【連載⑩】わたしが「祈り」を生業にしている、本当の理由
前回、「阿南の祈り」が1000年封印されていたお話をしたよね。
でも──そもそも、その「祈り」って、どこから来たものなの?
ご先祖様たちが封印してまで守ろうとした「祈り」の正体。 今回は、そこを一緒に辿ってみたい。
1. ご先祖様は「神を降ろす人」だった
わたしのルーツである大神氏(おおみわし)。
彼らはもともと、大和・三輪山の麓に住む祭祀氏族だった。
「祭祀」って、難しく聞こえるかもしれないけど、要するに── 神様と人間の間に立って、神の声を届ける人たち。
現代でいうなら、シャーマン。 巫(かんなぎ)。 神降ろしの担い手。
そう、わたしのご先祖様は、「神を降ろす血筋」 だったんだ。

2. 3年間、食を断って祈り続けた男
史料によると、6世紀の末。 大神朝臣比義(おおみわのあそみ ひぎ)というご先祖様が、宇佐の地に赴任した。
そこで彼は、何かを感じ取る。 「ここに、神がいる」と。
彼がとった行動が、すごい。
3年間、穀物を断って籠居し、御幣を捧げ続けた。
ただひたすらに、祈り続けた。
「汝が神ならば、我が前に現われよ」と。
そして──ある日、三歳の少児の姿をした神が現れ、託宣を告げた。
それが、のちの宇佐八幡大明神。
つまり、宇佐八幡という日本中に広がった信仰の原点に、わたしのご先祖様の「3年間の祈り」があった。

3.「祈り」って、そういうことだったのか
この話を読んだとき、わたし、なんか泣けてきてさ。
3年間だよ?
お米も食べずに、ただひたすら祈り続けた。 結果が出るかどうかも、わからないのに。 神様が本当にいるかどうかも、わからないのに──
でもご先祖様は、信じて、待ち続けた。
それって、「祈る」ってことの本質じゃない?
結果のために祈るんじゃなくて、 信じているから祈る。 繋がっているから祈る。 それが「在り方」だから祈る。

4. わたしが「祈り」を仕事にしている、本当の理由
わたしが祈りをベースにヒーリングをしているのは、「なんとなくスピリチュアルが好きだから」じゃない。
血の記憶が、そうさせている。
1400年前、大和から宇佐へ。 神を降ろすために、3年間食を断ったご先祖様。
その血が、わたしの中に流れてる。
だから、「祈り」がわたしの仕事になるのは── 後天的に選んだことじゃなくて、 生まれる前から決まっていたこと なのかもしれない。

おわりに
「祈り」って、特別な人だけのものじゃない。
でも、祈りを「生業(なりわい)」にするというのは、 やっぱりなんらかの「使命」が宿った人間にしかできないことだと、わたしは思ってる。
1400年前のご先祖様が3年間かけて降ろした神様の声が、 今、わたしを通して響き続けている。
そう思うと、怖くもあるし、 でも──なんか、清々しい。
「阿南の祈り、つないでいくよ」って、心の底から言える気がする。

(つづく)
