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やさしさの連鎖をつくる 報告レポート:「一人ひとりの百点満点」学校のテストとは異なる、自分にとっての百点や満点とは

川崎市市民文化局パラムーブメント推進担当と、心のバリアフリーに関する様々なフィールドで活躍する10人によって、2024年にスタートした「やさしさの連鎖会議」。
 
今回は、アクションのひとつとして、川崎ワカモノ未来PROJECT2025(以下、カワプロ)の「カワプロCafe」のなかで、カワプロ9期の川口まゆか(まゆか)さん、地域メンターのストウミキコ(ミコラボ)さん、川崎市市民文化局パラムーブメント推進担当 佐々木悠介(ササササ)さんをパネラーに迎え、トークセッションを行いました。

 10年目を迎えたカワプロ2025のテーマは、「一人ひとりの百点満点」
「百点って?」「満点って?」そんな答えのない問いに向きあう時間を通して、それぞれが持つ価値観や大切にすべきことを探っていきます。


問いを繰り返してたどり着いたマイプロジェクト(川口まゆかさん)
 
昨年のカワプロに参加をし、パラムーブメント賞を受賞したまゆかさん。
「ガイドブックを介して、すべての人に居場所をつくる」をマイプロジェクトテーマに掲げ、活動してきました。

もともとガイドブックや雑誌などが好きだったというまゆかさんは、居場所づくりという漠然とした興味と、自身の好きなものを掛け合わせて、川崎にある「居場所」を発信していくことに決めたといいます。
 
「どんな居場所があり、どんな思いで人が集まっているのかを知りたい」。そう考えたまゆかさんは、中原区ソーシャルデザインセンター(SDC)の交流会に足を運び、アンケート調査を行うなどして情報を集め、ガイドブックとして形にしていったのです。
 
4か月間の取り組みのなかで、「いろんな人と関わり、居場所づくりはときにデリケートな問題で、すべての居場所が簡単に発信できるわけではないこと」を実感したといいます。ガイドブックがあることで、ひとりひとりが自分にあった居場所を見つけられるきっかけ作りになったのでは、と当時の活動をふり返りました。
 
カワプロの活動を通して、自分軸と人の話を聞く大切さを重要視してきたというまゆかさん。一生をかけて突き詰めたい探究のテーマに出会えたことも、参加して得たものだそうです。


——まゆかさんのカワプロでの活動を聞き、改めてテーマである「一人ひとりの百点満点」について、パネラーのみなさんに意見を伺いました。
 
「自分の百点を、人に押し付けてはいけない」(佐々木悠介さん)
 
「誰もが自分らしく暮らせる社会」を実現するための、かわさきパラムーブメントに取り組む立場として、テーマについて考えた佐々木さん。
 
私の仕事の目指すものは、果てしなく、実現が難しいのではと思ってしまうほど、理想的な社会を掲げて取り組んでいます。だから、百点を追求しすぎると、“こうしなきゃいけない”という自分の思いを押し付ける形になってしまうのかなと。自分の百点はあってもいいが、それを他人に押し付けないようにする。自分のなかで満足できるところをみつけられたらいいのかな」

 「百点」を「点数」ではなく「状態」として捉える考え方を共有した佐々木さん。
「色々、完璧を求めすぎないというか、やっぱり余裕を失ってしまうと誰かに優しくなる事ってなかなかできないのかなと思います。あまり突き詰めすぎないで、ちょっと適当さがあったり、遊び心があったりでいいと思います。」


「自分を評価するのは、前よりも世界を知ることができたか振り返るため」(ストウミキコさん)
 
テストのない高校に通っていたというミコラボさん。評価は、自らの評価と先生からの評価。そんななかで、自己を評価する基準は人によって大きく異なることに気付いたといいます。
 
「自分を評価するというのは、客観的に自分をみるため、そして、あなたがもっと世界を知ることができたか確認するため。私が視野を広げられたかなっていうのを振り返るために評価って必要で、そうすることでやっと未来が見えてくる。当時は気が付けなかったんですけどね。」

 「他人軸のなかで自分を評価するのは難しい。でも、隣の人の良いところを見つけていって、改めて自分と向き合う、他人を通して自分を知ることができても良いのではないかなと思います。」

 「満点は自分らしさ」(川口まゆかさん)
 
満点は目標や結果、百点は過程、と捉えたまゆかさん。
 
「満点っていうのが、どれだけ自分らしくできたか。百点は、その出来事にたいしてどれだけ熱量をもって頑張れたか、だと思います。」

「学校でも50点満点のテストとか100点満点のテストとか変わるものだと思っていて、そういうところが自分らしさに繋がるのかなって。百点っていうのは、例えばカワプロだったらマイプロジェクトのゴールにたどり着くまで人と関わって意見を得て、全員が同じではないし向き合い方はいろいろあるなって。カワプロを通して焦らず自分との向き合い方も考えていけたらいいんじゃないかなと思います。」 


 3人のパネラーと考える「一人ひとりの百点満点」。
周りとコミュニケーションを取りながら、どれだけ自分が満たされているかを問うこと。その積み重ねが、それぞれの「百点満点」を探っていくヒントになるのかもしれません。


主催:川崎市
記事執筆:大竹莉子