見出し画像

あの頃の海へ、もう一度〜『宝島』に教わった勇気

宝島の主題歌が、胸の奥を波立たせるとき

折あるごとに思い出しては、懐かしさとともに、
あの頃とは違う視点でその想いを感じる──
そんな作品が、いくつかあります。

年代がバレようとも(笑)、今日はその中のひとつ、
私が今でも大好きなアニメについて書きたいと思いました。
お若い方には「?」でしょうが、少しお付き合いくださいませ。

さあ行こう 夢にみた島へと/波を越えて風に乗って海へ出よう

アニメ『宝島』オープニングテーマ「宝島」より
(作詞:岩谷時子/作曲:羽田健太郎/歌:町田義人)

大好きで、今でもときどき聴いている『宝島』の主題歌。
子どものころ、テレビの前でこのイントロが流れると胸が高鳴った。
でも、思い返してみると当時のアニメには、
このオープニングとは対照的に、エンディング曲がとても大人っぽく、どこか物悲しい作品が多かった。
『宝島』もそのひとつだ。

潮風よ お前も友達ならば伝えて/故郷に残してきた 懐かしい母にひと言

アニメ『宝島』エンディングテーマ「小さな船乗り」より
(作詞:岩谷時子/作曲:羽田健太郎/歌:町田義人)

改めてデータを見てみると、作詞は岩谷時子さん、作曲は羽田健太郎さん。
なんて贅沢な顔ぶれだろう。
その曲と歌詞には、視聴者である子どもを、子ども扱いしない誠実さがあると感じる。
まだ幼かった当時の私にも、おぼろげながら
“冒険に出るワクワク感”の奥に、
“母への手紙を海の上で書く少年の寂しさや憂い”が、
たしかに届いていた気がする。
憂いを含みながら少年の自立の途中を感じさせるエンディング曲「小さな船乗り」を聴くと、いまはこころの空にいる両親に、同じように
「私は元気にやってます」
と伝えたい気持ちになる。
多分、両親は未熟な私しか知らないから。

そして、勇ましいオープニング曲は、
これから挑戦する仕事のプロジェクトや、
人生の節目になりそうな出来事に向き合うとき、いつも心の中で鳴り出す。
──あの頃の少年と同じように、私もまた、新しい航海へと舵を切っているのかもしれない。

主人公はジムという少年。
原作でも彼の視点で物語が進むが、ジムより、私はむしろ
敵役の海賊シルバーに、大人の魅力と人間らしさを感じていた。

シルバーはジムを、どこか父親のようなまなざしで見守っている。
ジムもまた、憧れにも似た気持ちを抱いていたと記憶している。
けれどその一方で、彼は人の心に巧みに入り込み、
自分の欲のためなら平気で騙しも殺しもやってのける。
決して「大人のお手本」にしてはならない人物だ。

その二面性が、物語に奥行きを与えていた。
単なる楽しい冒険アニメではなく、
サスペンスのような緊張感を漂わせる作品だったと思う。

大人になった今、シルバーのように非道な真似はしないけれど、
「嘘も方便」や「衝突せずに自分の意見を通す術」といった場面には、何度も出会ってきた。
海賊ではないけれど、
私もまた、人生という海を航海する
冒険者の一人なのだろう。

いくつになっても、
私たちはそれぞれの“宝島”を探しながら、航海を続けているのかもしれない。

最後までお読みいただきありがとうございました。

アニメ『宝島』をご存知の方、小説『宝島』を読んだことがある方、
全然わからない方も😅 よろしければご感想などコメントいただけると嬉しいです。



いいなと思ったら応援しよう!

奏衣 流瑠 よろしければ応援くださると、嬉しいです。 クリエイター活動に使わせていただきます。 あと、たいへんモチベが上がります!