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【不登校】あからさまに意見を180°変えた私

娘のクラスに、ナナちゃんという子がいた。

我が家の次女と三女の双子は現在中学2年生だ。

双子のクラスは別々だが、ナナちゃんが次女のクラスメイトか三女のクラスメイトだったのか、母は定かではない。私はいつも娘たちの友達の名前も顔もあんまり覚えられない。

二人が中1の夏ごろから「ナナ学校来てないんだよね」とは聞いていた。私はただ、あぁ不登校なのか、と思った。それ以上でも以下でもない。

現在高1になる長女の学年にも不登校の子は何人かいたし、今時不登校なんて珍しくない。

ナナちゃんとは小学校が違ったし、私は正直ナナちゃんに関する情報が名前しかなかったので、顔も浮かばないナナちゃんの話に興味を持つことなく「ふんふん」と右から左へ受け流していた。

ただ、たまに娘がナナちゃんの話をするたびに、時々違和感を感じることはあった。

「ナナは音楽が好きだから、音楽の授業だけは時々来るんだよねー」

「ナナ、文化祭には参加してたよ」

不登校なのに、好きな授業だけは出るんかい。
しかも、行事には来れるんかい。
ま、不登校の子ってそんなもんか。

別にずるいとは思わなかった。
なぜなら別に興味がなかったからだ。

しかし、ある日次女が言った。

「ナナ、2年生からトランペットに変えてもらうんだってー」

は?

え、それは・・・ちょっとずるくないか?

ナナちゃんは音楽部だった。
我が家の次女も音楽部だ。

次女は、入学当時からフルート担当を熱望していたが、希望が叶わず現在トロンボーン担当だ。今でも「フルートになりたかった」と時々言う。

ナナちゃんはホルン担当だ。
でも本当はトランペット希望だったらしい。

「ナナとお母さんと顧問で話して、トランペットなら部活出れるかもって言ったらしいよ」

いや、それはわかる。
でも顧問に言って変えてもらえるなら、うちの子も今からフルートになりたいとか言うけどな。そんな特別待遇が許されるって聞いたら、うちの子だって「私も…」とか思わないのかな。

私は次女に「あなたはそれをどう思ってるの?」と聞いてみた。すると次女は

「顧問の先生はちゃんと部員全員集めて話し合いをしてくれて、『ナナが希望していたトランペットに変更することで、学校に来るキッカケが出来るかもしれない』って言ってた。だから、部員もみんな反対する人はいなかったし、私もそれなら全然いいんじゃない?って思ったよ。」と言う。

そ、そうか。
それならば親の出る幕ではない。本人が納得してるならいいか。

そのまま、私の中でナナちゃんはまた、数いる娘のクラスメイトの一人として、話題に出てきてもまた「ふんふん」と受け流す対象として忘れ去られた。


その半年後、
我が家の双子は不登校になった。


今ならわかる。



希望していたトランペットなら部活に出れるかもと言うナナちゃん。色んな意見も出るだろう中で、それを顧問に伝えたお母さん。


今なら思う。


「もう、楽器なんて
好きなだけ変えたげて~!!!」


全然いいよ!
楽器変更くらい、もう、どうぞどうぞ。
それで学校に来れるなら。部活に参加しようと1ミリでも思えるなら。楽器なんて変えたげて。もう、どんどん変えたげて。

音楽の授業しか出ないって?
音楽のある日だけでも学校行けるなんて、めちゃくちゃすごいじゃん。そんなに好きなことがあるって、すごい強み。うらやましい。わが子は好きな授業なんてないから、学校に行くキッカケを完全に見失ってるよ。

行事だけ出てくる?
わかる。行事って非日常だから参加しやすいんだよね。教室で何時間も黙って座って授業聞いて、お昼はみんなと机合わせて給食食べるあの日常の窮屈さと比べたら参加しやすいのよ、行事って。

親としても、行事に参加出来たか出来なかったかって、本当にメンタルのアップダウンがドドンパの高低差ぐらいあるのよ。

やっぱり親としては、みんなと一緒に行事に参加してほしいんだ。我が子をクラスの仲間に入れてほしいんだ。思い出のアルバムの端っこでもいいから、いてほしいんだ。なんなら見学でもなんでも、同じ場所にいるだけでもいい。それが何か「また学校に行ってみようかな」っていうキッカケになるかもしれないじゃないか。

そう。
当事者になると、こんなに意見て変わる。
ほんとうに、180°変わる。
ひどいもんです。

我が子が不登校にならなかったら、ナナちゃんの気持ちはわからなかっただろう。そして、ナナちゃんのお母さんの気持ちも。

不登校の親って、甘いんじゃない?って思ってた。不登校?最近多いよねー、関係ないけど。って思ってた。

だから、今娘たちのクラスメイトの保護者さんたちが私たちをどう思っているかは、なんとなくわかる。いろんな意見があるかもしれない。それは仕方ないと思う。だって私もそうだったから。

もちろん、本当に私たちの気持ちや立場を理解してくれる人たちもたくさんいる。でも、不登校児やその親に対してネガティブな気持ちを抱いている人がいる事も理解している。

でもそれは本当に仕方ない。
だって我が子は理由は色々あるにせよ、学校に通い、勉強するという権利と義務を放棄しているのだから。

それでも、私たちは好きで不登校なのではない。本人たちも行けるもんなら行きたいし、私だって本当は学校に行かせたくてたまらない。当たり前じゃん、親だもん。

でも、行けないもんは行けない。
「行かない」んじゃなくて、「行けない」んだ。
でも、きっと一生行けないわけじゃない。

時間が経てば。
彼女たちの心と身体が成長すれば。
高校に入り環境が変われば。

いつか行ける日が来るような気もしている。
それが中学なのか、高校なのか、通信制なのかはわからない。

でも「今は行けない」。それだけなのだ。

それでも、私は不登校児の親になれて良かったと思っている。不登校に悩んでいる人の気持ちがわかる人生を経験出来た。

ましてや私は英語教室の先生だ。たくさんの生徒や保護者と触れ合う。私は不登校に悩む親子の気持ちを理解してあげられる先生になれるだろう。きっとこれは私にとって必要な経験だったのだ。

でも逆を言うと、私はたとえば、障害のある人の気持ちが深いところまでは理解できないだろう。トランスジェンダーの人の気持ちも、外国にルーツのある人の気持ちも、理解出来る人間でありたいとは思うけど、深い部分までは理解できないだろう。人間、経験していないものは理解するのに時間がかかる。

でも、1分だけ。

1分だけ目を閉じて、想像することにしてる。

その人の立場を。
その人が抱えているかもしれない悩みと痛みを。

理不尽なことを言う人、わがままなことを言う人。世の中いろんな人がいる。

自分と違った価値観を持つ人のことも、
目を閉じて一瞬その背景を想像しようと思う。

そしたら、その人の行動の裏側にも理由があるのだと思ったら、きっと少し優しくなれると思うから。

まぁ、不登校の気持ちがわかるようになれたのは良かったけど、当たり前だが、不登校にならないにこしたことはない。だって、めちゃくちゃ辛いもん。

不登校とか「えー、ずるいー」とか思ってた過去の私に言いたい。

やってみ?不登校。
なってみ?不登校の母。

めちゃくちゃ辛いから。

ま、あとでなるからわかるか。


それでも、私は他人の背景に1分だけでも想いを馳せることの出来る人になりたい。

それは難しい事だけど、
それを忘れずにいたい。

そして、我が家の娘たちにもそんな大人になってほしいと思う。

きっと二人なら、他の人よりも色々な辛さや痛みがわかる大人になれると思う。優しい人になれる。そしてきっとそれがあなたたちの人生の糧になる。そう信じてる。


今週もみなさまおつかれ様でした!!

明日は土曜日。

私は出かけて気分転換してきます!
ゆっくり進も。

大丈夫。

ゆっくりだけど、前に進んでるから!


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