「言われたことをやる人」から「必要な仕事を見つける人」へ。|学校では教えてくれない仕事論 #5
「仕事ができる人」は、何を考えているのか?
「仕事ができる人って、どんな人ですか?」
こう聞かれたら、みなさんは何と答えるでしょうか。
仕事が速い人。
ミスが少ない人。
売上を作れる人。
コミュニケーション能力が高い人。
知識が豊富な人。
もちろん、全部大切だと思います。
でも僕が思う「仕事ができる人」は、少し違います。
僕が仕事をしてきて感じるのは、
仕事ができる人は、「言われたこと」の一歩先を考えている人。
だということです。
今日は、
僕が思う「仕事ができる人」について書いてみようと思います。
「言われた仕事を終わらせる人」と「問題を終わらせる人」は違う
例えば上司から、
「この店舗、最近売上が落ちているから調べて」
と言われたとします。
売上データを調べる。
先月と比較する。
資料にまとめる。
そして、
「先月より20%売上が落ちています」
と報告する。
これで、
「頼まれた仕事」
は終わっています。
間違いではありません。
でも僕なら、もう一歩考えます。
「なぜ売上が落ちたんだろう?」
新規のお客様が減ったのか。
リピーターが減ったのか。
客単価が下がったのか。
スタッフの出勤が減ったのか。
広告の反応が悪くなったのか。
競合店ができたのか。
原因を調べます。
そして原因が分かったら、
「じゃあ、どうすれば戻せる?」
まで考える。
できれば、
「売上が20%落ちています」
ではなく、
「売上が20%落ちています。原因は○○だと思います。なので、まず○○を試してみたいです」
まで持っていく。
同じ仕事を頼まれていても、
ここまで考えられる人と、
言われたところで止まる人では、
仕事の価値が変わります。
僕は、
「言われた仕事を終わらせる人」と「問題を終わらせようとする人」は違う
と思っています。
「何をやるか」より「何のためにやるか」
第1回でも書きましたが、
仕事では、
最終的な着地点を理解すること
が大切です。
上司から、
「売上を調べて」
と言われた。
でも、本当に上司が知りたいのは、
売上の数字ではなく、
「なぜ売上が落ちていて、どうすれば戻せるのか?」
かもしれません。
だから僕は、
仕事を頼まれた時に、
「何をやればいいですか?」
だけではなく、
「何のために、この仕事をするんだろう?」
と考えるようにしています。
目的が分かれば、
言われた以上の仕事ができるようになります。
仕事ができる人は、アンテナを張っている
僕が仕事ができる人に必要だと思っていることの一つが、
常にアンテナを張ること。
です。
これは、
「24時間ずっと働け」
という意味ではありません。
例えば街を歩いている時。
面白い広告を見つけた。
「これ、うちでも使えないかな?」
飲食店に行った時。
接客がすごく良かった。
「この言い方、スタッフ教育に使えるな」
SNSを見ている時。
伸びている投稿を見つけた。
「なんでこの投稿は伸びてるんだろう?」
他のお店に行った時。
お客様がたくさん入っていた。
「うちとの違いは何だろう?」
こういうことを普段から考える。
僕はこれが、
アンテナを張る
ということだと思っています。
情報は、持っているだけでは価値にならない
今は、情報なんていくらでも手に入ります。
SNS。
YouTube。
ニュース。
本。
AI。
調べれば、ほとんどのことが出てきます。
だから、
「知っている」だけでは、それほど大きな差にならない時代
だと思っています。
大切なのは、
その情報を自分の仕事にどう使うか。
です。
例えば、
「最近このSNSが伸びているらしい」
という情報を知った。
そこで終われば、ただの情報です。
でも、
「うちの会社なら、どう使える?」
「集客に使える?」
「採用に使える?」
「誰にやらせる?」
「いくらかかる?」
「失敗した場合のリスクは?」
まで考えれば、
情報が仕事に変わります。
だから僕は、
情報を集める人より、情報を使える人の方が強い
と思っています。
仕事は、速いだけでも価値がある
僕は、
仕事のスピード
もかなり大切だと思っています。
上司から、
「これお願い」
と言われた仕事。
できるなら、早くやる。
僕はこれだけでも価値があると思っています。
なぜなら、
仕事が速い人には、
「この人に頼めば仕事が進む」
という信頼が生まれるからです。
この信頼はかなり大きい。
仕事を頼む。
すぐ返ってくる。
また頼む。
またすぐ返ってくる。
そうすると、
重要な仕事も任されるようになります。
重要な仕事を任される。
↓
経験が増える。
↓
判断する機会が増える。
↓
仕事のレベルが上がる。
↓
さらに重要な仕事を任される。
僕は、
スピード → 信頼 → チャンス → 経験 → 成長
という流れがあると思っています。
ただし「速い=雑」では意味がない
もちろん、
速ければ何でもいいわけではありません。
10分で終わらせたけど、
ミスだらけ。
結局、上司が全部やり直す。
これでは仕事が速いとは言えません。
僕が考えるスピードは、
求められているクオリティを満たした上で、できるだけ早く終わらせること。
です。
そして、仕事によって必要な完成度も違います。
100点まで作り込む必要がある仕事。
まず60点で出して、方向性を確認した方がいい仕事。
スピードを最優先する仕事。
絶対にミスできない仕事。
ここを見極めることも、仕事だと思っています。
「完璧にしてから見せます」が遅いこともある
例えば、新しい企画書を作る仕事。
3日かけて100点の資料を作った。
上司に見せたら、
「そもそも方向性が違う」
と言われた。
これ、かなりもったいないですよね。
だったら、
最初の30分で、
「こういう方向で作ろうと思っています」
と一度確認する。
方向性が合っていれば、そのまま進める。
違っていたら、そこで修正する。
僕は、
仕事ができる人ほど、小さく確認するのが上手い
と思っています。
全部完成してから確認するのではなく、
重要なポイントで確認する。
これだけで、無駄な仕事はかなり減ります。
頼まれた仕事に「+1」をつける
僕が部下に身につけてほしいのは、
頼まれたことに「+1」をつける癖
です。
例えば、
「この数字を調べて」
と言われた。
数字を調べる。
これは仕事です。
そこに、
「先月との比較も出しておきました」
を加える。
「この競合店を調べて」
と言われた。
調べる。
さらに、
「うちとの違いを3つまとめました」
までやる。
「この問題について確認して」
と言われた。
確認する。
さらに、
「原因は○○だと思うので、こう改善してみてはどうでしょうか?」
まで持っていく。
この小さな「+1」が積み重なると、
上司からの見え方が変わります。
「言ったことをやってくれる人」
から、
「一緒に仕事を考えられる人」
になっていきます。
でも、勝手にやりすぎない
ここも大切です。
「一歩先を考えろ」
と言うと、
全部自分の判断で進めてしまう人もいます。
それは違います。
考えることと、
勝手に決めること
は別です。
例えば、
「この広告は効果がないと思ったので、勝手に止めました」
これは、立場によっては問題になります。
それより、
「数字を見ると広告効果が落ちています。止めるか、予算を下げた方がいいと思いますが、どうでしょうか?」
と提案する。
考える。提案する。必要なら確認する。
この順番が大切です。
配慮はする。でも遠慮はしない
これは第3回、第4回でも書いた僕の考え方です。
配慮はする。でも遠慮はしない。
会社にとって必要だと思ったことは伝える。
でも、
相手の立場を考える。
タイミングを考える。
伝え方を考える。
根拠を持つ。
いきなり否定しない。
僕は、
「何でも言える人」が仕事ができるのではなく、「必要なことを、相手が受け取れる形で言える人」が仕事ができる
と思っています。
仕事ができる人は「会社全体」で考える
僕自身、仕事の考え方が大きく変わったきっかけがあります。
それが、
「自分が経営者だったら、どう考える?」
という視点を持つようになったことです。
社員としてだけ考えると、
「自分の仕事が増える」
「面倒くさい」
「それは自分の担当じゃない」
となることがあります。
でも会社全体で考えると、
見え方が変わります。
この仕事はいくら売上につながる?
いくら経費がかかる?
誰がやるのが一番効率的?
他のスタッフにはどんな影響がある?
お客様にはどんなメリットがある?
失敗した時の最大損失は?
そして、
会社全体としてプラスなのか?
ここまで考える。
自分の仕事だけを見るのではなく、
一段上から会社を見る。
これができるようになると、判断の仕方がかなり変わります。
「お金の匂い」がする方向を見る
少し僕らしい言い方をすると、
僕は、
「お金の匂いがする方向はどこか?」
を考えています。
もちろん、
目先のお金だけ追いかけるという意味ではありません。
どこに売上が生まれる可能性があるのか。
どこに無駄な経費があるのか。
どこを改善すれば利益が増えるのか。
どのスタッフを育てれば組織が強くなるのか。
今、自分の時間をどこに使えば一番会社にプラスなのか。
仕事をしていると、やることはいくらでもあります。
だからこそ、
「今、一番効果が大きい仕事は何か?」
を考える。
これも、仕事ができる人に必要な視点だと思っています。
仕事ができる人は「自分で仕事を見つける」
最初は、
上司から仕事をもらう。
それでいいと思います。
でも、ずっとそれだけでは成長しません。
少しずつ、
「ここ改善できるんじゃない?」
「この作業、毎回やってるけど自動化できない?」
「このスタッフ、ここを教えたらもっと伸びるんじゃない?」
「この経費、本当に必要?」
と、自分で問題を見つける。
そして、
自分で仕事を作る。
僕は、ここまでできるようになるとかなり強いと思っています。
上司から仕事を渡される人ではなく、
会社に必要な仕事を自分で見つけられる人。
そういう人は、どんな会社でも必要とされると思います。
僕が思う「仕事ができる人」
ここまで色々書きましたが、
僕が思う仕事ができる人をまとめると、
アンテナを張っている。
目的を理解している。
言われたことの一歩先を考える。
仕事が速い。
必要なところで確認できる。
「+1」の提案ができる。
配慮はする。でも遠慮はしない。
会社全体で物事を考えられる。
自分で問題を見つけ、仕事を作れる。
こんな人だと思っています。
もちろん、最初から全部できる人なんてほとんどいません。
僕自身も、全部完璧にできているとは思っていません。
だからこそ、
一つずつ意識する。
最後に
僕は、
仕事ができる人は、特別な才能を持った人ではない
と思っています。
人より少し早く気づく。
人より少し先まで考える。
人より少し早く動く。
そして、
「もっと良くするには?」
を考える。
一つ一つは、小さなことです。
でも、
それを毎日積み重ねる。
1日ではほとんど差がつかないかもしれません。
1ヶ月でも、大きな差には見えないかもしれません。
でも、
1年。
3年。
5年。
積み重なった時、その差はかなり大きくなると思っています。
最初は、
「言われた仕事をする人」
でいい。
そこから、
「言われた仕事の一歩先を考える人」
になる。
そして最終的には、
「会社に必要な仕事を、自分で見つけられる人」
になる。
僕は、これが仕事で成長していく一つの流れだと思っています。
仕事ができるようになりたいと思ったら、
まず明日から、
「言われたことに、何か一つ『+1』できないか?」
を考えてみてください。
その小さな「+1」が、
いつか大きな差になると思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも、僕自身が実際の仕事で経験してきたことをもとに、
学校ではなかなか教えてもらえない「仕事の考え方」
について発信していきます。
もし「こんな考え方もあるんだ」と思ってもらえたら、フォローしてもらえると嬉しいです。
次回は、「部下のせいで出世できない」は本当なのか?について書こうと思います。

