「さすがAI使い!」と思った後輩、裏では地道な修正を繰り返していた。
前回は、AIに愚痴を聞いてもらうつもりが、怒涛の質問攻めに遭ってパニックになった話を書きました。
「人間ではないのに、AI相手になんでこんなに気力を使うんだろう……」と、げんなりした私ですが、ある出来事で「AIとのスマートにやり取りすることだけがAI活用じゃない」と思い知らされることになります。
■ 難解な説明資料のドラフト作成
先日、少し骨の折れる案件が発生した時のこと。実現に向けては法務部や財務部、システム部など、複数の関係部署に方向性に違和感がないか、懸念点がないかを確認してもらう必要がありました。
部署ごとの立場や前提条件が入り組んでおり、整理するだけでも一苦労。一筋縄ではいかない内容でしたが、チームの後輩に説明資料のドラフト作成をお願いすることにしました。
しばらくして送られてきたドラフトを見ると、複雑な条件設定がよく落とし込まれていました。
■ 「一発で仕上げる技術」より大切なこと
「この入り組んだ条件、よくここまで綺麗に整理できたね!」そう声をかけると、後輩は、こう教えてくれました。
「AIに手伝ってもらいましたけど、今回は案件の条件が複雑だったので指示出しが結構大変でした…。一発で上手く行かないから、AIとチャットして修正、修正の繰り返しだったんです」
この言葉を聞いて、ハッとさせられました。
AIを使いこなしている、というと「魔法のようなプロンプトを一発で入力して、一瞬で完璧なアウトプットを出すこと」というイメージがあります。
けれど、実務で本当にAIを使いこなしている後輩は違いました。「一発で仕上げる魔法」を持っているのではなく、「粘り強くAIと対話を重ね、微調整を繰り返す姿勢」でAIを使っていたのです。
■ 泥臭いキャッチボールこそがアウトプットの質を分ける
後輩と話をすることで、AIで出来上がるものが完璧でないことを前提に、複雑な案件ほど、「ここは違う」「このニュアンスを加えて」と地道にキャッチボールをするプロセスこそが、アウトプットの質を分けるのだと痛感しました。
前回の私は思いがけない質問攻めにパニックになってAIとの対話を強制的に止めてしまいましたが、AIを使ってアウトプットを作っていくには、それらの質問に一つずつ答えていくことがすごく大事なことだったのです。
もちろん、できれば少ないやり取りでスマートに仕上げたいのが本音ですが、AIとの付き合い肩を方を考える上では、前回の「質問攻めにされた苦い経験」も無駄ではなかったと思えました。
■ 一瞬で答えが出ない時の捉え方
もしAIを使っていて「一発で完璧な答えが出ない」と悩んだら——。
「ここは違う」「このニュアンスを加えて」と泥臭く対話を重ねるプロセスこそが、本当のAI活用。そんな風に捉え方を変えてみると、AIとの対話への気持ちのハードルが下がるかもしれません。
本日もお読みいただき、ありがとうございました!
