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【穴禅定|慈眼寺(徳島県上勝町)】

今回の修行は穴禅定あなぜんじょうなのですが、皆さんご存知でしょうか?

穴禅定あなぜんじょうとはとてもせまい鍾乳洞をローソクの明かりだけを頼りに通り抜けていき、自らの力だけでやり遂げるという修行です。

かなりせまい場所を進まなければいけないそうですよ、大丈夫かな~

正木ダム湖、通称「美愁湖」

美愁湖

スタート地点は徳島県上勝町の正木ダム、通称美愁湖です。

その名にふさわしい美しい景色を楽しみながら歩き始めました。

美しい景色に癒やされながら歩きます

ここ上勝町には特産品がいくつかあるのですが、その一つが晩茶です。番茶、じゃなくて晩茶と書きます。一体どんなお茶なのでしょうか?

上勝町名産の晩茶
とてもすっきりした味わいです

昔からお茶の栽培が盛んな上勝町。晩茶は新芽ではなく大きく成長した茶葉を樽で発酵させて作ります。

しかも半月から1か月もの間乳酸菌発酵をさせるので、他のお茶とは全く違う風味と深い味わいに仕上がるそうです。

以前、中国雲南省を訪れた時にプーアル茶を取材しました。そこでお茶の歴史と文化を学ばせてもらい大変興味深かったです。

ちなみにプーアル茶も微生物を使って発酵させるお茶で後発酵茶に分類されます。

町役場で晩茶をいただき一服してから再び歩き始めます。

すると徐々に坂道の傾斜がきつくなってきました。このまま山道を上り標高約550メートルまで進みます。

少し息を切らしながら山道を登っていると緑の柑橘類の果実がなっているのを発見。これは何の実でしょう?

急勾配が続きます
緑色の実がなっているのを発見

徳島といえばすだちが特産ですが、実はこれ柚香ゆこうという果実だそうです。

栽培されている農家さんが詳しくおしえてくれました

柚香ゆこうの収穫時期は10月中旬から下旬で、実は黄色になります。

収穫時期を迎えた柚香

柚香ゆこうはゆずとだいだいが自然交配したもので、味はとてもまろやかで糖度が高いのが特徴です。

ここ徳島県の山間部の一部でしか生産されていないのでほとんど流通しません。なので幻の果実とも呼ばれているそうです。

さらに山を登っていきます。この辺りは斜面がきつくて大変です。

続いても、あるものを栽培する農家さんのお宅にお邪魔します。

こちらの山内さんが生産されているのは葉。料理などに添えられるつまものに使われる葉です。

つまものの葉を栽培されている山内さん
パッケージに入れて販売します
このようにお料理に添えるととてもきれいです

つまものになる葉は数百種類もあり、一年を通して栽培と収穫を行うことができるそうです。

「きれいな葉っぱを収穫するのは楽しいんよ。それにタブレットを使って出荷もできるようになったのよ~」と山内さん。

山内さんは自分でタブレットを使い出荷作業をします

実は上勝町には山内さんのような葉を生産する農家さんは大勢いるんです。

上勝町は人口減少と高齢化がかねてからの問題でした。

そこで高齢者の皆さんが楽しみながら仕事をして収入を得られる仕組みを上勝町と民間企業がつくり、この葉っぱビジネスがスタート。

生産者にパソコンやタブレットを使ってもらって効率化を図ったり、町のネットワークを駆使するなどして生産者がどんどん増えていきました。

年をとっても仕事ができて楽しいと話す山内さん

取材当時、つまものビジネスの年商はなんと約2億円!!中には年間売り上げが1000万円というおばあちゃんもいるのだとか!すごいですね~

このビジネスモデルは全国的にも注目され、全国から視察もくるようになったそうですよ。

山内さんと別れて再び歩きます。スタート地点から約4キロ、大きな滝が見えてきました。

上り坂が続きます

灌頂ヶ滝

落差80メートルの灌頂ヶ滝かんちょうがたき

徳島県には弘法大師ゆかりの地がたくさんありますがここ灌頂ヶ滝かんちょうがたきもそのひとつです。

灌頂かんちょうというのは密教の儀式で、頭頂部に清めの水を受けて仏と縁を結び戒律を授かることを意味します。

落差約80メートル
水が岩にぶつかり霧状になって降ってきます

その儀式から名前が付けられ灌頂ヶ滝かんちょうがたきと呼ばれていて、今も行者さんたちがこの滝で修行をされています。

灌頂ヶ滝かんちょうがたきの水しぶきを受けてリフレッシュ、引き続き歩きます。

スタート地点から歩くこと約6時間、標高約600メートルの目的地にようやく到着です。

慈眼寺

慈眼寺の御本尊、十一面観音像

慈眼寺じげんじの創建は定かではないそうですが、御本尊の十一面観音像は弘法大師が彫ったと伝わっています。

これから穴禅定あなぜんじょうを行うのですが、案内人の先達せんだちが同行しなければなりません。今回は金児さんにお願いします。

先達の金児さん

暗くてせまい鍾乳洞を進む穴禅定あなぜんじょう、強い精神力と体力が必要で様々な恐怖に打ち勝ち心を鍛えることを目的とします。

またとてもせまい場所を進むので、境内の路幅体験場を通り抜けられないと修行をすることができません。

この路幅体験場を通ることができないと穴禅定はできません

私河田とくっすん、それにスタッフ全員が行者服に着替え修行場に向かいます。

修行場に向かいます
修行場の断面図

片道50メートルで一番奥の弘法大師像を拝んで戻ってくるという穴禅定あなぜんじょう

入り口はこの岩と岩の隙間です。思っていたよりかなりせまくて驚きました。

中は当然真っ暗なのでロウソクを灯してその明かりを頼りに進みます。

ロウソクの明かりだけが頼りです

隊列を組んで一列で進みますが、中はとてもせまいので一度入ると順番を入れ替えることができません。

なので、先達の金児さん→カメラマン1→くっすん→カメラマン2→河田→スタッフの順に進みます。ちゃんと撮影できるか不安です。

ロウソクを片手になんとか前に進みます

全身を使いながら慎重に進みます。岩の表面はごつごつしてて冷たくて少し湿っています。大きな岩にはさまれて押しつぶされないかという恐怖心が徐々にわいてきました。

すると!
突然ロウソクの火が消えてあたりが真っ暗に!でもせますぎて身動きがとれません!くっすんが「火が消えた、暗い!見えない!こわい!」とちょっとしたパニックになりましたが、金児さんが「大丈夫、ロウソクに火をつけましょう」の声で落ち着きを取り戻しました。

いや~ちょっと焦りました。仕切りなおしてまた進み始めます。

せまい穴に体を滑り込ますように進みます
ロウソクの火が消えないようにしなければなりません

前の方から聞こえる金児さんの指示を頼りに少しずつ前進します。

地面に這いつくばって体を折り曲げるようにくぐり抜けなければならない場所も。最もせまい場所で幅26センチです。

そしてようやく鍾乳洞の一番奥にたどり着きましたー!とても長い道のりに感じました。

鍾乳洞の一番奥でお経をあげます
心を落ち着け手を合わせます
弘法大師像

ここには弘法大師の像が祀られていて般若心経を唱えます。

さぁここからは復路、出口を目指します。

帰り道には胎内くぐりと呼ばれる難所も。人が一人なんとかくぐり抜けることができる隙間しかありません。

鍾乳洞に入ってから約1時間半、やっとの思いで出てくることができました~!

いや~太陽の光がまぶしい!これで穴禅定あなぜんじょう終了です。

鍾乳洞から出てきた時は大きな達成感と開放感を味わうことができました!

穴禅定あなぜんじょうでは非日常の空間に身を置き、自分自身でやりきることが求められます。

昔の人たちはこの修行で自分自身の強さを磨こうとしたのでしょうね。

ただ、閉所が苦手な方にはお勧めしませんのでご注意下さい。


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