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77. 成長が止まる人は、守り方が同じ

昨日の輝きが、今日のあなたを縛りつけてはいませんか。

立ち止まってしまったのは、あなたが歩みを止めたからではなく、昨日までの鎧を脱ぎ捨てていないから。

加納光|40年間、誰よりも「選ばれない理由」と向き合い続けてきたからこそ、伝えたいこと

人一倍努力しているのに、なぜか思うように評価が追いつかない。
そんなもどかしさを抱えている人には、ある共通点があります。
それは、決してあなたの力が足りないからではありません。
ただ、心を配る「ピント」が、ほんの少しだけずれているだけなのです。


「一生懸命」の種類を、今のあなたに合わせて選んでいますか。

かつては、飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びていた。
以前は、周囲からも眩しいほどの評価を受けていた。
たしかに、確かな手応えを感じていたはずなのに……。

あるときを境に、ふと、景色が変わらなくなってしまう人がいます。
怠けているわけではない。誠実さも、あの頃のまま。
それなのに、なぜか以前のような煌めきが失われていく。

40年という歳月のなかで数多の人生の転機を見つめ続けてきた私が確信しているのは、成長の歩みが止まってしまう人は、「自分自身を支える作法」を、ずっと同じままにしているということです。

たとえば、まだ何者でもなかった頃。
誰よりも早く駆け出し、
溢れるほどの量をこなし、
夜を徹してでもやり遂げ、
どんな依頼にも食らいついていく。
そんながむしゃらな日々が、あなたを一段高い場所へと押し上げてくれた時期があったはずです。

けれど、いつしか背負う責任が重くなり、
向き合うべき事柄が複雑に絡み合い、
あなたが守るべきものも、確実に変わってきたはずです。
それなのに、未だに「量で押し切る」「すべてを抱え込む」「ひとりで歯を食いしばる」という、かつての流儀に固執してはいないでしょうか。

かつてのあなたを救ったそのやり方が、今のあなたにとっては、自由を奪う重荷へと変わっているかもしれないのです。

お店という営みでも、全く同じことが言えるでしょう。
店主ひとりの気概だけで愛された小さなお店が、
仲間が増え、暖簾が大きくなってもなお、昔と同じやり方に縋り付いていれば、
やがてその誠実さは、歪みとなって現れてしまいます。

私はセミナーを通して、この「あり方の更新」について説き続けてきました。
ずっと伸び続ける人とは、ただの努力家ではありません。今の自分の器に合わせて、戦い方を、愛し方を、しなやかに変えていける人なのです。

だからこそ、私は経営者の方々にも、組織が生まれ変わる瞬間にこう問い直してもらいます。

  • 自らが走るのではなく、誰かの成長を慈しむ人になれていますか?

  • ひとりで抱えるよりも、信頼して託す勇気を持っていますか?

  • 精神論を振りかざす前に、誰の手にも馴染む仕組みを編んでいますか?

  • かつての誇り高き成功体験を、一度さらりと手放せていますか?

  • 今の立場にふさわしい、新しい誠実さを身に纏っていますか?

そして、焦燥感に揺れるあなたには、こう伝えたいのです。

  • 今の悩みは、十年前のあなたと同じ方法で解こうとしていませんか?

  • 余裕を失いそうになったら、手放すべき仕事を指折り数えてみること。

  • ひとりで震える拳を握りしめる前に、誰かに声をかけてみること。

  • 毎年ひとつ、自分なりの「仕事の作法」を新しく書き換えること。

  • 得意な一矢だけで、いつまでも戦い続けようとしないこと。

実際、ある男性管理職は「昔はあれほど優秀だったのに、今はなぜこんなに苦しいのか」と、深い孤独の中にいました。
お話を聞けば、
部下の仕事のひとつひとつまで自分で確かめ、
月明かりの下で独り残業を重ね、
若い頃に自分を救ってくれた「自力」という道しか選べずにいました。

そこで私は、託すための基準を定め、
報告の形を美しく整え、
何よりも「人を育てる時間」を慈しむよう伝えました。

ただそれだけで、彼の周りには再び活気が戻り、数字もついてきました。
能力が衰えたわけではありません。今の自分にふさわしい「守り方」を知らなかっただけなのです。

あなた自身も、そうではありませんか。
かつてお気に入りだった服が、今のあなたを一番美しく見せてくれるとは限らない。
仕事への向き合い方も、それと同じです。

人の営みは、とても自然なものです。
人の心は誰しも正直で、誰もが無理なく生きていきたいのです。
ガンバる時でも無理にならないように少し形を変えて前に進める。

だから、もし今、あなたが自分自身の停滞を感じているのなら、
さらに自分を追い込む前に、
「今の自分は、昔の勝ち方にしがみついてはいないだろうか」と、自分自身に問いかけてみてください。

立ち止まってしまった人は、力がないわけではありません。
新しい自分へと生まれ変わる、その「変え時」を少しだけ見落としているだけなのです。

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