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新しいものが一番偉いのか。建築士が「傷」や「シミ」の中に、新品にはない価値を見出すとき。

家づくりの相談を受けていると、
こんな言葉をよく聞きます。

「できるだけ、新しくてきれいな状態を保ちたい」

その気持ちは、
とてもよく分かります。

でも建築士として、
少しだけ立ち止まりたくなる瞬間があります。



◼️素材は、時間を記憶する

木も、土も、石も、
すべての素材は
時間を記憶します。

・日に焼けた色
・手が触れた艶
・何度も拭かれた跡

それらは劣化ではなく、
履歴です。

新品の素材は、
まだ何も語りません。



◼️傷は、失敗ではない

柱についた傷。
床に残ったシミ。

それらは、
管理不足の証拠ではなく、
生活があった証拠です。

建築的に見ても、
構造に関係のない傷は、
むしろ素材の魅力を深めます。



◼️新しさは、ピークが一瞬

新品は、
完成した瞬間がピークです。

そこからは、
どうしても減点方式になる。

でも、
時間を引き受ける素材は、
住むほどに点数が上がっていく。

この違いは、
実はかなり大きいと思っています。


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