見出し画像

79. 頭が良いのに伸びない人の特徴

その明晰さが、現実を塗り替えるための翼になるように。

語る言葉の鋭さよりも、たった一度の「振る舞い」が世界を変えていく。

加納光|40年間、誰よりも「選ばれない理由」と向き合い続けてきたからこそ、伝えたいこと

一生懸命に汗を流しているのに、なぜか思うように評価が追いつかない。
そんなもどかしさを抱えている人には、ある共通点があります。
それは、決してあなたの力が足りないからではありません。
ただ、心を配る「ピント」が、ほんの少しだけずれているだけなのです。


「分かっている」という充足感に、未来を奪われていませんか。

飲み込みが早く、
筋道の通った説明ができ、
知識も豊富で、
交わす言葉からその聡明さが痛いほど伝わってくる……。

それなのに、なぜか確かな実を結べない人がいます。
思うように報われず、後から来たはずの誰かに、いつの間にか背中を追い越されてしまう。

40年という歳月のなかで数多の組織の命運を見つめ続けてきた私が確信しているのは、聡明でありながら伸び悩む人は、考える力がないのではなく、その**「心の使い道」**で損をしてしまっているということです。

たとえば、あなた自身にもこんな記憶はありませんか。

理屈は完璧。
分析も鋭い。
けれど、最初の一歩を踏み出すのがひどく遅れてしまう。
わずかな綻びが気になり、
相手の考えをすぐに見抜いてしまうけれど、
自分自身の形にすることには臆病になってしまう。
もっと良い方法があるはずだと、思考の海を泳ぎ続けるうちに、
今日という日の成果を逃してしまう……。

賢明な人ほど、
理解しただけで満足してしまったり、
正解を語ることに酔ってしまったり、
未完成なまま世に出すことを嫌ってしまいがちです。
その結果、自らの手足を動かす時間が、削り取られてしまうのです。

お店という営みでも、全く同じことが言えるでしょう。
話し合いの席では誰よりも優秀で、
見事な資料をまとめ上げるけれど。
肝心の棚を入れ替えることはなく、
お客様への向き合い方を変えることもない。
それでは、明日を彩る数字は一向に変わりません。

私はセミナーを通して、この「知恵を現実に変える力」について説き続けてきました。
日々が移ろう現場で求められるのは、博識な人ではなく、自らの手で綻びを直せる人なのです。

だからこそ、私は経営者の方々にも、働く人との向き合い方についてこう問い直してもらいます。

  • 考える時間に、あらかじめ潔い限度を設けていますか?

  • 小さな試みを繰り返し、ありのままの結果を愛でていますか?

  • 完璧を求めるあまり、手放す時期を逸してはいませんか?

  • 誰かの言葉を評するより、自分なりの彩りを一つ添えていますか?

  • その知恵を、今月の確かな実りへと結びつけていますか?

  • 自らの目で、真実を確かめる時間を大切にしていますか?

そして、自らの才に溺れそうなあなたには、こう伝えたいのです。

  • 何かを学んだら、その日のうちに必ず一つ、行動に写すこと。

  • 覚書を増やすよりも、誰かに届ける形あるものを増やすこと。

  • 磨き上げの途中であっても、まずは世に問うてみること。

  • 語る前に、まずその手で試してみること。

  • 正しさを証明するより、確かな実りを目指すこと。

  • すべてを頭の中で終わらせないこと。

実際、ある男性社員は「同期の誰よりも頭は回るはずなのに、なぜ認められないのか」と、深い孤独の中にいました。
お話を聞けば、彼は素晴らしい企画をいくつも抱えていましたが、
取りかかるのが遅く、
誰かからの修正を待ち、
結果として、形にしたものは驚くほど少なかったのです。

そこで私は、毎週必ず一つは形にして届けること、
一日で骨組みを作り上げること、
そして自ら現場を歩くことを約束してもらいました。

ただそれだけで、彼への評価は劇的に変わり始めました。
知能が上がったわけではありません。その豊かな知恵を、現実というキャンバスに写し出す力が強まっただけなのです。

あなた自身も、そうではありませんか。
立派な料理本を幾冊も読み耽る人よりも、
冷蔵庫にあるもので一皿を仕上げる人のほうが、その夜の食卓を豊かにできるはずです。

人の営みは、とても自然なものです。
人の心は誰しも正直で、誰もが無理なく生きていきたいのです。
ガンバる時でも無理にならないように少し形を変えて前に進める。

だから、賢明であるはずの自分が伸び悩んでいると感じるのなら、
さらに知識を詰め込む前に、
「私のこの頭の良さは、誰かの笑顔や、確かな結果へと繋がっているだろうか」と、自分自身に問いかけてみてください。

聡明さは、あなたの何よりの武器です。
けれど、それを研ぎ澄ますだけで終わらせてしまえば、ただの飾りに変わってしまいます。
その知恵を、泥臭く、愛おしい現実へと注ぎ込んだとき、あなたの価値は初めて、誰にも真似できない輝きを放ち始めるのです。

いいなと思ったら応援しよう!