《モコンさんの庭》ぼくのセルアニメ業界現場 WORKS Memo:Events 05・『OVA版 機甲創世記モスピーダ LOVE,LIVE,ALIVE』1985年
新曲も入れて本編の総集編に若干の新作カットを入れ制作したのがOVA『機甲創世記モスピーダ LOVE,LIVE,ALIVE』です。
本編シーンの見どころを使ってPVを作るという感覚でよいかと思います。単純に良いとこだけを並べるような作品にしたくはなかったので、音楽シーンとして本編のハイライトシーンを選ぶという考えから、構成を考える上でどうしても新作カットが必要でした。それでプロデューサーの岩田弘氏に頼み込み、数分間の新作カットを入れられることになりました。新作カットの作画監督は浜崎博嗣氏でイエローの静と動のメリハリをしっかりと押さえてくれました。浜崎氏もぼくもROCKは大好きという共通点がありました。
イエローが自分のライブコンサートに向かう旅の途中の描写に、本編シーンを回想のように入れ込むという構成になっています。この時に本編シーンを単に並べることはぜずに、楽曲の感じとマッチするように本編からのシーンをPVとしてテーマを持つように選ぶことを基準としました。さらに新作シーンでラストが盛り上がるようライブにし、単独でも観られるように配慮するようにしました。
実は今時になってですがお詫びがあります。新作カットでイエローが飲み終わった缶を廃墟に投げるシーンがあるのですが、その缶に『この缶は自然素材で出来ていますので飲用後は…』の注意書きのアップを入れるのを忘れました…今時のエコロジーを考えると忘れちゃいけない1カットでした。
タイトルバックとラストカットのイラストは天野喜孝氏に描き下ろしていただきました。新作カットにはアニメだけでなく、天野氏のイラストだけで構成したシーンも入れたかったので、天野氏と打ち合わせを済ませました。後日、天野氏は眼を痛めてしまいしばらくは描けないとのことで、イラストだけで構成するシーンはできなくなりました。それでも何点かイラストを戴いていたので、そのイラストから構成を逆に考えて曲にのるシーンとしました。この時のイラストが『機甲創世記モスピーダ』DVDボックのジャケットに使われています。OVA『機甲創世記モスピーダ LOVE,LIVE,ALIVE』はこのDVDボックに収録されています。
OVAの発売にあたり購入者にプレゼントができないかとビクター音楽産業プロデューサーの永田守弘氏に相談し、企画したのが抽選で少人数ながらスタジオ内でのライブを聴けるというものでした。録音スタジオは青山にあったので『ブルーマウンテン・ライブ』と…スタジオでのライブなので久石譲氏とバンドの皆さんの生演奏を目と鼻の先の近さで聴くことができた当選した方々の体験は普通ではあり得ないプレゼントになったのでと。
※本稿はぼく個人のセルアニメ業界での実体験をもとにした記録です。当時の資料としてご覧いただけたら幸いです。個人名は当時の状況を踏まえ実名で記しております。関わってくださった皆さまに心より感謝いたします。
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