Googleマップを完璧にしても、iPhoneのお客様は別の地図を見ている
「ナビの通りに来たら、裏の倉庫の前に着きました」
新規のお客様に、笑いながらそう言われたことがあります。聞けば、使っていたのはGoogleマップではなく、iPhoneに最初から入っている「マップ」。車のCarPlayでそのまま出てくる、あの地図です。
私はガジェット好きを自認しています。MacもiPadも触ってきました。それなのに、Appleマップ側の自分の店の情報は、一度も見たことがありませんでした。
前回、GBPを整える話を書きました。でも地図はGoogleだけではありません。今日はその続き、Appleマップの話です。
お客様全員が、Googleマップ派ではない
美容室側は、つい自分の感覚で考えます。自分がGoogleマップを使っているから、お客様もそうだろうと。
でも実際は、こうです。
・iPhoneで住所をタップすると、標準では純正マップが開く
・CarPlayでナビを出すと、純正マップがそのまま使われることが多い
・Apple Watchで経路を見る人も、純正マップ
・スマホに詳しくない方ほど、最初から入っているアプリをそのまま使う
うちのお客様は40代以上の女性が中心です。アプリを入れ替えず、iPhoneを買ったままの状態で使っている方は珍しくありません。その方たちが来店直前に見るのは、Googleマップではなく、Appleの地図です。
そしてAppleマップ側の情報は、こちらが何もしなければ、古いまま放置されています。GBPをどれだけ磨いても、純正マップで来る人には届きません。
では、どこで直すのか。
Apple Business Connectで見るのは、まずピンの位置
Appleマップ上の店舗情報は、Apple Business Connectという無料の公式ツールで管理できます。Apple版のGBPだと思ってもらえれば、だいたい合っています。確認できるのは、店名、住所、電話番号、営業時間、Webサイト、カテゴリ、写真、そして地図上のピンの位置です。
美容室で一番大事なのは、このピンの位置だと思っています。
地方の店は、駐車場が広い。郊外型もある。テナントの奥にある店も、同じ敷地に複数の店がある場合もあります。ピンが数十メートルズレているだけで、ナビは平気で裏の倉庫に案内します。冒頭のお客様は笑ってくれましたが、初めての店で迷った数分間は、確実に不安の時間です。たどり着けずに電話が鳴れば、施術中の手も止まります。
ピンの次に見るのは、営業時間と電話番号です。Appleマップには前の店名や古い番号が残っていることがあります。Googleでは正しいのにAppleでは古い、という状態が一番まずい。お客様はどちらが正しいかわからず、その時点で気持ちが少し下がります。
やることは、GBPと同じ。ズラさないだけ
整える中身は、前回のGBPの話と同じです。新しく覚えることはほぼありません。
・基本情報を、GBP・LP・インスタ・HPBと完全に揃える
・写真は映えより、外観・入口・駐車場
・Webサイトリンクの行き先は、なんとなくHPBにせず、LPか公式サイトに
つまりAppleマップは、新しい施策ではなく「GBPでやったことのコピー先」です。GBPを整えた直後なら、手元に正しい情報が揃っているので、移すだけ。私はGBPの見直しのついでに済ませました。最初の登録と確認を含めても、夜の空き時間で終わる作業です。
写真も同じ考え方です。Appleマップで表示される写真に、外観と駐車場が1枚ずつあるかどうか。それだけで「ここで合っている」という確認が現地でできます。仕上がり写真を並べる場所は、インスタとLPに任せればいい。地図の写真の仕事は、きれいに見せることではなく、迷わせないことです。
MEOだ、順位だ、という話はここでは要りません。地図対策の目的は上位表示の前に、予約してくれた人を迷わせないこと。Googleの地図とAppleの地図、両方で同じ正しい情報が出る。それだけで来店直前の取りこぼしがひとつ減ります。
今夜やるのは、検索1回
最初の一歩はこれだけです。
iPhoneの純正マップ(なければご家族のiPhoneでも)で自分の店名を検索して、ピンの位置と営業時間を見る。
ズレていたら、Apple Business Connectに登録して直す。合っていたら、何もしなくていい。確認だけなら1分です。
広告、LP、LINE、GBP、そしてAppleマップ。並べると多く見えますが、やっていることはひとつです。お客様が店を見つけてから椅子に座るまでの道から、不安と迷いを消していく。派手さはありません。でも、小さな美容室にはこの地味な整備が効きます。
同じように「GBPは整えたから地図は大丈夫」と思っていたオーナーさん、今夜、純正マップで一度だけ自分の店を検索してみてください。裏の倉庫にピンが立っていないことを祈ります。
