ホームページは集客装置として終わった。だから小さな美容室に必要になった
営業時間を1行直すのに、2週間かかったことがあります。
制作会社に頼んだ昔のホームページの話です。メールで依頼して、確認の返事を待って、修正が上がって、また確認して。その間、サイトには古い営業時間が出たまま。直したのはたった1行です。
「ホームページ、もういらないんじゃないか」と思ったのは、あの頃でした。
HPBがある。Instagramもある。Googleマップも、LINEもある。お客様はスマホで検索して、写真と口コミを見て、そのまま予約する時代です。維持費を払って、自分で触れないサイトを持ち続ける意味はあるのか。
その気持ちは今もわかります。でも結論から言うと、私は小さな美容室にホームページは必要だと思っています。ただし、昔とは役割が変わった前提で、です。
ホームページは、集客装置ではなく確認場所になった
昔のように、ホームページを作れば勝手に新規が増えるとは思っていません。きれいなサイトを作っただけで予約が埋まる時代は終わりました。そこを期待すると、がっかりします。
でも、役割がなくなったのではなく、変わったのだと思います。
今のホームページは、集客の主役ではなく、お客様が予約前に確認する場所です。
・Googleマップで見つけた人が、もう少し詳しく見に来る
・Instagramで雰囲気を知った人が、料金と場所を確かめに来る
・HPBで見つけた人が、「この店はどんな考え方なんだろう」と見に来る
・紹介された人が、店名で検索して見に来る
地図の回で「GBPのリンクの行き先を確認してください」と書きました。あのリンクの先がここです。入口をどれだけ整えても、飛んだ先に受け皿がなければ、お客様は確認できずに戻っていきます。
では、HPBやInstagramが受け皿になれないのはなぜか。
HPBは比較され、Instagramは流れていく
HPBは便利です。見つけてもらえるし、口コミも見られる。否定する気はありません。
ただ、HPBの中ではどうしても比較されます。価格、クーポン、空き枠、口コミ数。その並びの中では、どんなお客様に来てほしいのか、どんな悩みに向き合っているのか、なぜそのメニューを作ったのか、という店の考え方は見えにくくなります。考え方まで全部HPBに預けると、自分の店の導線は育ちません。
Instagramは、美容室との相性がいい。雰囲気と仕上がりを見せるには最適です。でも、流れていきます。営業時間、料金、駐車場、予約方法、初めての人への案内。お客様がその投稿の山から必要な情報を探すのは、意外と大変です。
つまり、こうなります。HPBは見つかるが比較される場所。Instagramは興味を持ってもらえるが流れる場所。Googleマップは確認されるが深くは伝えられない場所。
興味の入口は揃っている。足りないのは、最後に安心してもらう場所です。
立派なサイトはいらない。自分で直せる受け皿でいい
ここで誤解してほしくないのは、全部入りの立派なホームページは要らないということです。
会社概要、代表あいさつ、スタッフ紹介、ブログ、採用情報、ギャラリー。全部詰め込んで、更新できずに放置するくらいなら、最初から小さく作った方がいい。
必要なのは、お客様が予約前に知りたいことが迷わず見られるページです。
・どんな悩みに対応しているのか
・料金はどのくらいか
・場所と駐車場はどうなっているか
・予約はLINEか、電話か、HPBも使えるのか
予約前の8つの不安、という話を以前書きました。あれを先回りして置いておく。それだけで受け皿として機能します。店を大きく見せるためではなく、予約前の不安を減らすためのページ。そう考えると、作り方は変わります。
そしてもうひとつ、冒頭の話に戻ります。自分で直せることが、デザインより大事です。
美容室の現場は変わります。スタッフ、メニュー、料金、予約方法。それなのにサイトだけ昔のままだと、GBPでは合っている営業時間がホームページでは古い、というあのズレが起きます。地図3つを揃えても、自分のサイトがズレていたら台無しです。営業時間1行に2週間かかる体制では、ズレは絶対になくなりません。
完璧なデザインの直せないサイトより、普通の見た目ですぐ直せる小さなページ。小さな美容室に合うのは、こちらです。
今夜やるのは、お客様として自分のサイトを開くこと
最初の一歩はこれだけです。
スマホで自分の店名を検索して、ホームページを開き、「料金・場所・駐車場・予約方法」の4つがすぐ見つかるか、お客様のつもりで確かめる。
古い情報がひとつでもあれば、それが直す場所です。サイトがない人は、この4つだけ載った1枚のページから始めれば十分です。
HPBがあるから、Instagramがあるから、いらない。そう言いたくなる気持ちはわかります。でもそれぞれ役割が違います。見つけてもらう場所、興味を持ってもらう場所、確認する場所。そして、自分の店の言葉で落ち着いて説明できる場所は、自分の店側にしか作れません。
お客様が迷ったときに戻ってこられる場所がひとつあるだけで、導線は強くなります。
同じように「ホームページ、もういらないかな」と迷っているオーナーさんは、今夜まず自分のサイトをお客様の目で開いてみてください。受け皿に何をどう書くか、中身の話はまた別の記事で書きます。
