【読書感想文】骨灰
本屋に行って、娘が欲しいと叫んだ本。
タイトルからして面白そうだと思ったので、その願いを叶えてやった。
だが、先に読めというお達しのため、読み始めた。
出だしは「ん~~~」という感じ。
この文章、この書き方。
どこかで味わったことがある。
なんだろう???
読み進め50ページ突破!
つまらなすぎる。
説明ばかりで、どうも入っていけない。
そこで気が付いた。
取説だ!
なるほど、なんだかなじんだ文章だと思ったら、取扱説明書じゃないかw
だが、それも本文にとっては必要な部分なのだろう。
ということで、さらに読み進める。
すると見えてくるのが不穏。
大きなビルを建てるにあたって、その地下のさらに地下。
そこには神棚があり、四角い穴が空いている。
そしてその中には、一人の男が鎖に繋がれている。
主人公は、なぜ繋がれているのか分からず、自由にしてやるのだが、そこから呪われてしまう。
呪いだの、霊だのを信じない主人公は、おかしな現象が起こっても科学的に考えてありえないと自分に言い聞かせ、これはきっとこういうことだと無理矢理納得していく。
だが、おかしなことが続き、それが納得できない状況へと追い込まれていく。
妊娠中の妻は、火葬場のようなにおいが立ち込めるといい、体調を崩し入院。
すると幼い娘がひとりになり、面倒を見ないとならないが、仕事があるからと家を空けてしまう。
その間にボヤが起こったり、娘が怖いと泣いたりと、いろいろなことが起こり、それを聞いた妻も苛立つ。
その苛立ちを受けて主人公も苛立つわけだが、そんな主人公の前には死んだはずの父親がいる。
これがまた曲者で、主人公を操りだす。
物語は、亡霊となった父親に操られながら進んでいき、自分が呪われていることにやっと気が付き、元の自分を取り戻し、話は佳境へと入っていく。
家を建てるときに、地鎮祭というものをやるでしょ。
我が家もやったな。その後酒盛りしてた。
それがいつの間にか、やらずに家を建てるようになったらしいが、今でもビルを建てたり、大きなものを建てるときには、地鎮祭をやる。
地の神様に、挨拶するわけだ。
ここに建てちゃうけど、怒らないでね~。守ってね~。
というやつだ。
勝手に掘り返しておいて、それはないだろうと思うが、挨拶しておくことで、守られるというのが日本古来の考え方だ。
これは大事だと、ちょっとずれてる私でも思う。
それを侮ると怖いことになるよ、というのが本書だ。
確かに読んでいくと、やたらとぞわぞわ来る。
よく知らない世界だから、細かいところまでは掴めてはいない。
登場する拝み屋なる業者の言ってることも、あまり理解できたとは言えない。
しかしながら、神様に失礼なことをすると怖いことになるよ、というのはよく分かった。
神様が怒るようなことはしてはいけない。
終盤になると「えー、そんなことしちゃうの?!」という展開になる。
さすがに、それは犯罪なんじゃないのー?
と思うが、そこは本書の世界だから、ありだろう。
昔は大きな橋を建てるにも、人柱を立てたり、雨乞いをするにも人柱だった。そのほかにも、神様に頼むと人柱なんてのが普通にあったらしい。
白羽の矢が当てられた人は、たまったものではない。
大体、本当に神様は人柱を必要としていたのか?
人柱なんて望む神なら、それは信じちゃいけない神ではなかろうか?
まぁ、現代ではそんなものはない……か、どうかは知らないけど。
あって欲しくない。
ネタバレしないつもりだったけど、ネタバレしてるねw
そう、最終的に人柱なんだよね。
しかも、深い穴の底に人を入れて生き埋めにする。
読んでいて、「苦しいじゃないかー!」と思ってしまった。
しょうがないことなんだろうけど。
最後まで読んで、冒頭の取説からは想像もできないような展開だった。
かなり面白い。
徐々に引き込まれていくしね。
ハイスピードで引き込まれていくタイプではないけど。
結局飽きることはなかったし、半分を過ぎた頃には、ページをめくる手が速くなった。
という事で、かなり面白かったんだと思う。
この作者、本作がホラー一作目だそうだ。
色々なジャンルで、多種多様な本を書いているようだが、ホラーは初めてって、嘘だろーって感じだった。
やっぱり、プロはすごいな~と思った。
タイトル:骨灰
著者:冲方 丁
出版:角川文庫
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