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地方の美容室の盲点は、意外と駐車場だった

独立型の店舗に移って、お客様に最初に褒められたのは、技術でも内装でもありませんでした。

「停めやすくなったね」

でした。広くて助かる、前はちょっと怖かった、ここなら来やすい。何人にも言われました。25年髪を切ってきて、一番素直に喜ばれたのが駐車場。少し複雑でしたが、目が覚めた瞬間でもありました。

地図の話を3回続けてきました。Google、Apple、Yahoo!。でも、地図がどれだけ正確でも、たどり着いた先の駐車場で止まることがあります。今日は画面の外側、駐車場の話です。

東京の感覚では、見えていなかった

東京で働いていた頃、駐車場のことを深く考えたことはほとんどありませんでした。見ていたのは、駅から近いか、人通りがあるか、仕事帰りに寄りやすいか。立地イコール電車と徒歩の話でした。

でも地方は違います。買い物も車、病院も車、美容室も車。駐車場は「あると便利なもの」ではなく、来店の前提です。

以前のテナント時代は、台数が限られて、区画が狭く、他のテナントと共用でした。店側としては「仕方ない」と思っていたことが、お客様には毎回の小さなストレスだった。独立型に移って「前はちょっと怖かった」と言われるまで、それに気づきませんでした。

お客様は、技術や接客のもっと手前を見ています。来やすいか、停めやすいか、帰りやすいか。下手をすると、メニューや内装より先に駐車場で店の印象が決まっていることがあります。

街中か郊外か、という立地の話も同じです。人通りのある街中が正解に見えますが、40代以上のお客様、ミニバンで動く子育て世代、人混みや狭い道が苦手な方にとっては、街中の小さな駐車場より、郊外で目の前に停められる店の方が安心ということがあります。通行量より、停めやすさで選ばれる。地方には、そういう商圏があります。

では、何が見られているのか。25年やって気づいたのは、主に2つです。

砂利と横幅は、思っているより印象に残る

1つ目は、足元。砂利の駐車場は、できれば避けたいと思っています。

土地の事情も予算もあるので、最初から舗装できないこともあります。でもお客様目線で見ると、砂利は意外とストレスです。ヒールが沈む。靴が汚れる。雨の日にぬかるむ。車が汚れる。

美容室に来るお客様は、これから髪をきれいにしに来る人です。服装もある程度整えて来ます。その入口で足元が悪いと、気持ちが少し下がる。店内をどれだけきれいにしても、最初の印象が駐車場で決まることがある。これは、やってみて初めてわかりました。

2つ目は、横幅です。

地方はミニバンが多い。子どものいる家庭、送り迎え、家族移動。そのお客様にとって「軽なら停められる、普通車ならギリギリ、ミニバンだと怖い」駐車場は、毎回の心理的ハードルです。隣にぶつけそう、切り返しが要る、出るとき見えにくい。

しかも美容室は滞在時間が長い。カラーや縮毛矯正なら数時間、車を置きっぱなしにします。隣との距離が近いと、施術中もどこかで気になっている。駐車場は台数だけでなく、1台あたりの余裕で見た方がいいと思っています。

それともうひとつ、停まっている車も店の空気を作っています。車でお客様を判断する話ではありません。ただ、きれいに手入れされた車が安心して停められる駐車場には、車を大事にするお客様が来やすい。ドアを大きく開けても隣に当たらない余裕は、そういう空気まで含めて店の一部です。

整えたら、見せる。画面の外までが導線

駐車場を整えたら、それをちゃんと見せた方がいいです。これが地図の話とつながるところです。

・GBP・Appleマップ・Yahoo!プレイスに、駐車場の写真を入れる
・LPのアクセス案内に書く
・LINEの予約確定文に駐車場の2行を入れる(以前書いたあの2行です)

そして書き方にもコツがあります。「駐車場あります」だけでは弱い。「店舗前に〇台」「ミニバンでも停めやすい広さ」「道路からそのまま入れます」「雨の日でも入口まで近いです」。ここまで書いて、初めて不安が消えます。

広告からLPへ。LPからLINEや電話へ。予約が入る。地図で確認して、ナビで向かう。そして最後、車を停めて、ドアを開けて、店に入る。ここまでが導線です。最後の数十メートルで不安にさせたら、画面の中をどれだけ磨いてももったいない。

最初の一歩は、これです。

休みの日に一度、お客様と同じように車で自分の店に入ってみる。できれば大きめの車で。

道路から入りやすいか。どこに停めればいいか迷わないか。隣との間隔は怖くないか。降りて入口まで歩いて、足元はどうか。自分の店なのに、お客様の席に座ったことがないのと同じで、お客様の運転席から店を見たことがないオーナーは案外多いと思います。私もそうでした。

HPBやインスタの話よりずっと地味です。でも、現場ではこういうことの方が効いてきます。

同じように郊外で店をやっているオーナーさん、今度の休みに一周、自分の駐車場を回ってみてください。次は店の中に入ります。お客様が入店した瞬間に見ているもの、50代オーナーの仕事着の話です。

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