして役所へと出向いた。
役所の中はたくさんの職員がいて、いつもよりもはるかにざわざわムード。
もう、これだけで娘は不安だ。

健康な人なら「忙しそうだなぁ。時間かかりそう」

で終わるが、娘には

「どうして人が多いの?
なんでこんなにいるの?
あの人出て行ったけど、どこに行くの?」

疑問と不安の嵐となる。
その疑問に憶測で答える。
憶測でも娘には回答が必要で、答えがあるだけで安心する。

こうして話していたら、役所の人が来てくれた。

「どのような御用でしょうか?」

私の方に聞いてくれればいいんだけど、相手は娘の側に立った。
ということは、答えるのは娘。

「び、B型支援を、うけた、くて」

切れ切れながらも答えている。
頑張ってるな~。

いくつかの質問に必死に答える娘。
担当者は理解してくれて娘から離れた。

私「よく頑張ったね~」

娘「頑張った。頑張った。頑張った……」

もう、過呼吸寸前。
貰った紙を握りしめ、その手に力が入り震えている。

あ、ヤバイ。

私「うん、頑張ったね。落ち着こうね」

娘「……頑張った……。
ジュース飲みたい」

突然のジュースコール。
財布を開き、ジュース代を渡すと、ひとりで買いに行ってくれた。
戻ってきた時には、小さなペットボトルを握っている。

娘「すっぱいの買ってきた」

なるほど、過呼吸が起こりそうな状態だから、それを抑えるためにジュースを買いに行ったのか。

考えてるね、というか。
自分で考えて行動できるようになったね。

ちょっとだけ、安心できるできごとだった。


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