映画感想 ルックバック 2026.09.11
ルックバックの実写化。
実写化向きの原作ではあるので、
逆に再現性が問われる。
藤野の出口夏希さんは、期待してる若手俳優なので気になってしまう。
整った顔立ちと眼力、笑顔が印象的。
キョウの蒔田彩珠さんは、名前は覚えて無いが時折見かけていた人だった。
とは言え、最初は小学生時代。
アニメとは少し違う部分にフォーカスして描かれてる感じだろうか。
子役は見た覚えはなかったけどいい感じ。
藤野の複雑な感情。小学生なりの虚栄心や、優越感、嫉妬、純粋な憧れ、絵が好き。感情が入り乱れながらも集中して絵に向かい合う。
野呂佳代さんの存在も有り、アニメの表現とは、また少し違う印象だった。
卒業式後に、卒業証書を届けさせるとか意味不明と思いつつ、
キョウとの出会いという事件が起きる。
圧倒的な努力を目の当たりにし、
キョウの意外なアプローチに勘定を揺さぶられ、
何かが変わった藤野が、
キョウと出会った帰り、テーマ曲を鼻歌で歌い始めて導入、
と言うのは巧いと思った。
あのテーマ曲を鼻歌で歌えるのは天才としか言いようがないが
そういうことではない。
この辺りは、アニメの後発ならではのギミックか。
あの日の「またね」から始まった二人が
中学生になり共同で作品を作り始める。
キョウの背景の中で藤野のキャラクターが動き回る。
中学の後半か高校からは子役から女優にバトンタッチ。
出口さんの眼力と存在感が印象的で物語を引っ張る。街に遊びに出かけて弾けてる女の子の時と、作品に取り組む時の2人の作業の時のギャップが素晴らしい。蒔田さんのキョウは藤野の背中を追いかけるように従順に指示に従う。
いくつかの作品で成功を重ねる中で少しずつ道がズレていく様子が描かれ、連載が決まったところでキョウが美大への進学の決断を告げる。
そして、時間が経過して漫画家としての立場を作る藤野。
デジタルに囲まれて、効率的で、快適な仲間と作品を作る。
望んでいた環境のはずだけど、キョウがいないことに物足りなさを感じている。
そんな中で、飛び込んでくる事件のニュース。
アニメで知っていた展開なのに、やはり心拍数が上がった。
知っていたのに、死なないでくれと思ってしまった。
極論、改悪でもいいから生きててくれ。とすら思った。
アニメでも印象的だったその後のキョウの部屋のシーン。
「if」の世界のエモい展開にこっちが現実だったらと思いながらも、
これも藤野の想像力の賜物の世界でしか無い。
多分、キョウがいなければ、
藤野は漫画や絵の世界から離れていた気もする。
キョウの部屋の作品に見惚れて、彼女の選択を肯定できたんだと思いたい。過去を振り返り、思い出に浸りつつ、
自分が誘わなければという世界を妄想し、
絵を極めようとしたキョウの作品を見て、
昔描いた半纏の背中の自分の名前を見る。
わかっていても見たい、タイトル回収が見事。
実写は実写。アニメはアニメ。原作は読んでないけど、
それぞれ別のものだと思っている。
同じタイトルを使う以上、大枠の世界観は壊してほしくはないが、
味わいは違っていいもの、違うべきものだと思う。
そこに好き嫌いが有るのはしょうがない。
「実写化の意味」とかどうでもいい。
この作品に触れる人が増えるのはいいことだ。
