《モコンさんの庭》:セルアニメ時代に合作作品を手がけたトップクラフト在籍時1972~1983年の覚え書き MEMO:05
トップクラフト合作作品で使った
ラッシュフィルム編集機材

1)35mm&16mmフィルム検尺機
検尺機はフィルムの長さを測る機材ですが、この検尺機は35mm2連と16mm2連という仕様になっています。
撮影で使うのは35mmフィルムですが、編集では16mmフィルムを使います。これは16mmラッシュフィルムの方が安く、また使い勝手がよいからです。
35mmフィルムは1フィートあたり16コマで、16mmフィルムでは40コマとなります。
本番のネガフィルムの編集では、編集済みの16mmフィルムを元にネガを編集しますので、35mmと16mmのフィルムがシンクロするようになっています。
また2連になっていることで、写真の画面では白く見えるラッシュフィルム(35mmフィルムからポジにしたフィルム)と、隣の茶色のシネテープ(音声が入っている16mmの磁気テープ)を同時に扱うことができます。
2)16mmフィルムスプライサー
透明のテープを使ったテープ・スプライサーを使っています。
このスプライサーで不要部分のフィルムをカットし、透明の専用テープで繋ぎます。
(事務で使うテープと比べる違いがよく分かります。この透明のテープはスコッチ製で透明度が高く余分な糊がまったく付きません。また引っ張っても伸びにくくしっかりと付きます。)
3)16mmフィルム編集ビュアー
トップクラフトで使っていたビュアーは、シネテープの音声を再生できるように改造してあります。
改造と言っても大げさなものではなく、この頃ごく普通にあったオープンリールのテープレコーダーに付いている再生ヘッドを取り付けています。この再生ヘッドをシネテープを通す検尺機の中心に取り付けて、シネテープの音声を再生できるようにしています。ヘッドから伸びたコードは小型のアンプに繋ぎ、スピーカーから音声が再生できるようにしてありました。
検尺機のハンドルを回すと、ラッシュフィルムの映像とシネテープの音声を同時に確認できるので、編集時にセリフと音声を正確に合わせることができます。
ラッシュフィルムとシネテープを同時にシンクロ再生できる「スタインベック(Steenbeck)」というプロ用の編集機材があります。しかし、大型で高価な機材のため、トップクラフトではまだ購入までには至りませんでした。
トップクラフト退社後に依頼された仕事で、某スタジオにてスタインベックを使わせていただく機会がありました。音楽のシネテープに合わせて、ラッシュフィルムを音楽のタイミングに合わせて繋いでいくのに非常に便利でした。
4)16mmフィルムリール
フィルム・リワインダー(写真では見えませんが)に16mmフィルム用リールを取り付けます。リールにはラッシュフィルムとシネテープとをセットしておきます。
■合作作品の編集のポイント
ラッシュフィルムとシネテープは検尺機のハンドルを回すことで同時に進むので、ビューアーで映像と音声のシンクロを確認しつつ、フィルムスプライサーで不要部分をカットし繋げていきます。
合作作品では最初からセリフや音楽に合わせてキッチリと作画されていますので、キャラクターのセリフの動きと音声を編集で合わせる作業になります。
作画段階から編集時に微調整ができるように、タイムシートのカット始めに4コマ、終わりに4コマ加えています。これは予備コマと言います。
シネテープの音を聞いて、セリフなどの言葉や音楽をシネテープに書き込むスポッティングという作業中に生じる誤差を補正するのに使います。
例をあげると、セリフの始めの音が「a」としたら、いきなり明確に「a」という音として聞こえるのではなく、「a」の音が形成されるまでに、ほんの少しですが聞こえるか聞こえないかという音の始まりの部分があります。
このためにラッシュフィルムと一緒にシネテープを同期させてビュアーで見た場合、セリフと画像がズレて見えることがあります。このごく少しの部分を予備コマを使って微調整するのです。
編集作業は主にラッシュフィルムとシネテープの音声を合わせる作業になります。編集後に特に口の動きと音声が合っていることを再度確認します。この作業を繰り返します。地味ですが重要な作業となります。
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