【ショートショート】 詩と真実 #青ブラ文学部
※本文450文字です。
気になる人からラブレターを受け取ったと、同級生が喜んで見せに来た。宝石のような言葉に目を細め、彼女は声に出して僕らに披露する。
僕は息をのむ。
『今時、こんなこと書くヤツいるのか…』
だがさすがに声には出せない。
「まるで詩だな…人の周りに虹は出ないね…せいぜい逆光で光に縁取られるぐらいだろう。」
現実的な親友の呟きがいつもの如く、容赦なく音漏れする。彼の態度に背中を押され、僕も気になる部分が口をつく。
「これは、行きすぎだろ…瞳に映る幾億の星が心を惹きつけるとか、君の声が僕の心を蜂蜜のようにとろけさせるって…思う気持ちは真実なんだろうけど…ここまでの甘さは詩の中だけだろ…」
僕らのダメ出しに彼女は不満げに手紙と僕らを見比べる。
「詩と真実は分けて考えないと…詩のままじゃ、真実を見誤るよ?」
僕の言葉に、親友が微笑む。
「いずれにせよ、愛は詩から生まれ、罵倒で終わる。気をつけろ。」
始まりにすでに終わりを考える。いかにも彼らしい。
その言葉で現実に引き戻され、彼女はそっと手紙をカバンにしまった。
(了)
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今回もこちらの企画に参加させていただきたく、書きました。いつも考えさせられるお題をありがとうございます。頭が活性化します。
